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18-23.祭りの支度

転生したら転生してないの俺だけだった

~レムリア大陸放浪記~


18-23.祭りの支度


少し話が先に行ってしまったが、ギョウザ歌劇団のペンジク公演が成功した事により、地方でのキャーリー信者の反乱は収まり、ジャルディンII世は再び安定した治世が出来る様になった。


と言う所で、話を3メタルの初演、妖狐の里公演まで戻す事にする。

予測される大御所の襲来に備えて、俺たちは万全の警戒網を敷いた。

事前に何度もシミュレーションし、敵の空間を破った来襲をセイコβが感知してから2秒以内に初動部隊が現場に到着出来る様に、あらゆるケースを想定して訓練した。

(※詳しい作戦の内容は17部の18〜23話辺りを参照されたし)


いよいよ明後日が公演日、と言う所まで来た。

伎芸天によると、3メタルサイドの仕上がりは上々の様だ。

撮影を担当するのは2人のナンバーズ。

三娘はすぐ決まった。

彼女は普段は大人しくシバヤン宮殿のお掃除をしている侍女自動人形(オートマタ)だが、ひとたび真の

「大掃除」

を始めると、誰も止められない。

分子単位で綺麗にしてしまうのだ。

対大御所対策として、いや更に上級の合理キー(仮)や、この星の相手側(アドミンやスミティとは違う宇宙生命体)の責任者ではないかと思われるカペラにも、決して引けを取らない破壊力がある。

しかし今回のコンサート警備や、大御所への罠には明らかにオーバースペックなのだ。

彼女がやると、観客も巻き添えになる。


前話まで語っていたギョウザ歌劇団の

「3メタル物語 序」

では、彼女は高音質大音響再生機

「パラゴン」

のオペレーターとして、録音の実の再生と先輩(ウル・オートマタと八娘パー子の抜け殻)が投影する映像との完全同期を担当する

「ナッツジョッキー」

の役目があるので、ライブ映像の録画もして貰った方が、後で都合がいい。


残りのナンバーズだが、まずパーサは

「ナノ姫様」

を体内に99匹居留させ、大御所が送り込んだ筋肉兵を片っ端から電撃で無力化し、ナノ姫で呪縛を解いて善人化する必要がある。

一娘はシバヤン宮殿の宮宰なので妖狐の里には来れない。

二娘は聖狐天の側近。

四娘は上警の一員として警備。

六娘には妖狐の里での関係者前夜祭のケータリングを引き受けて貰ったが、その後はすぐ記録の神殿でのシェフの仕事。

七娘は宇宙からの監視活動。

と言う事で、主人であるキャーリーの了解を得て、

五娘に協力願った。


映像を立体的に投影する為には、間隔を開けた二機の録画機が必要なのだ。

ナンバーズは録画と同時に録音機能も持っているが、それはあくまでも記録用で高音質ではないので、後々の投影時の同期用に使う(そう言う意味でも三娘が録画班にいるのは意味がある)。

録音の方はフィリッポス・フリューゲルが次々に愛鳥デンスケに高音質録音させ、その場でさっさと録音の実を食べさせる。

鳥の王でもあるステルが、デンスケに付きっ切りで、糞の始末をしていた。


実はギリギリコンサート直前で、新しい妖夢(ヨウム)の到着が間に合った。

「デンプロ」

と言う雌で、デンスケと同じ録音機能を持つ。

これは言わばバックアップで、デンスケの録音が失敗した時(例えば録音中に何か別の音がした時、デンスケはそちらを上書き録音してしまう)にデンプロの録音を使おう。と言う計画だが、結果的に大きな音ならデンプロも同じ様に上書きする為、使いものにならなかった。

まあ同じ曲は五箇所で演奏される訳だし、最悪大氷原で撮り直し収録も出来る訳で。

それよりフィリッポスは、この二羽を離して録音させる事で

「ステレオサウンド」

が再現出来る事に気付いた。

今回は間に合わないが

「3メタルII」

のアルバムやギョウザ歌劇団の公演ではもうステレオ再生が可能になるだろう。

あの巨大なパラゴンがツインになるなど、メカ好きにはワクワクが止まらない。


と言う訳で、当日は三娘と五娘が録画係、ステルが録音助手(鳥のお世話)と言う形で、ドーム内にいる。

ビッグセブンで動けるのは、俺とオコ。師匠夫妻とコンコンと言う事になる。

コンコンは楽屋の結界係を頼んだ。

前回の山賊村の一件で、大御所達は結界破りに手こずる事が判っていたので、幾重にも結界を張れるコンコンが選ばれる。


オコはオコα、セイコαと共に救護所に詰める。病人とか弱者を装うのはテロの常道だからだ。

師匠と社長は総合指令室に詰める。

俺は?遊軍なのだが、人代として有力来客者(ビップ)の接待。と言う仕事もある。

その中には、とある国の高貴な女性に化けた聖狐天一行もいるのだ。


俺が大御所なら、妖狐の里コンサートでは、間違いなくターゲットは聖狐天だろう。

コンサートに聖狐天がお忍びで来る、と言う情報は極秘だが、どう考えても来ないはずはない。

聖狐天は四天王が警備しており、シャミラムは留守番するにしても、二娘、サンコン、メルファはどう変装しても悪目立ちし過ぎる。


結局冷たい言い方をすれば、俺と師匠とスミティはここに罠を張り、聖子ちゃんを餌に使った訳だ。

後で謝ったが、シャミラムでさえ怒らなかった。

部屋の温度が5度ほど下がったが。

本人は

「知ってましたよ。お父様が危険なコンサート会場に私が来る事を許可するなんて、それしか思いつかないでしょ?」

と言われた次第だ。


「敵を欺くには…」

の例え通り

「屈強な部下を引き連れ、3メタルを心から楽しむご令嬢」

の役を、無意識に聖子ちゃんは演じてくれた。


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