表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2136/2137

55-26.王子ガチャ

転生したら転生してないの俺だけだった

~レムリア大陸放浪記~


55-26.王子ガチャ


※この小説はR15指定です。

少年少女に害のある表現は、なるべく使わない様にせねばなりません。

なので春翠と老帝の間に何があったか?

金色の箱の中の茶色いガラス瓶に入った金帝液を使い、春翠が何をしたか?

については詳細を語りません。

ご了承ください。


「まあ細かい事はご想像にお任せします。とにかくあの妙薬のおかげで、私は春を得たのです」

「ああ…、アレの効き目はすごいが、老帝の寿命を縮める事になったな」

太公望が冷静に指摘する。

「そうですね。でもそれがあのおじいさん(ヒヒジジイとは言わなくなったな)の望みでした」


「さいごにコウビすることが?」

(※作者の懸命の自重を打ち砕く様に)ステルがズバリ言う。

「そうでなくてね、子猫ちゃん。おじいさんは自分の息子達に絶望していたのよ」

春翠はちょっと悲しそうな顔をして言った。


「王子殿下達に絶望じゃと?」

太公望が意外そうに言う。

老帝の子供達はいずれも優秀、才色兼備。

とされていたからだ。


春水に超春が生まれるまで太公望は神祇官の職務を忠実にこなしていたが、老帝にはある程度距離を置いていた。

だから、老帝がその晩年をどの様な思いでいたかは知らなかった。


「寝台に腰掛けた私に、寝たままのおじいさんはポツリポツリと語りかけたの」

晩年の老帝はとても疲れやすく、日中の業務をこなすと、そのまま次の朝まで10時間以上眠り続けたらしい(※俺だよ)。

当然後宮の美女達を(しんしつ)に招く事などなかったそうだ。


その老帝が茶道具を壊した春翠に伽を命じたので、高貴な女性達はプライドが傷ついて大変だったらしい。

だが同僚の侍女たちは

「ほらご覧。厚化粧の花屋の高価な花たちより、野辺の花を陛下は選ばれた。春翠、幸せになって欲しいわね」

と好意的だったし、男達は

「おおお!悔しいが陛下はよくわかっておられる。やっぱり失策侍女(ドジッコメイド)は男のロマンだよな」

と、泣きながら頷いていたという(※以上遂準の供述より)。


「おじいさんはなにをいったの?」

ステルは続きを促す。

「おじいさんは誰にも話していない、胸の内を明かしてくれたの。」

「うんうん」

お話好きのステルはノリノリである。


「おじいさんが生まれた時、当時の神祇官が亀甲を占ったというの」

老帝は確か百歳近く生きたので、随分古い話だ。

亀甲は亀の甲羅の事で、これを火に焚べ、ひび割れの位置や方向などで吉凶を占う事は、邪馬台国の女王卑弥呼も得意だったと言う。


「どんなうらないがでたの?」

「それがね。『この御子は皇帝になられ、その皇太子は大東を救う』という卦だったらしいわ」

「ほんにんじゃないんだ」

「そうね。相当がっかりしたらしいわ。でも『救国の英雄の父』と言うのも悪くないな』と思って、生まれて来た王子達を注意深く見守ったらしいの」


「それでそれで?」

「でもおじいさんから見ても、次々生まれてくる王子達は揃いも揃って平凡な者ばかり。長男の皇太子は責任感でしっかりはしていたけど、堅物で融通が効かない。国家危急の時にとてもじゃないけど国を任せられない。次男以降は甘ちゃんで使い物にならない。次こそは次こそは、と子供を作るので、いつかおじいさんは『絶倫帝』なんて言われたりしたんだって」

エロジジイではなかったのか。


「姫様達はどうなんですか?女の英雄もいいじゃないですか」

オコが当然の問いを発する。

だがそれは無理だ。皇太子は大東では男子しかなれない。

女帝は大東史上一人も居ないのだ。


「春のお姉様達は、ご存命な方も多くて、中には『男であれば…』と言われた結姫様と言う素晴らしい方もおられたわ。この方が春が生まれるまで私を匿ってくれたの」

「西泰の叔母様ですね?」

「本当はお姉様だけどね。西泰公に嫁がれたので中京の都から離れていて、私は班田や後宮妃達の暗殺から守られたのよ。でも惜しくも3年前に亡くなられた」


「西泰公と共に、科学者に暗殺されてしまったのじゃ。西泰公がご存命ならば、新帝の有力な後ろ立てになっていただけたのじゃが」

太公望が残念がる。

俺たちがバクロンで経験した以上に、大東では科学者が猛威を奮っていたのだ。


居間でくつろいでいるところに、いきなり空間に穴が開いて、さすがの勇猛を持って鳴る西泰公夫妻も討ち取られてしまったと言う。

あの空間転移装置の実験台にされてしまったらしい。


「酷いことを…」

超春は涙をこぼす。

子供の彼には、今までそこまでの真相は伝えられていなかった。


「話を戻すわね。『良い子が生まれない』と肩を落とすおじいさんに私はどんと胸を叩いて『お任せください』と請け合ったの。思えば調子に乗りすぎたわ。『じゃが既に朕には子を成す力など残っておらぬ』としょげかえるおじいさんに、私はつい『これでおじいさんの息子を私が産みます』と言って黄金色の箱を取り出したの」

そこでか!


「それは何か?と問うおじいさんに私は『私のお母さんはこれをお父さんに盛って、私を産んだのです』と答えたの」


※これ以降は省略します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