第32話 エリアネ大祭
懇親会の翌日。
いよいよ、
エリアネ大祭当日を迎えた。
王都リリアは朝早くから活気に満ち溢れている。
世界各地から訪れた巡礼者。
祭りを楽しみに集まった観光客。
露店の準備を進める商人たち。
街中には、人々の笑顔が溢れていた。
リアネとソフィアも朝から忙しく動いている。
祭典開始を前に、
各国使節団への挨拶回りである。
「皆様、おはようございます」
「今年も良い祭りにしましょう」
リアネが笑顔で挨拶すると、
各国の代表者たちも笑顔で応じる。
「ええ」
「今年もよろしくお願いいたします」
人族。
エルフ族。
ドワーフ族。
そして今年、
竜族代表を務める白竜皇国アルカ=ヴェル使節団のもとを訪れる。
代表の白竜族は二人へ向き直り、
礼儀正しく一礼した。
「大聖女ソフィア様」
「ベル商会のリアネ様」
「本年も、どうぞよろしくお願いいたします」
ソフィアも穏やかに微笑み返す。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
その後、
祭典の進行や各行事の確認が手際よく行われた。
大きな問題もなく、
打ち合わせは滞りなく終了する。
白竜族の代表は再び一礼した。
「今年も、素晴らしい祭典となることを願っております」
「ありがとうございます」
「皆様のお力添えがあってこそのエリアネ大祭です」
ソフィアがそう答えると、
代表は静かに微笑み、その場を後にした。
二人も次の打ち合わせへ向かって歩き始める。
その時だった。
リアネがぽつりと呟いた。
「白竜族も変わったよねぇ……」
その一言が、
次なる話題の始まりだった。




