第24話 大聖女の謝罪
騒然とする会場。
怒号とざわめきが入り混じる中、
一人の女性が静かに席を立った。
現代大聖女。
ソフィア・アルテミス。
その姿を見て、
会場は少しずつ静まり返っていく。
ソフィアは壇上へ進み、
参列者全員を見渡した。
そして、
深く頭を下げる。
「皆様」
「この度は、教会の確認不足により、ご不快な思いをさせてしまいました」
「教会を代表し、心よりお詫び申し上げます」
深々と頭を下げたまま、
ソフィアは顔を上げなかった。
会場は静まり返る。
しかし、その静寂は長く続かなかった。
「……今さら謝られてもな」
一人が呟く。
その声をきっかけに、
再び会場がざわつき始めた。
「歴代最年少の大聖女と聞いていたが……」
「管理体制はどうなっているのだ」
「教会の責任者として、あまりにも杜撰ではないか」
「一体どのような管理をしているのやら」
厳しい言葉が次々と飛び交う。
もちろん、
この件はソフィア一人の責任ではない。
発注。
納品。
確認。
いくつもの工程を経て起きた事故だった。
それでも、
教会を代表する者として、
すべての責任を背負う覚悟で頭を下げている。
ソフィアは何一つ言い訳をしなかった。
ただ静かに、
非難の言葉を受け止め続ける。
その姿を、
リアネはじっと見つめていた。
(ソフィアさんは悪くない)
誰よりも真面目で。
誰よりも責任感が強くて。
だからこそ、
自分に責任がなくても、
教会の代表として頭を下げている。
(全部背負うつもりなんだ)
リアネの胸が締め付けられる。
(……そんなの駄目だ)
友達が、
一人ですべてを背負い込もうとしている。
そんな姿を、
見ているだけなんてできない。
リアネは静かに息を吸う。
そして、
ゆっくりと席を立った。




