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19-30.破滅魔女

転生したら転生してないの俺だけだった

~レムリア大陸放浪記~


19-30.破滅の魔女


見た事もない眩い光だった。よく宇宙SF物に出てくるレーザービームは、横から見て筋を引く事はない。

だがこの光ははっきりとした軌跡を描き、高密度のエネルギーが放射された事を示している。

「光の…ぼう」

ステルが呟く。確かにガラスの棒を思い切り突き出した様に見える。光線の密度ではない。


「うぎゃあっ!」

魔女はオコαを離し、きりもみしながら自らも落下して行った。

ステルが飛び出して行ったが、斉天大聖の方が早かった。

「娘御は私が…ん?犬人か?」

まずいなあ。だが今はそれどころではない。

魔女は奈落の大穴のすぐ上でかろうじて静止する。


「驚いたぞ。この様な虚無の女神様の三つ星食材が居ろうとはな。すぐ捕まえて女神様のディナーに。いやその前にその脅威の力をワシが解明してやる。切り刻んでな。女神はステーキもハンバーグもお好きじゃ」

物騒な事を言って魔女は光の発射元、つまりセイコαに殺到する。

ここでパピーズの秘密を知られるのはまずい。

それは斉天大聖(上警)に対してもだ。


上警は各神界から捜査員(エージェント)を出し合って出来ているが、その上席であるオプリトゥスと言われる名のない神々の正体は不明である。おそらくその上には何も語らない

「レムリア神」

がいるのだろう。

そしてアドミンはレムリア神と対立する宇宙生命体で、俺はそのエージェントであるスミティを宿してしまっている。


異世界ゴンドワナとの間を往来できるパピーズを保護している我々は、レムリア神に対してアドバンスを持っているので、知られる訳には行かない。

ましてや虚無の女神や異質な宇宙生命体と思われる"カペラ"に知られて、ゴンドワナが侵略を受けることなど、絶対にあってはならない。

結果的に俺はチートを使う決断をした。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


【やり直し】


「お姉ちゃんを返せ〜っ、」

一条の眩い光が走った。

「ステル、オコαを取り返せ!」

「アイアイサー!」

ステルが最高速度で飛び出して行く。

斉天大聖が急速に近づくが、ステルが先にオコαを掴んだ。

「痛い!ステル姉ちゃん痛い!」

「ごめんねオコアちゃん。今は力のせいぎょができないの、あとでオコ母さんにちゆまほうかけてもらって」

オコαをオコアとつづめて言うのはステルだけだ。


魔女は奈落の大穴のすぐ上で、かろうじて静止する。

「驚いたぞ。この様な虚無の女神様の三つ星食材が居ろうとはな。すぐ捕まえて女神様のディナーに。いやその前にその脅威の力をワシが解明してやる。切り刻んでな。女神はステーキもハンバーグもお好きじゃ」

物騒な事を言って魔女は光の発射元、つまりセイコαに殺到する。


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


「させん!」

マーリンが見た事もない様な鬼の形相で、魔女の進路を阻む。

再び火花を散らす一騎打ち!

かと思いきや、マーリンは魔女の体を優しくハグしていた。


「な、何をするっ!」

「いいではないかいいではないか」

くるくる解く帯こそないが、結構セクハラな展開だ。

しかし抱き合ってるのは老人達。

「ワシは10万年前の若く美しいお前を覚えておるぞ。リリスよ」

リリスだって?


エデンの園で、アダムの最初の妻だった。と伝えられるリリス。

アダムと結婚したが魑魅魍魎を生み出したので、神は新たにアダムの肋骨からイヴを作り出して妻とした。

と伝えられる。

イヴを誘惑して知恵の木の実を食べさせ、アダムとイブがエデンの園から追放され、一生苦労して寿命を終わる原因を作った蛇は、リリスの化身だったと言われる。


ちなみに知恵の木の実は絵画作品ではリンゴとして表される事が多いが、地域によってはバナナだったりするらしい。要するに一番美味しい果物。

前世の日本なら、シャインマスカットとかかな?

遂に生涯たべれなかったが…。

しかしリリス、ちょっと気の毒な女性だ。神もあんまりじゃないか?(聖書にはリリスの名はないが)前世の日本だとイザナギ・イザナミの蛭子伝説みたいだな。今なら人権弁護士が黙ってないだろう。


「まさかレムリアの太古の女神メハシェファがリリスだったとは?」

「リリス?誰?新しいメグルのお友達?」

信用ねえなあ。世界最古の悪神だぜ。

流石に俺の守備範囲外だ。


「ふん今更、お互い皺くちゃのジジババになっちゃ、関係ないのう、アダムよ」

やっぱりマーリンがアダムか。

じゃあイヴは誰なんだ?

