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叔父と絵本と

藤木戸フジキド 誠司セイジ

『ゲーム界の神』『VR時代の傑物』と言われ数々のゲーム作成に携わってその多くが歴史に名を残すような名作ばかりで、A.Oの父親の弟つまり叔父にあたる人物であたる。A.Oが高校に上がる頃遠くに引っ越して以来叔父家族とも疎遠になってしまい、法事以外では滅多に会わなくなっていたが、A.Oは小さい頃からよく遊んでもらっていたのでよく覚えている、しかし2年前に突如表舞台から姿を消して以来音信不通になり、昔から放浪癖があり、数年間連絡がなかったと思えばある日ひょっこり帰ってくるという事を繰り返し、その事から家族や親族もあまり心配していなかったが、まさかの『UWPS』で叔父の痕跡を発見しA.Oは動揺する


「な、何で叔父さんの書いた絵本が此処にあるんだよ...」


レイン:「何?貴方の叔父さんってゲーム会社の人なの?」


「確かにゲームは作っていたけど2年前から音信不通なんだよ、1年前に発売したこのゲームに携わっていたとしたら時系列がおかしくなるんだよ...」


レイン:「そうなの!?...ゴメンなさい嫌なこと聞いちゃって...」


「いや、叔父さんは放浪癖が会ったから。家族も『そのうち帰ってくるさ』ってあまり心配してないさ」


リン:「その本はどんな内容なの?」


「あぁ、大まかな物語だけ言うとね...」


『むかし、むかし。

大きな国があった、そこは昔から<魔法で動く人形>作りが得意で、建物を作ったり、重いものを運んだり、国を守る兵隊もぜんぶ<人形>が人間の変わりに働かされ、壊れたらそのままにされたり、捨てられてしまっていた。

ある日、町の外れの小さな工房で1人のおじいさんが1体の人形を作っていた、その人形は他の人形と違いゼンマイの力で動くブリキの人形だった。おじいさんは毎日人形に語りかけながら作った「お前は、わたしの最後の子供、亡くなった息子の変わりに人形を息子と思い作り続けてきたがそれが壊されるのを見るのは辛かった、お前には頑丈なブリキの体をやろう」「お前は、他の子供達が壊されるのを見て人間が嫌いになるかもしれない、酷い扱いを受けてこの国を恨むかもしれないそれでもお前には優しい心を忘れないでほしい」

そう毎日言い続けて来たがとうとうおじいさんは力尽きてしまう、最後のゼンマイをつくらずに。

人形は来る日も来る日もただそこに居続けた雨に降られようが、雪が積もろうが動くことが出来ずに体が朽ちていくのをただじっと待つしかなかった。

やがていくつかの季節が回った頃人形の元へ訪れる者がいた、それは道の向かいの花屋の娘だった。

娘は朽ち行く人形を哀れに思ったのか毎日1本づつ店で残った花を人形の周りに植え続けた、毎日毎日花を植え続けてやがて人形の周りに花が沢山咲く頃に、<それ>は起こった悪い魔法使いが人形達を操って反乱を起こしたのだ、それはどんどん国中に広がっていき<人形>に頼って生きていた人々は逃げ惑い、町は焼かれ、国は荒廃していった。

そしていよいよ、娘の住む町にも操られた人形達が迫ってきた、多くの人々が逃げるなか、親と離れてしまった娘は....』


「ここで物語は終わるんだ」


リン:「え?続きは?」


「作りかけを読ませってもらっただけだし、この本もそこで終ってるんだよ」


リン:「え~何か中途半端~。続きを聞かされたりしなかったの?」


「ゴメン...だいぶ昔の事で思い出せないんだ」


リン:「そうなんだ~じゃあ、しかたないね」


(本当に何で思い出せないんだ?あの時僕は叔父さんに何を言って、何を聞いたんだろう?)


レイン:「とにかく、今後の話をしない?」


「そうだね。僕はこっちに拠点を移して万が一奴らが暴れだしたときの備えと周辺を探してみるよ」


リン:「じゃあ、私達はこの辺の町で色々聞いてみるよ、何かわかるかもしれないしね」


3人は今後の方針を決定しその日はログアウトした



「ふう~~......」


長いため息のあとA.Oはヘッドギアを外し起き上がった


(何で叔父さんの本があったのか...これは調べてみないと)


A.Oはスマフォを取り出し電話をかける



NFWS社内


「これは一体どういうことよ!!!!!!!!」


「落ち着きたまえ橘君。他の部署に怒鳴り込んでくるなりそれでは、話が見えないじゃないか。」


この怒鳴られている天然パーマでメガネを掛けやせ形体型の白衣を着た男は<石神 薫>合併した『SGPS社』でゲーム開発主任をしており通称『合流組』と言われる移籍してきた『SGPS社』の社員が集められた部署の責任者である


橘:「このっ!!これを見なさい!うちの会社が総力をあげて作った『UWPS』内で撮られたものよ!!!」


橘:「こんな変なロボット何てあなた達ぐらいしか、つくらないでしょ!!!!!!」


石神:「ん~~~~~?なるほどねぇ~~結論から言おう橘主任。」


石神:「我々は君達のゲーム内にいるこのロボットは知らない」


橘:「な!?嘘言わないでよ!!あなた達が送り込んだんでしょ!!!!」


石神:「そもそも我々は君達の部署に行ってないんだよ、監視カメラで確認したまえ。それに社内といえどそんな簡単にサーバーにアクセス出来る程セキュリティは甘くないだろう?そんなつまらん事をするほどこっちは暇じゃないんでね。今、ゲームではないがプログラムの開発を任せられてね。みんな、デスマーチの真っ只中なんだ」


橘:「くっ!わかりました。今はその言葉を信じます。では、失礼します」


石神:「待ちたまえ、橘君」


橘:「何ですか?」


石神:「そのロボットは知らないが同じ機体なら知っている。」


石神のメガネが怪しく光る


石神:「我々が作ったゲーム『SOM』、その中の最強プレイヤーの1人A.Oの駆る『EOES』『隼』ならね」

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