闘う者たち 6
「おーい、下っ端君。いるんだろ? 敵は車を奪って去って行ったぞ」
発電制御室に素っ頓狂な声が響いた。
「もう安全ですかね……今の声セドリックさんで合ってますよね?」
「そうだ。あってるよ」
その声を聞いてロッカーから人が一人現れた。
「うわっなんですかそれ」
下っ端はセドリックの後ろにある物を見て驚嘆した。
そこにあったのは氷漬けにされたアーロンだった。
彼は氷の中で銃を向け恍惚とした表情を浮かべている。
「【アンチテーゼ】の氷漬けだ。これで娘は助かるんだ。これ以上嬉しいことはないよ」
笑顔を浮かべるセドリック。
「うわっ、セドリックさん。無痛薬使いましたよね。肩を見てください。撃たれてますよ。あと腕も」
「平気さ。傷口は凍らせてるから出血死なんてことはない。それよりもセントリーガンの電源が切れてるが……平気だったのか?」
「あ、それ使い方分かりませんでした」
「……そうか。とりあえずコイツを持って中央管理施設に迎えって命令が来たんでな。俺は行くぜ。あんたはどうするんだ?」
「お母さんが電話で今は街も暴徒だらけだから気を付けろと言っていたのでセドリックさんに付いて来ます。ミュータントなら強いから安心です。……あと下っ端君ではなく下っ端さんです」
「はいはい。んじゃ、行くか。彼の命のおかげで、俺の娘は死なずに済むんだ」
セドリックは氷漬けにされているアーロンを眺め、
黙祷した。




