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第47話 お昼の情報番組3

お昼の情報番組、予想通り昨日の「B級アンヴァーとノーマッドの襲撃事件」の話題で持ちきりだった。


「今回も大活躍でしたね! 流石、私のサイカちゃんです! 本当に尊すぎます!」


清楚系キャスターは相も変わらず、公共の電波を私物化して熱弁を振るっていた。


「……君のじゃないでしょ。公私混同はやめなさい。しかし、問題はそこではありません。今回は社会問題にもなっている『ノーマッド(違法魔法少女)』の狡猾さと危険性が浮き彫りになりましたね」


眉間にシワを寄せた眼鏡の男性コメンテーターが、冷や水を浴びせるように口を開いた


「公式発表によれば、今回の首謀者の一人である『キリカ』と名乗る魔法少女を、現場で取り逃がしたとのこと。これは魔法科の明らかな失態と言わざるを得ません。管理体制に疑問が残りますね」


実際は「確保した後に、転移魔法で強奪された」のが真実だ。だが、魔法科としては「転移魔法の実在」しかも「ノーマッドが所持している」なんて、パニックになりかねない情報の公開を避け、「失態により取り逃がした」という汚名を被ってでも、情報の隠蔽を選んだ。


「でも、でも、死傷者は一人も出ませんでしたし! さいかちゃんが守ってくれたんですよ!」

「それは結果論に過ぎません。民間人の負傷者は数十人に及んだとか。大問題ですよ。魔法科はノーマッドに対してもっと真摯に……いや、断固たる処置を取るべきですね」


男性コメンテーターは眼鏡を押し上げ、さらに矛先を「妖精」へと変える。


「まあ、もっとも、適性さえあれば誰彼構わず魔法少女を作りまくる「妖精側」に一番の問題があるわけですが。彼らの倫理観はどうなっているんですかねえ」


すると、星型の被り物をした(というか顔面そのものが星の形をした)妖精が、必死の形相で手足をバタつかせ、待ってましたとばかりにカメラの中央へ割り込んできた。


「俺も契約したいぜー⭐️ 誰か、誰か俺と契約してくれー!!⭐️『星の妖精ホッシミー』を何卒よろしくだぜぇ!⭐️」

「こ、この妖精……人の話全く聞いてませんね。……え? ちょっと待ってください……君、契約してないの? コメンテーターとして居る妖精なのに? なのに、なんで今ここに堂々と居るの??」

「あはははは」


キャスターが乾いた笑いをしている中で、ホッシミーとやらはカメラを独占し続けている。


その時、ひな壇の端に座っていた、派手なメイクの「おバカ枠」の女性タレントが、適当な感じで口を開いた。


「えー、でもぉー。もしかしたら、どっかの国の陰謀だったりしてー! サイカちゃんが欲しくて、国同士で奪い合いしてるとか!?」

「サイカちゃんは、あげません! 」


キャスターが即座に噛みつく中、男性コメンテーターは呆れ顔で否定した。


「はー……これだから無知は困る。魔法科は『世界機構』ですよ? 国境を超えた正義の組織です。ただでさえ人手不足なのに、人間同士で魔法少女を争わす様な事する訳ないでしょう」

「えー、そっかー」


スタジオは「また彼女がバカなこと言ってるよ」という、いつもの平和な空気で笑いに包まれた。

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