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第49話 冷や汗
宝物庫には、
静かな沈黙が流れていた。
リアネは冷や汗を流しながら、
必死に頭を回転させる。
(ど、どうしよう……)
(またやっちゃった……)
一方、
ソフィアはロザリオへ静かに視線を落としていた。
(本当に……)
(そのお話だけは、知り得るはずがありません)
三千年。
教会が最も調べ続けてきた宝。
しかし、
その素材も。
その製法も。
ついに解き明かされることはなかった。
ソフィアは、
かつて教皇サンセリテへ尋ねたことがある。
『このロザリオは、どのように作られたのでしょうか』
返ってきた答えは、
『分かりません』
だった。
長い時を生きるエルフ。
魔王討伐を成し遂げた大魔導士。
現教皇サンセリテでさえ、
その製法は知らなかった。
だからこそ、
目の前の少女が語った言葉は、
あまりにも重かった。
ソフィアは静かにリアネへ視線を向ける。
優しく微笑みながら、
穏やかな口調で尋ねた。
「……リアネさん」
「差し支えなければ、お聞きしてもよろしいでしょうか」
リアネの肩がびくりと震える。
「は、はい……」
「そのお話は……」
「どちらでお知りになったのですか?」




