表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友達を作っていただけなのに、三千年後には初代大聖女と呼ばれていました!?  作者: Atelier Lotus


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/82

第19話 孤児院

 次に二人が訪れたのは、


 王都リリアにある孤児院だった。


 ベル商会の荷馬車には、


 食料。


 日用品。


 衣類。


 祭典用のお菓子が積み込まれている。


 毎年この時期になると、


 ベル商会は孤児院へ寄付を行っていた。


 門をくぐった瞬間だった。


「あっ!」


「リアネお姉ちゃんだ!」


「ほんとだ!」


「来るの遅いよー!」


「寂しかったー!」


 子どもたちが一斉に駆け寄ってくる。


 リアネは苦笑しながら一人ひとりの頭を優しく撫でた。


「ごめんね」


「祭典の準備で色々忙しかったの」


 すると、


 子どもたちはすぐに笑顔になる。


「そんなことより!」


「遊んで!」


「遊んで!」


「今日は何して遊ぶ?」


 リアネは笑いながら尋ねた。


「何して遊びたい?」


「鬼ごっこ!」


「かくれんぼ!」


「縄跳びがいい!」


「私はお絵描き!」


 次々と飛んでくる声。


「分かった分かった!」


「順番に遊ぼうね!」


「やったー!」


 子どもたちは歓声を上げる。


 リアネは子どもたち一人ひとりの名前を呼びながら、


「ルーク、転んじゃ駄目だよ!」


「ミーナ、お靴脱げてるよ!」


「ココ、そんなに走ったら疲れちゃうよ!」


 自然に声を掛けていく。


 その様子を見たソフィアは少し驚いた。


「リアネさん」


「子どもたち全員のお名前を覚えていらっしゃるのですか?」


「はい!」


「覚えてますよ?」


「大事なお友達ですから!」


 あまりにも自然な返事だった。


 ソフィアは目を丸くする。


 しばらくすると、


 ソフィアも子どもたちへ声を掛けられた。


「お姉ちゃんも一緒に遊ぼ!」


「えっ?」


「わ、私もですか?」


「うん!」


「一緒に鬼ごっこ!」


 ソフィアは少し戸惑いながらも微笑んだ。


「ふふっ」


「では、ご一緒します」


 鬼ごっこ。


 かくれんぼ。


 縄跳び。


 気が付けば、


 ソフィアも子どもたちと一緒になって笑っていた。


 夕方。


 帰り道。


 夕焼けに染まる街を歩きながら、


 ソフィアが静かに口を開く。


「リアネさん」


「はい?」


「本当に優しい方ですね」


 リアネはきょとんと首を傾げた。


「そうですか?」


「はい」


「子どもたちのお名前を全員覚えていて」


「忙しい中でも必ず会いに来る」


「そして、一緒になって遊んで差し上げる」


「なかなかできることではありません」


 リアネは照れくさそうに笑う。


「そんな大したことじゃないですよ」


「普通です」


「友達なんですから」


 その一言に、


 ソフィアは思わず足を止めた。


「友達……ですか」


「はい!」


「年齢なんて関係ありません」


「友達は友達です!」


 そう言って笑うリアネは、


 あまりにも自然だった。


 ソフィアは胸の奥が温かくなるのを感じる。


(この方にとっては)


(本当に”普通”なのですね)


 誰にでも手を差し伸べ。


 誰とでも笑い合い。


 身分も年齢も関係なく、


 自然と友達になってしまう。


 ソフィアは優しく微笑んだ。


(だから皆さんに慕われるのですね)


 リアネはそんなことなど気付かず、


「今日は楽しかったですね!」


と、いつものように笑うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