「なあリリスよ、この辺で終わりにせんか?そろそろ長い人生終わりにして、共に奈落に沈もうぞ」

「嫌じゃワシはまだまだ生きて人類を呪い続けようぞ。お主も人類の代表とやらがあろうが?」

「あれはあそこにいる小僧に譲ったわい。さあリリス、行こうぞ破滅の道行きを」

「信じていいのか?」

「おうとも」

二人は奈落の底に落ちていく。


「なんちゃって。馬鹿め、虚無の女神の分身たるこのワシが、奈落に落ちて不具合な事など何もないわ。自宅に帰ってくつろぐ様なモノじゃ。遂にマーリンのジジイを虚無の奈落に沈めてやったぞ。あとは残りの奴らを屠ってやるだけじゃ。ビッグセブンに上警か。さっきのおかしげな光を放った奴以外にも美味そうな奴がおりそうじゃな。丁寧に毒気を抜けば、女神様への良い土産となる」


マーリンの姿は暗闇に消えかかっている。

「マーリン…因業爺だったが、案外いい奴だったな」

「先生!ありがとうございました。先生のご恩は忘れません。因業爺だったけど」

「因業爺マーリン、月命日には、あんたが好きだったぼた餅をお供えするわね」

こうして稀代の大魔法使い、マーリンは奈落の底に散った。

霊体なので、虚無の女神に取っては綿菓子みたいに食べ応えは無かっただろうが、因業爺だけに美味だったんじゃないか?


「ふふふふふ。さて、誰から血祭りにあげてやろうかのう。あ!」

ふいに魔女が可愛い声を上げる。全然萌えん。

※第19部の主な登場人物

◯旅の仲間(ビッグセブン+α)

メグル(ウラナ)…主人公。元ボン76世(未)。旅行家志望。生真面目なまもなく18歳(僕)と結構浮気症な66歳(俺)が同居している。"国民的英雄"に加え、"改革者(イノベーター)"の称号を獲得。更にマーリンから"人類の代表(略して人代)"を押し付けられる。

聖狐天の父となる。朱雀国ガルーダ元帥となる。

オコ…メグルの妻の元妖狐。メグルとの子作りを夢見ている。弓の達人。弱者の味方で直情的。聖狐天の母となる。

コンコン…先先代妖狐。子狐と伎芸天女の童女に憑依できる。

ステル(ラン子)…鳥ジャガー神。ラン(獅子)とヘレン(白虎)の娘。メグルをあるじと慕う優しい少女。第6章で進化を遂げ成体、幼体(子猫)以外に猫耳娘の形態をとる。

パーサ…元八娘2号。シバヤンから譲渡され、メグルの侍女となった名古屋弁美少女。諜報活動に大活躍。自称第二夫人。大型肉食獣アヌビスと美しい牝馬に変身出来る。

今後は小説家になるらしい。

ノヅリ…バクロン第3王子。魔法省長官を辞し魔法修行の旅に出る。メグルの師匠。コリナンクリンの夫。

コリナンクリン…ワタリガラスの鳥神。運送業ワタリガラス商会の女社長。ノヅリの妻。

八咫…師匠と社長の息子。瑞西学院在学中。

"僕"…"俺"の中に共存する肉体の本来の持ち主。スミティと共にウラナに様々な助言をする。

○聖狐天神界

聖狐天…オコを崇める人々の信仰が造り出した神をオコの分魂とメグルの造った依代(フィギュア)で具現化した新しい神。ウラナ夫妻の娘。

シャミラム…聖狐天四天王の一人。元北風の巫女。

サンコン…聖狐天四天王の一人。オコの先々先代の鼎尾妖狐。

二娘…聖狐天四天王の一人。ナンバーズ一の武人。

メルファ…聖狐天四天王の一人。元暴風の魔女メル=ハバ。

○ナンバーズ(参考資料)

