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18-27.ネタばらし

転生したら転生してないの俺だけだった

~レムリア大陸放浪記~


18-27.ネタばらし


「レイラ達の村人は居なかった様だな」

100人(マーリン除く)の素性を改めると、やはり多くの村から集められており、お互いに知り合いは居なかった。

「最悪洗脳が解けた時のために用心してるのかな?」

ノヅリαが首をひねる。

「とりあえず、会場に戻ろう。前夜祭はまだ終わっていないぞ」


会場はコンコンが上手く取りなしてくれ、特に混乱は無かったが、やはり皆緊張していた。

「お騒がせ致しました。我々の敵対勢力がちょっとイザコザを起こしましたが、特に問題なく収拾しました」

俺は本当の事を述べた。

コンサートの客とか聖狐天巡礼が騒いだ事にしてしまおうかとも思ったが、それなら例えばパーサひとりで収拾に事が足りる。

敵は反聖狐天勢力?と思われるのも困るので、この俺、人類の代表に対する敵対者。と言う事にした方がいい。


「例のオーゴショとか言う悪人の一派ですね?」

ちょっとフライング気味だが、ベンガニーのフォローはありがたかった。新シリーズの

「忍者カマイタチシリーズ」

の第1巻が刊行されたばかりなので、その名はある程度周知されていたからである。

「オーゴショ…実在したのか?」

「忍者の故郷、蓬莱の極悪人だよな」

既に愛読者もおり、大御所にはモデルがいた事に、皆少なからず驚いていた。


「人代殿の事だから心配はしていないが」

チャガム太守が皆が思っていた事を口にする。

「お騒がせしました。今から話す事は、くれぐれも内密に願います」

俺は、

蓬莱を支配して、そこを足がかりに全レムリアを手中に収めようとしていた(ちょと誇張あり)大御所の野望をビッグセブンが上警と共に打ち砕き、大御所が逃亡した事。

最初大御所は人代がマーリンと思い込み、マーリンの別荘を報復の為に焼いたので、稀代の大魔法使いマーリンも我々の陣営に加わった事。

大御所は古代の空間魔法を持っており、神出鬼没に現れる事。

を説明した。


「おお!我らが父王やアルディン先王を襲った輩と同種の魔法ですな?大東魔法ですか?」

自身が父王暗殺の黒幕に祭り上げられそうになったアポルが唸る様に言った。軽率な行動により国を危うくした事をアポルは今も悔いているのだ。

「いや、大東の科学者は上警が壊滅させましたよね?」

これも他ならぬ被害者で、拉致されていたベンガニーが告げる。

「そうです。今度のはアトランティスの魔法です」

おお〜と声が上がる。


「今夜いみじくも体験して頂いた様に、我々は決してテロには屈しませんし、対策も充分です。絶対にコンサートツアーの邪魔はさせません」

「なるほど、力の劣るオーゴショ勢はコンサートに嫌がらせをして、コンサートを一つでも潰そうとしているのですな。姑息な奴らだ」

いや大御所はともかく、その背後(バック)にはパーサを一撃で倒す怪物とか、正体不明の宇宙生命体とかがいるのだが、ここでは当然秘密である。

「しかし、オーゴショは蓬莱を去る時、部下でさえ置き去りにして逃亡した。と聞いています。今日はどう言う軍勢が来たのですか?レムリアのどこかの国と同盟したとか?」

ベンガニーはさっきから熱心にメモを取っていたが、不明点をついてきた。いい質問だ、ベンガニー君。


「実は大御所に人間の部下はおりません。彼は強力な思考操作魔法を持ち、蓬莱の武士たちを手下にしていましたが、それらを置いて逃亡しました。しかし今も洗脳によっていくらでも兵隊を増やす事が出来ます」

「なるほど、それはおとぎ話の"幽霊兵団"の様なものですね?」

チャガム大公の次男フォカッチャが声を上げる。

この子はそう言う空想的な事が大好きで、数年後義兄であるエルフ公ウメダを探しに冒険の旅に出てしまう(※当時"エルフの隠れ里"と言う観光地の事は知られていたが、まさかウメダとアマランタイン女王がそこの多重世界に住んでいるとは誰も思わなかったので、別の隠れ里がある。と思われていた)。


