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転生したおじさん、いきなり放り込まれた戦場で生き延びたい  作者: なごやかたろう
狂い始めた世界線と、顔を奪う者たち

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第2話 仮面の集団との遭遇・レオン一行との出会い

剣戟の音が近づくにつれ、森の空気がざわつき始めた。

金属がぶつかり合う鋭い音。

短い叫び声。

木々を揺らす魔力の気配。


「……やっぱり戦ってるな」


ラースは木の枝を握りしめ、音のする方向へ駆けた。



視界が開けた瞬間、ラースは息を呑んだ。

黒装束に白い仮面の集団。

その異様な姿は、前ループで見たものと同じ。

そして、彼らに囲まれた五人の冒険者。


「……また仮面か!」


ラースは迷わず飛び込んだ。


「助太刀する!!」


叫ぶと同時に、小さめのアイスランスを放つ。

氷の槍が仮面の兵の足元に突き刺さり、動きを止める。


「今だ!」


ラースは距離を詰め、一人を肩越しに投げ飛ばした。

仮面の兵は無言のまま地面に叩きつけられる。

その瞬間、仮面の集団は一斉に後退を始めた。


「……引いていくだと?」


ラースは周囲を警戒し続けた。

だが、気配はすっと消えていく。

まるで最初から“目的が違った”かのように。



「助かった。ありがとう」

一行のリーダーらしき男が、息を整えながら礼を述べた。

長剣と盾を持つ、鍛えられた戦士の体つき。


「いえ、無事なら何よりです」


ラースが答えると、男はラースの服を見て眉をひそめた。


「それにしても……お前さん、そんなボロい格好で何があった?」


ラースは苦笑した。


「気が付いたら森にいて、道に迷ってまして。

 近くの集落まで一緒に行かせてもらえると助かります。

 あと……何か食べ物をいただけませんか?」


その瞬間、ラースの腹が鳴った。

少し恥ずかしい。

男は笑い、パンと干し肉、水を渡してくれた。


「俺はレオン・ヴァルツァー。戦士だ」

「ガルド・ハーケンだ。両手剣使いだ」

「ミリアよ。軽戦士」

「エリス。短双剣」


最後に、ローブの少女が名乗った。


「シャーリー……です」



ラースとシャーリーの目が合った瞬間、胸の奥がざわついた。


――カイン?

なぜか、カインの姿が脳裏をよぎった。

シャーリーも、ラースから目を離せない様子だった。


「……?」


互いに理由は分からない。だが、確かに何かが“引き寄せられている”。

その時、ラースの腹がまた鳴った。


「……っ」


シャーリーが小さく笑った。

その笑顔は、どこか懐かしいような、胸を締め付けるような感覚を呼び起こした。



レオンたちは水分補給を済ませ、ラースを連れて森を抜けた。

しばらく歩くと、小さな集落が見えてきた。


「ラース、これからどうするつもりだ?」


レオンが尋ねる。


「路銀を稼がないといけないので……

 冒険者ギルドがあれば、しばらく依頼を受けます」


レオンは頷いた。


「だったら、俺たちと一緒に皇都に来ないか?

 礼として、服や靴、装備、食料はここで揃えてやる」


ラースは迷わず答えた。


「……分かった。よろしく頼む」


こうして――ラースの新しいループは、静かに動き出した。

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