第4話 友達からのプレゼント
完成したロザリオを手に、
白竜皇オルド・アルカ=ヴェルがエリアネの前へ歩み寄る。
水晶のように透き通ったロザリオは、
陽の光を受けるたび、
白。
黒。
紅。
翠。
碧。
五色の輝きを静かに映し出していた。
誰も見たことのない、
世界で唯一つのロザリオ。
オルドは優しく微笑み、エリアネの首へロザリオを掛ける。
「これは四種族友好の証」
「そして」
「友である我らから、お前への贈り物だ」
エリアネはきょとんと首を傾げた。
「え?」
「友達からのプレゼントじゃないの?」
一瞬の静寂。
四種族の王たちは顔を見合わせる。
エリアネは胸元のロザリオを両手でそっと持ち上げた。
「ていうか!」
「いいの!?」
「こんな素敵なもの貰っちゃって!」
透明な珠へ光が差し込み、
五色の輝きがエリアネの笑顔を優しく照らす。
「めっちゃテンション上がる!」
「すっごく綺麗じゃん!」
「一生大事にするね!」
「ほんとにありがとう!」
その無邪気な笑顔を見て、
オルドは静かに目を細めた。
精霊王アルディオン・エルヴェシアは穏やかに微笑み。
鍛冶王ガンドール・アイゼンハルトは豪快に笑う。
「がはははっ!」
「そう言ってもらえりゃ、鍛えた甲斐があったってもんだ!」
黒竜王ゼノン・ノワール=ヴェルは静かに頷き。
紅竜王ヴォルカン・フラム=ヴェルは満足そうに腕を組む。
そして。
翠竜王アルヴェイン・シルヴァ=ヴェルは、孫を見守る祖父のような優しい笑みを浮かべた。
「ほっほっほ」
「やはり、この娘に贈って正解じゃったのう」
オルドは静かに口を開く。
「友とは」
「肩書でも」
「種族でもない」
「互いを想う心があれば、それで十分だ」
エリアネは満面の笑みで頷いた。
「うん!」
「みんな、大切な友達だよ!」
その言葉に、
その場にいた誰もが笑顔になる。
こうして。
四種族の願いと友情が込められた、
世界で唯一つのロザリオは、
エリアネの胸元へと収まった。
後の世。
このロザリオは、
四種族友好の象徴として、
世界で最も尊い宝の一つに数えられることとなる。
しかし。
当の本人だけは最後まで、
それを――
「友達から貰った大切なプレゼント」
そう思い続けていた。




