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友達を作っていただけなのに、三千年後には初代大聖女と呼ばれていました!?  作者: Atelier Lotus


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第33話 竜の時代

 白竜皇国使節団との打ち合わせを終えた二人は、


 王都の大通りを並んで歩いていた。


 祭りを楽しみに集まった人々で、


 街は朝から活気に満ちている。


 ソフィアは先ほどの白竜族とのやり取りを思い返し、


 穏やかに微笑んだ。


「白竜族の皆様は、本当に穏やかで優しい方ばかりですね」


「さすが、世界の守護者――竜王の中でも最も尊いと言われる白竜皇オルド様の臣下だと思います」


 リアネも嬉しそうに頷く。


「そうだね」


「昔はね」


「竜族って、人喰い竜なんて怖がられてたのに」


 ソフィアは少し驚いたように目を瞬かせた。


「そうだったのですか?」


 リアネは懐かしそうに笑う。


「うん」


「私も最初はそう聞いてたから」


「文字通り、大きな竜の姿で、人を襲う凶暴な種族なんだろうなって思ってたんだよね」


「震えながら会いに行ったら――」


 リアネの言葉が止まる。


「あ。」


(しまった)


(また前世目線で喋っちゃった!)


 頭の中で警鐘が鳴り響く。


(危ない危ない!)


 リアネは慌てて笑顔を作る。


「あ、いや!」


「本に書いてあったんですよ!」


「昔の本に!」


「そもそも竜族って滅多にお会いできないじゃないですか!」


「だから私も、ずっと『人喰い竜』みたいな怖いイメージを持ってたんです」


「でも実際にエリアネ大祭で本物の竜族の皆さんとお会いして、お話しして」


「『全然違うんだ!』って実感したんですよね!」


 ソフィアは納得したように微笑む。


「そういうことでしたか」


「確かに、竜族の皆様と直接お会いする機会は滅多にありませんものね」


 リアネは笑顔で頷く。


「はい!」


「だから最初は、すごく緊張してたんですよ!」


 そう言いながら、


 心の中では冷や汗が止まらない。


(危なかったぁ……)


(また自爆するとこだったぁ……)


(最近、本当に口が滑りすぎだよ……)


 一方。


 ソフィアは歩きながら、


 ふとリアネの横顔を見つめる。


(今のお話も……)


(まるで、ご自身で竜族へお会いになったことがあるような口ぶりでした)


 現代において、


 竜族は世界の守護者。


 白竜皇をはじめとする五大竜王は、


 世界中から尊敬を集める存在である。


 だからこそ。


(人喰い竜……)


(そのような価値観は、一体いつの時代のお話なのでしょう)


 リアネは、


 まるでその時代を知っているかのように語っていた。


 それでも。


 胸の奥に残る小さな違和感は、


 また一つ、


 静かに積み重なっていくのだった。

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