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Lost Memories  作者: 恩人
第一章「始まりの邂逅」《かいこう》

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9/10

第一章 Episode8「最強への挑戦」

「いきなり実戦…?」

俺は少し引きつったような顔で言った。


「早かれ遅かれやるつもりだったからね、早いこと君の実力も知っておきたいから。」

そう言うと、セリシアは俺を見晴らしのいい草むらの真ん中へと誘導した。


「さ…てと、ちょーーと準備するから待ってて。」

(準備?なにをするんだ?)と俺は首をかしげた。

間もなくセリシアは手を地面に置き、意識を集中させていると、周りの地面からセリシアの魔力のようなものがぶわっ……!と俺とセリシアを中心に囲んだ。


「私の魔力を50m間隔くらいでバリアにしたんだ。周りに被害があったら大変だからね。詠唱を必要とする魔術とはまた違うものなんだ。」

ユノアにも聞いていたが、今の村の周りに貼っているバリアもセリシアの物らしい。セリシア自身が敵と認識している人には入れないようになってるものらしい。


敵認識されなくてよかったと一人で安堵あんどするなんて間もなくセリシアは「こっち向いて」と俺に呼びかけ俺の胸に手をかざす。


(そういや適正属性を見るときも同じようなことしてたよな…)と多少の既視感を覚えた。そんなことを思っているとセリシアは早速詠唱を始めていた。


「その体に、この者に、限界を超えし力を宿さん…フィジカルオーバー・ブースト!」

聞いた限り身体能力を強化する魔術のようだが、今のところは俺やセリシアの体に変化はなかった。


「なあ、これって身体能力を強化する魔術なのか?そうならあまりにも変化がないように感じるんだが…」

セリシアは「そう!この魔術は受けた人の身体能力全般を底上げしてくれるんだ。試しにちょっと飛んでみな?変化がわかるはず!」


そう言われ、俺は下半身に力をいれて両手と両足を振り上げ飛んだ。その時俺は思わず言葉を失った。

周りの木を超して、少なくとも6、7mは飛んでいた。

少し胸がヒュンとしたが、着地も何事もなく終わった。


「今回は私が魔術を使ってアス君の身体能力を強化したけど、次は自分で使えるようにこの魔術は教えるよ。」

うん、とセリシアは頷きとうとう実戦に入ろうとしていたが…


「ある程度準備もできたから始めたいところなんだけど…アス君、ユノアに聞いたんだけど君って今マジック・ショットしか使えないんだったね…」


そうだ…。今の俺は今マジック・ショットしか使えないんだ。正直英傑相手にマジック・ショットだけで太刀打ちできないのはなんとなくわかっていた。

悩んでいる俺にセリシアはこう提案した。


「そうだ君がマジック・ショットしか使えないなら、私もマジック・ショットしか使わないよ。正直いまの君の実力を見たいだけだからね。勝つつもりはあんまないかな。」


俺は少し考えたが「…じゃあ、それでいこう」とセリシアの考えを飲み込んだ俺はセリシアに言われバリアの端っこに立った。セリシアも俺の立っている場所と対角になるようにバリアの端っこに立ち、少し声を張って俺に向かって言った。


「よし良いかな!じゃあ私が合図するから同時にマジック・ショットの詠唱を唱えてー!そこからスタートだよ。そこまで派手に戦うつもりはないからどちらか先にマジック・ショットを一発でも当てた方の勝ちね!じゃあよろしく!」


俺も「お願いします!」と自然に声が出た。

「じゃあ行くよー!」セリシアが合図する。


「「無より生まれ、敵を射抜け―《マジックショット》!!」」

遅くなってしまい申し訳ございません。

次回Episode9「今の自分にできること」

8月9日もしくは10日投稿予定


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