一娘…ナンバーズの統括。シバヤンの宮宰。

五〜七娘の母。

二娘…武人。聖狐天に仕える。八娘の母。

三娘…シバヤン宮廷の家事一般を取り仕切る。完全なお掃除をする侍女人形。

四娘…隠密活動に特化。上警で働く侍女人形。

五娘…キャーリーの親友。足が速い。

六娘…唯一人間と同じ消化器官を持つ。記録の神殿で修行中。

七娘…背が高い。宇宙での活動に特化。

八娘…パーサ。クローン分裂したもう一人の八娘のパー子は、人間のパナとなりバクロン元第5王子にして元国王アルディンの妻。

○その他の神・人

アドミン…管理者。スミティを派遣する。

スミティ…アドミンに派遣されたエージェント。メグルの脳内で、メグルの宿主意識の少年と暮らし、メグルに助言する。

マーリン…古代の魔術師。元人類の代表。因業爺。超古代の英雄神イーオンの転生。

ゴンドワナでは白いフクロウを依代とする。

レナルド・ダンチビ…妖狐の里の天才工房長。

アルディン…元バクロンの第5王子で国王。パナの夫。今は種屋の修行中。

ジャルディンII世…旧名サート。ペンジク王。

シュニア…サートの妻。ペンジク王妃にして宰相。元ウル・オートマタ。

初代妖狐…九尾妖狐。初代ボンに仕える。

戦狐…妖狐の一人。ジョウザを守った英雄。

羽鳥才蔵…異賀忍者。現在は上警勤務。

蠟堂…筋肉兵にされていた蓬莱の忍者。

オルフェ…コリナンクリン社長の部下で実質副社長。元ヤクスチラン王子。

○コンサートツアー関係者

伎芸天…伎芸天事務所代表。今回のコンサートツアーを仕切る。

チャガムIV世…チャガマン国太守。聖狐天教徒。

ボーノ…チャガムIV世の長男。音楽家。

フォカッチャ…チャガムIV世の次男。後に冒険家。

シオ・ラメン…ナイラスの財務大臣。旧名シオ・タンメーン。

アポル…バクロンの元第二王子。バクロンでのコンサートツアー責任者。

ジェライス…アポルの妻。アポルを覚醒させる凄い女性。スメル人の末裔。本名はランジェラ・(タマ)

団長(オーショー)…ギョウザ歌劇団主宰。

ベンガニー…元ジョウザの侍女。大ベストセラー作家。今回はコンサートツアーギョウザ公演のプロデュースと新しい"3メタル物語"の脚本を担当。

アンジェロ・三毛…ギョウザ歌劇団お抱え絵師。ジェライスの父。

猪悟能…西遊記の猪八戒。現在は伎芸天事務所に就職し、舞台監督として活躍している。

沙悟浄…天竺から戻った後精神を病み、引きこもっていたが、現在は伎芸天事務所で警備主任。

○神々

ダガムリアル…古代神の一人。滅亡したドワーフの祖先神で工芸の神。キャーリーと結婚。

シバヤン…ペンジクの有力神。破壊と創生神。

パトゥニー…シバヤンの妻。慈母の女神。

キャーリー…シバヤンとパトゥニーの娘。ダガムリアルの妻。漆黒の女神。

アヌビス…ナイラスのミイラ作りの神。パーサの義兄。馬鹿助。

マァト…ナイラス冥界の正義の神。強い浄化能力を持つ。

韋駄天…S・神田、ヘルメス、マーキュリーと習合した醍醐教の神。韋駄天サービスを経営。

○敵

大御所…蓬莱を脱出した元東国国司。

合理キー(仮)…パーサの首を捻じ切った謎の怪力マン。

カペラ…アドミンと同等の宇宙生命体。

メハシェファ…滅びの魔女。

虚無の女神…メハシェファが仕える絶対的な

虚無。

◯大氷原

イグルー…村長の娘。

パピーズ…レムリアとゴンドワナを行き来出来る4人の犬人の子(ウラナ、オコ、ノヅリ、セイコのαと4匹の橇犬の仔犬(同β)。

3メタル…初代妖狐の娘白銀丸、初代妖狐の義妹の黄金丸、赤銅丸。

○妖狐の里

リュナ…オコの上の妹。商才に長ける。

(マナ)…オコの末妹。美少女でアイドルマナマナとして活動中。

御供…オコの弟。二娘とメルファに師事し修行中。

ヒデノリ…マナマナ親衛隊長のオタク。リュナを補佐してコンサートツアー責任者になる。

○ルディン村

レイラ…救出された山賊の村の娘。四娘を視認出来る。見鬼。

エール…レイラの姉。凄腕の結界師。

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