「そうだよ。俺たちは『筋肉兵(マッスルアーミー)』と呼んでいる。彼らには意志がなく、全く死を恐れず突進してくる」

激戦の勇士であるチャガム大公は身震いする。

「チャガマンが圧倒的な数のクルタン軍をかろうじて押し戻せたのは、クルタン人が貪欲王タンランを憎み、本当は戦いたく無かったからだ。洗脳されてオーゴショの命令通り動く兵とは…。人代殿、現在敵勢力はどの程度いるのですか?」

義子ウメダと共に最愛の妻ハナテン奪還の為、命懸けで戦った老戦士の目は燃えていた。


「一万、いや今夜100人程捕えましたので9千900人ですね」

「きゅ9千9百!勝ち目はあるのですか?」

オーショー団長が聞く。

普段は英雄が何千何万の敵をバッタバッタと倒すお芝居をやっているのに、現実は勝手が違うらしい。

「団長!誰に向かって話しているのです?ビッグセブンですよ!」

ベンガニーの方が場数を踏んでいるだけに肝が座っている。

「流石の俺たちでも、一万相手では苦戦するでしょう。そう、まる1日はかかるでしょうね。だが筋肉兵は洗脳が解けさえすれば、戦意を喪失します。戦う意義がなくなるのですから」


「洗脳は解く事が出来るのですか?」

アポルが聞いた。

「俺たちには、精神操作魔術の大家である大魔法使いマーリンと、精神操作魔術師を多数処刑した元バクロン魔法省長官のノヅリ師がいるのですよ」

これは嘘である。洗脳はかけた術師にしか解けない。慈班宮でも、大御所の腹心と言われた数名の部下は大御所の命令を守って置き去りにされ、あえなく三娘にお掃除されてしまった。

だがナノ姫の事はトップシークレットなのだ。


「しかしその一万の兵をどうやってレムリアで調達したのです?どこの国でも、一万の師団が突如消滅したら話題になりませんか?」

ベンガニーがメモから顔を上げ、不思議そうに聞いた。

本当今夜はいい仕事(ツッコミ)してくれるなあ。

「あちこちからかき集めたんだよ。筋肉兵は統率なんか関係ないからね。皆さんの国で、急に治安が良くなったりしてませんか?」

おおっと手を打つ者が多かった。

「確かにここへ向かう馬車の旅で、盗賊などに一度も会いませんでした」

チャガム大公の長男、心優しい音楽家のボーノが言った。彼は盗賊に襲われる事より、いつも柔和に笑っている父が盗賊を皆殺しにするのを恐れていたのだ。


「大御所は空間魔術を使い、各地の悪党を根こそぎ拉致(スカウト)して筋肉兵としているのです」

「では洗脳が解ければ、また犯罪率が上がると?」

ボーノが尋ねる。

「いや洗脳を解くとき彼らには善人になるよう、再洗脳します」


パチパチと拍手の音がし、満面の笑みでナイラス宰相シオ・ラメンが言った。

「いやはや何から何までお見事としか言いようのない、人代様の深謀遠慮ですな。わざと敵に悪党どもを集めさせ、一網打尽に善人化してしまう。本来人間が私利私欲で精神操作魔術を使うのは大罪で、ノヅリ元長官様もそれを取り締まられたのですから、如何に治安浄化のためとはいえ、人間がやってはいけない事だ。しかし敵が筋肉兵を送り込んできて、洗脳を解けば無秩序な悪党どもが一斉に目覚めるのであれば、これはやむをえない。しかも周到に人ならぬ身のマーリン師を仲間に引き込んでいる。本当に素晴らしい一石三鳥の策略ですな」


いや策士らしい分析だが、全ては成り行きだ。

シオ・ラメンは買いかぶりすぎ。

これは、ほとんどマクドやサイゼで生まれた筋書きなのだから(メタ表現)。

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