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新しい仲間は鬼です

リン:「やっぱり鉱山が近いからいいものいっぱいあるね」


レイン:「貴方は無駄遣いしすぎよ、もうちょっと考えて使いなさい」


リン:「え~前報酬いっぱいもらったから少しくらいいいじゃん?」


結局『野生のモンスターに間違われる』と、衛兵に止められて町に入れなかったA.Oを置き去りに、2人は買い物にきていた


リン:「もう、レインちゃんだって武器屋で買おうとしてたじゃん」


レイン:「あ、あれは、この先のモンスターが強いからよ!ほら、終わったのならA.O達の所に行くわよ」


リン:「は~い」


レインの回答に納得がいかないとでも言うように、不貞腐れて返事をするリン。2人はA.O達の待つ門の外へと行くと


リン:「あっ__渋谷駅前」


レイン:「何?突然___ぶっふぉ!!」


(助けて~~)


A.Oが沢山のプレイヤーに取り囲まれさながら、渋谷駅前の犬の銅像状態であった


「おぉ!やっぱり近くで見るとますますロボだな!!」

「あの武装どうやって作ったんだろう?」

「あぁ、バラバラにして、奥の奥まで調べたい」

「記念に一緒にスクショ撮ってください!!」

「こんな機会またとない!仲間も呼んで探究しなければ!」


Lis:『マスター。これは一体...?』


「スマン、ここが生産職の最も集まる町だというのを忘れていた....」


<Libra>の時と同じく生産職にとっては、A.Oの身体自体が宝同然であり、人を待っていたとしても道端にいれば、野次馬ができるのは当然の結果だった。その時レイン達からプライベートチャットが入る


レイン:『ちょっと....大丈夫....ぷふっ』


『ナンデチョットワラッテルノ?』


リン:『あ~ちょっと犬の銅像みたいって言ったら、ツボに入ったみたい』


『この際それは置いておいて、買い物は終わったの?』


リン:『終わったよー』


『了解。煙幕で視界を遮ったら逃げよう、この人だかりを抜けるのは面倒だ。Lis、発煙手榴弾』


Lis:『Log.発煙手榴弾投下』


A.Oの両腰に着けていた発煙手榴弾が地面に転がると、辺り一面が煙幕で覆われる


「キャー!」「な、なんだ?」「ロボットが爆発した!」


プレイヤー達が怯んだ隙に2人を回収し、その場を立ち去る


レイン:「ごめんなさい、あそこが変人窟だってこと忘れてたわ...」


「まあ、プレイヤーに受け入れられていると考えれば、良いことなんだろうさ」


リン:「本当にA.O君モテモテだね!」


「その愛の行き着く先が全身分解なんて、歪んでいるにも程がある.....」


3人はプレイヤー達に見上げられながら火山地帯に向かうが、プレイヤーの輪に入らず物陰からこちらを見ていた不穏な影をA.Oは見逃さなかった




3人は火山の入り口である洞窟ではなく、火口の上空にきていた、この火山は活火山であるが爆発的な噴火をするわけではなく火口の奥深くにマグマが流れているため、火口からならば奥深くまで潜っていけるが未だに空を自由に飛べるのはA.Oくらいなもので、誰もやった事がないため2人は盲点だった


