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18-26.初めてのコンタクト

転生したら転生してないの俺だけだった

~レムリア大陸放浪記~


18-26.初めてのコンタクト


『来たよ』

『早かったな』

前夜祭が終わりに近づき、それぞれ漫然と歓談をしている時だった。

セイコαからの念話通信は、ビッグセブンとパピーズ全員に繋がっていた。

俺たちの仲間以外を、とりあえずコンコンとエールが結界に隔離する。


『いまどこにいる?』

『教会の入り口』

大司教始め教会のメンバーは前夜祭にほぼ全員来ている。

なぜ教会を狙う?

『嫌がらせかなあ…』

師匠が曖昧に言う。

『今ウラナαβとノヅリαβが向かってます』

『ダメだ、お前たちだけで行動するな!今俺たちが行く』


『大体の人数が判ったよ』

『ああオコαか』

『100人くらい。矢を打ち込むとこ』

『気をつけろよ。最強の先遣部隊かもしれん』

『ウラナ神様、あいつら教会に火を付けようとしてる。けど凄い雨降ってきた』

『ウラナαか。今行く』

俺はオコを連れて教会に急いだ。

屋根の上に真っ黒な雲が湧き、もの凄い土砂降りが降り注いでいた。

火の消えた松明を持って、男達が右往左往している。


『あんまり精鋭って感じじゃないな』

結構老人ばかりだなぁ。

『捨て駒って奴か。各地で集めた男のうち、年寄りばかり集めたのかな?』

「やっちゃって、いい?」

ステルが来た。

「殺るのはダメだよ。パーサに任せな」

「あのビリビリするやつか」

「雨でびしょ濡れだから、仲間を感電させないようにね」

「了解だぎゃ!」

ババッと破裂音と白い火花が飛んで、周囲が青白く光る。


「わわっ!何するんじゃ!」

老人が一人飛び出してきた。

なんで筋肉兵に自我が?と思ったらマーリンだった。

「雨はあんたか?」

「おうよ。ここへ来て教会炎上でコンサート中止とかは困るでの」

今回に関して、マーリンはパピーズの保護者として協力する立場なのだが、当のマーリンにとってそんな事よりコンサートが中止に追い込まれる事が絶対に許せない事だったのだ。ファンとしては当然だろう。


全員が駆けつけた時には、水たまりに転がる年寄り達が累累と。

「大御所はジジイなのに敬老精神がないわね」

オコが変なツボに入っている。

パーサが素早く兵達の間を走り回る。

「結局何人だったんだ?」

「101人」

「じゃあ2分だな」


「あれ?わしなにしとったんじゃ?」

「孫は孫はどこじゃ」

「俺は大物だぞ、乾いた着物を持ってこい。あれ?なんの大物だっけ?」

なんか年寄りがウロウロしてる図は、地元のお寺の縁日みたいで、凄く親近感がある。

パニックになって大声を出したりする奴もいたが、直ぐに口を押さえて反省してる。

「これが善人化と言うものか…」

俺はナノ姫様達の仕事振りに感心した。


「99匹、回収完了したでよ」

年寄り達は当然ながら、拉致された後のことは覚えていなかった。

それぞれどこの誰か。という事は覚えていたが、故郷へ帰りたい。という者は一人もいない。

「いやあ、地元では悪い事ばかりする鼻摘まみ者じゃったで、今更帰っても石投げられるだけだし」

「わしは家族で山賊しとったが、息子達がまだ捕まっとる」

女達は痛ましい事に、先に瞬殺されたそうだ。

「まあ近隣から攫ってきた女達なんで情もないが」

やっぱり悪いやつらだった。

これは故郷に帰ったら、石投げられるどころじゃないな。


この辺ジジイ共の昔話を聞くと、出るわ出るわ。淡々と話す割に陰惨な内容に、皆ドン引きだった。

「あんた達、殺した人達に申し訳無いと思わないの!」

ついにオコが切れた。

「そうじゃのう。なんであんな酷い事をしとったんじゃろう」

「生きるため。と言うのは簡単じゃが…」

「やり過ぎじゃのう」

老人達はうなだれてしまった。

「やっぱり謝罪の旅に出るかのう」

いや全員指名手配中だろう?


「あんた達、どうせもうすぐ老衰で死ぬんだから、手伝いなさいよ」

オコが相変わらずな口をきく。

「お、おう。そりゃ道理だぜ、姉御」

勢いのいいオコに、完全に飲まれている。

「弓の使える人は?」

全員が手を挙げた。

「人間に会えない時は狩りで生きとったからのう」

彼らの中には、正直剣も体術もかなり使う者もいた。

腐っても山賊や暴力団のボス・幹部(おじき)クラスである。

だが年のせいで、得意技やって貰っても、直ぐに腰を押さえてうずくまる。

結局弓兵になって貰うのが無難だろう。と言う事になった。


「最後に正義側で悪の手先と戦えるとはのう」

「姉御のおかげじゃ。ありがたやありがたや」

なんか拝まれているオコだが

「頭と心臓は狙わない様に」

と厳命する。

既に遠くもかなり見えにくくなっているので、狙うも何も無いのだが、放物線を描いて頭上から一斉攻撃する

雨霰(あめあられ)矢」

であれば、兜や鎧に守られた急所には当たらない可能性が高い。

怪我なら後でヒール出来る。


なにしろ敵の中に息子や孫がいるかもしれないのである。


大御所筋肉兵残存数:9900人(99%)。

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