SS 第3話 帰って来ていたのか
亜空間に存在する五大竜王会議場。
リアネがエメリオとの挨拶を終えた、その時だった。
眩い光と共に、二つの人影が姿を現す。
エルフの王――精霊王アルディオン・エルヴェシア。
ドワーフの王――鍛冶王ガンドール・アイゼンハルト。
二人はリアネの姿を見た瞬間、穏やかな笑みを浮かべた。
「久しいな」
「久しぶり!」
リアネも満面の笑みで手を振る。
ガンドールは豪快に笑った。
「帰って来ておったのか!」
「使節団代表から話は聞いたぞ!」
アルディオンも優しく微笑む。
「エリアネ大祭で起きたことは、すべて報告を受けております」
「帰って来られていたのでしたら、一言くらい知らせてくださっても良かったではありませんか」
リアネは照れくさそうに頭をかいた。
「やっぱり……」
「皆には隠し事できないよね」
すると、オルドが静かに口を開く。
「私が招待した」
短い一言。
その言葉だけで、全員が納得したように頷く。
リアネは苦笑した。
「オルドには隠せないよね」
オルドは即座に答える。
「当然だ」
ガンドールは笑いながら言う。
「使節団の奴らが興奮して帰ってきてのう」
「『あの優しい光は間違いない』と、何度も話しておったわ」
アルディオンも静かに頷く。
「私も報告を聞いた瞬間、すぐに分かりました」
「三千年前と何も変わらない、あなたの光だったと」
リアネは肩をすくめる。
「やっぱり隠せなかったかぁ」
オルドは静かに酒杯を手に取った。
「では」
「始めよう」
竜族の侍従たちが次々と酒を運び込む。
リアネも嬉しそうに荷物を開く。
「私もいっぱい持ってきたよ!」
「ベル商会おすすめのお酒!」
果実酒。
麦酒。
蒸留酒。
机いっぱいに様々な酒瓶が並ぶ。
ガンドールの目が輝いた。
「ほぉ!」
「これは楽しみじゃ!」
アルディオンも果実酒を見て嬉しそうに微笑む。
「今年も飲み比べができそうですね」
オルドは静かに酒杯を掲げた。
「皆の衆」
「再会に乾杯」
「乾杯!」
澄んだ音と共に酒杯が重なる。
三千年という時を超え。
再び集った旧友たちの笑い声が、亜空間に存在する五大竜王会議場へ、いつまでも心地よく響き渡るのだった。