リン:「こんな方法で火山の奥深くまでいけるなんて...よく知ってたね?」


「ここにリスポーンした奴が教えてくれてね、何でもマグマの地熱を利用した発電所?みたいな所だったらしい」


Lis:『回答。微弱ながら"Power Plant-44"TACAN信号を捕捉しました』


レイン:「よくこんな場所に作ったわね...」


「Lis。近くまで接近する、誘導してくれ」


Lis:『Log.誘導します』


3人はゆっくり火口を降下する、しばらく降りると横に伸びる洞窟らしきものが見えてきた


Lis:『あの洞窟の中から信号が出ています』


3人は地面に着地するとA.Oを先頭に洞窟に入る、暫く進むとエメラルドグリーンに輝く結晶体に満たされた空間に出た


「ここは?」


リン:「綺麗~」


リンが結晶体に触ろうとすると


レイン:「触らないで!!!」


リン:「レインちゃん!どうしたの大きな声出して!?」


レイン:「これ全部”炸裂結晶”よ!!!」


<炸裂結晶>フィールドで取れるアイテムの一種だが、少しの衝撃でも破裂するため、専門のスキルがなければ触れられない危険物である


リン:「これ全部!?」


レイン:「そうよ、だからこんなところ早く出ましょう」


「いや、駄目だ」


早々に出ようとするレインをA.Oが引き留め、そして


「隠れてないでさっさと出てこい」


A.Oが言うと物陰から30人くらいのプレイヤーが現れた、彼らの頭上には赤いバッテン、つまり同意なきPKをしたもの達ということになる


「お前らだろう、最近この辺でプレイヤーを襲っているって連中は、さっきも物陰からこっちのこと見やがって」


「俺達、『獅子王盗賊団』に気がつくとはやるじゃないか。流石、デカブツを倒したと噂のロボットだぜぇ」


「てめぇをあの町の変人どもに売ればいい金になりそうだ!!」


「おい!嬢ちゃんヒデー目に会いたくなかったら、そのロボット置いていきな!!!」

「「「「へっへっへっっへっへ」」」」


典型的な悪役のようなセリフを吐いた、<獣人種・狼型>のプレイヤー達がA.O達を包囲するが


「___いや、『獅子王』って君達狼じゃん」


リン:「ぶっ!!」


レイン:「ぶふっ!!__やめてよ!!言わないようにしてたのに!!」


2人はA.Oの場違いな発言に笑ってしまったが、リーダー役のプレイヤーは痛いところを突かれて赤面していた


「てめぇ!!人が気にしてる事を!!__大体NPCのお前に何が出来る!?プレイヤーを攻撃できないお前に__」


DOM!!DOM!!

「「ぎゃっ!!」」


「___は?」


「いや、普通に攻撃できるが?」


無防備に正面に立つ盗賊をA.Oは『携行式電磁加速砲(レールカノン)』の砲弾で上半身を粉々にする、このゲームでは衛兵意外のNPCは基本的にプレイヤーを攻撃出来ないため、A.Oの事をNPCだと思っていた盗賊達は完全に面食らう


レイン:「お馬鹿!周りが”炸裂結晶”って言ったでしょう!!貴方が攻撃したらこっちまで巻き添えよ!!」


「そ、そうだぜ!!野郎共隠れながら仕留めるぞ!!」

「「「「へっへい!!」」」」


レインの言葉を聞き盗賊達は結晶を盾に近づいてくる


......Ton


「そんなのはわかってるんだ」

レイン:「ハァ????」


...DonDon


「さっきの茶番も全て時間稼ぎのため」

レイン:「茶番って....」


...Doka!.Doka!.Doka!


「さっき信号を送って呼び寄せたんだ」

レイン:「呼び寄せたって....」

リン:「リンちゃん何か奥から聞こえるんだけど....」


..BaGon!BaGon!BaGon!BaGon!


「そう、ここに迎えにきた”近接戦闘のエキスパート”を」


DoGaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!


「イヤッフォォォォォォォ!!!」

「「ギャーーーー!!」」


岩を砕いて真紅に塗装された機体が奥の壁から飛び出し、その破片が盗賊2人を巻き込む


「イヤーー!やっぱり自分の思った通りに動けるのは楽しいわーー!!」


「久しぶりだな<茜>、相変わらず元気そうで!」


茜:「おっ!!そこにいるのはA.Oジャーン、めっちゃ久しぶりじゃね?本当に『SOM』の機体になってんね!!」


いきなりハイテンションのロボが現れ、盗賊達だけでなくレイン達も呆気にとられる


レイン:「この人が....」

リン:「A.O君の元チームメイト?」


茜:「おっ!!何々女の子連れ!?ヒューヒューやるねぇ色男!!__ところでどんな状況??」


ひとしきり騒いだ後、茜は辺りを見回してA.Oに質問する


「現在、悪党どもに包囲されてる、こいつらは人が苦労したアイテムを横取りするような奴らだ、お前の『山茶花(サザンカ)』の試運転にはちょうどいいだろう?」


茜:「へぇ~こいつらがね」


A.Oの説明を聞いた後、急に茜の雰囲気が変わり殺気を纏う、それに反応し盗賊達が身構えるが


「げぺっ!!」


レイン:「え...?」

リン:「へっ....?」


2人が声の方を振り向くと、茜が目にも止まらぬ速さで近くにいた盗賊に近付き、拳で殴って頭から地面に叩きつけ消滅させていた


茜:「つまりあんたらは.....」


ゆっくりと茜が立ち上がり


茜:「容赦なくぶちのめしていいってことだな!!!!!!」


表情はわからないが、まさしく鬼そのものであったと2人は後に語った

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