表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友達を作っていただけなのに、三千年後には初代大聖女と呼ばれていました!?  作者: Atelier Lotus


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
73/82

第72話 再会の約束

 エリアネ大祭を終えた翌朝。


 王都の城門前には、帰国の準備を整えた各国の使節団が集まっていた。


 馬車へ荷物が積み込まれ。


 騎士たちが出発の準備を進める。


 リアネも見送りのため、ソフィアと共に城門を訪れていた。


「皆さん」


「お気を付けて帰ってくださいね!」


 リアネが笑顔で手を振る。


 すると。


 エルヴィン、ボルド、ラグナスの三人が、静かにリアネの前まで歩いてきた。


 三人とも、どこか穏やかな笑みを浮かべている。


 エルヴィンが優しく微笑んだ。


「リアネ殿」


「また一緒に果実酒を飲みましょう」


「次は、我が里自慢の果実酒を持参いたします」


 ボルドも豪快に笑う。


「がっはっは!」


「儂も、とびきり旨い酒を持ってくる!」


「今度は朝まで飲み明かそうじゃないか!」


 最後にラグナスが一歩前へ出る。


「白竜族は、祭典代表を五年ごとの持ち回りで務めております」


「ですから……」


「私がお会いできるのは、五年後になりますね」


 少しだけ寂しそうに微笑む。


「少々、寂しいものです」


 リアネはにっこり笑った。


「大丈夫!」


「五年後も、お酒を用意して待ってます!」


 その言葉に。


 三人は顔を見合わせ、小さく笑った。


「ええ」


「楽しみにしております」


「約束じゃぞ」


 三人はリアネへ向かって深く一礼する。


 その姿は。


 まるで、旧友へ別れを告げるようにも見えた。


 リアネは首を傾げる。


(あれ……?)


(三人とも)


(なんだか、知ってるような……)


 一瞬、不安になる。


(もしかして……)


(バレちゃった?)


 三人は何も言わない。


 ただ穏やかに微笑み。


 馬車へ乗り込んでいく。


 そして。


 ゆっくりと動き出した馬車の窓から、ラグナスが小さく呟いた。


「また、お会いいたしましょう」


 その声はリアネには届かなかった。


 エルヴィンも。


 ボルドも。


 誰一人、「エリアネ様」とは呼ばない。


 それが。


 三千年ぶりに再会した友人へ贈る、三人なりの優しさだった。


 リアネは最後まで首を傾げたまま、大きく手を振る。


「また来てくださいねー!」


 その笑顔を胸に。


 三種族の使節団は、それぞれの故郷へ向けて帰路についた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