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第5話 エリアネ大祭
三千年後。
リリア王国。
初代大聖女エリアネ生誕の国。
数年に一度開催される、世界最大の祭典。
正式名称――
『四種族友好大祭』
人々からは親しみを込めて、
『エリアネ大祭』
と呼ばれていた。
四種族友好を祝うこの祭典は、
初代大聖女エリアネが成し遂げた四種族融和を後世へ伝えるため、三千年もの間受け継がれてきた伝統ある祭典である。
普段は不可侵・不干渉を貫く四種族も、
この祭典だけは公式使節団を派遣し、
互いの友好を改めて誓い合う。
そのため、
世界各国から王侯貴族や巡礼者、商人、観光客が訪れるだけではない。
竜族。
エルフ族。
ドワーフ族。
四種族の人々が一堂に集う、
世界でも類を見ない祭典だった。
王都リリアは色鮮やかな花と旗で飾られ、
大通りには数え切れないほどの露店が立ち並ぶ。
焼きたてのパンの香り。
果実酒の甘い香り。
鍛冶屋の威勢の良い掛け声。
楽師たちが奏でる軽快な音楽。
子どもたちの笑い声が街中へ響き渡る。
誰もが笑顔で祭りの日を迎えていた。
これは、
友達を作ることが大好きだった一人の少女から始まった、
世界で一番優しいお祭り。
その物語である。




