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第九十九話「贈り物」

こんばんは、作者です。


風邪引きました。


熱でぼーっとします。


ちょっと短めですが、これが限界です。


時間が出来たら、改稿したいと思います。

シンクに表示される膨大な情報を前に、俺達は肝を冷やしていた。

こんなに多くの取引がされていたのか。

そして、これからも出荷の予定が続いていた。

なんとか阻止しなくては。


「な、なあモトユキ、これをどうやって頂いて帰るんだ?まさか持ってはいけないだろう?」


モトユキの事だから、何かしらを用意しているとは思うが、方法は想像も出来ないな。


「当然だ!これを使って頂いて帰る」


モトユキは懐から小さいノートサイズの黒い箱を取り出した。

なんだあれは?


「そ、それは何だ?」


「これはコアという品物だ。このシンクより、遥かに高性能のマシンだ」


「そ、そうか」


もはや驚かないぞ。

というか、こいつはどこから品物を取り出しているのか?

服の中に異次元でもあるのかよ。


モトユキは次に、黒い紐のような物を取り出して、何やらよく分からない事を言いつつシンクに繋いでいた。

ど、どうするつもりだ?


「お、ピッタリだな。やっぱりこっちの型のアダプターを持って来て正解だったな」


みんな固唾を飲んで見守っていた。

モトユキはやがて、トトトと両方の装置の画面を操作していた。

シンクの画面に矢印が出た。

矢印が点滅し、矢印の下には砂時計のような物と、何かが溜まりつつある棒状の図形が出た。

何をしているんだ?

しばらくの後。

棒状の図形が満タンになった。


「よし、終了だ」


え?


「な、何が終了したんだ?」


「情報の転送だ。このコアの中に、ハリウッドジャムに関しての情報を全て複製した」


まさか!?

モトユキが冗談を言っているようには見えない。

彼が言うなら、そうなんだろう。

仲間達も驚きの様相を隠せない。

何がどうなっているのやら。

しかし、、先端技術と言うものには恐れいる。

これを軍用にされたらと思うとゾッとするな。


「さて、、、ふむ。大丈夫そうだな、文字化けもしていないようだ。流石レーグ社だな」


モトユキは紐を外して、シンクの画面を消し。

コアを少し弄っていた。

相変わらず、言っている意味はよく分からない。


やがて、モトユキはコアを取り上げて、俺に差し出した。


え?


「プレゼントだ。後々お前にはこういう物が必要になる。大事に使え」


え?え?


「ちなみに、この世界に関しての主要な文献を全部ダウンロードしておいた。困ったら検索ワードを入れて調べるといい。ちなみにネットには繋がらない。ついでに言うと、お前の名前を入れると、過去の栄光に浸れるが、読みふけっていると朝になるぞ、寝不足にならないようにしろ」


モトユキの言葉が異国の言葉に聞こえる。

何を言っているんだ?


「す、すまん。理解不能だ。分かる言葉でドゾ」


ドゾって何だ?


「あ、、、。ああ悪い。せめて基礎知識くらいはやらんとな。じっとしてろよ」


モトユキは俺に近づいて来て、頭に手をやった。

ど、どうする気だ?


「な、なあ?」


「まあリラックスしろ」


モトユキが言うやいなや、頭の中に閃光が走った。

色んな情報が頭に溢れる。何だこれは?

気絶しそうになったが、なんとかこらえた。

モトユキが手を離した。

まだ立ち眩みがする。


「どうだ?マック、これは何だ?」


モトユキがコアを指差した。

コア、レーグ社製の軍用小型マルチコンピューター。

魔道具でもあり、周辺機器を付属する事によって多種に渡る機能を使用出来る事から、コアと名付けられた。

ちなみにモズのより高性能の新型冬モデルだ。

あれ?

何で知ってるんだ俺?


「こ、これは一体?」


「マックの頭の中にコアの基本情報とマニュアル、こういう機器を取り巻く世界の一般的な概要を放り込んだのさ。さっき俺が言っていた事の意味が分かるだろう?」


モトユキの言葉通りだ。

彼はコアの中に、この世界に関しての擬似ネットを構築していた。

俺の名前を検索すると、本や新聞記事などがヒットするのか。

便利だな。

これで、この先、新しい土地に行っても困らないな。

モズとはいつかお別れしなくてはいけない。

彼がいなくなった時に、勇者チームの頭脳にならなくてはいけないのは俺だ。

コアの存在はありがたい。


「理解した。ありがとう」


「気にするな、気が合うと言っただろう?早くコアをいじりたいんじゃないか?」


モトユキがニヤリと笑った。

その通りだ。

俺はどうやらこういう物が好きらしい。

夜通しいじってカスタムしてみたい。

壁紙も変えよう。

顔がニヤつく。


「ふ、気に入ったようだな。ついでにもう一つプレゼントがある」


え?


モトユキはコアの裏側を見せた。

オレンジ色のマーク、そう、もはや懐かしささえ感じるバレンシア王国の紋章と、ダブルM、俺の隊のエンブレム。

008との番号が描かれていた。

そして、どこから拝借して来たのやら、俺が書類に目を通した時に使う筆記体のサインが直筆そのままに彫り込まれていた。

感動だ。


「こ、これは?」


「特注品だ。お前仕様にしてある」


顔がニヤケた。

うふふふふふ、マック専用モデルか、レアだな。


「マック、顔が気持ち悪いぞ」


アンジーに突っ込まれた。

いかん。

ヲタだと思われる。

こういうののマニアをヲタと呼ぶらしい。

アキバケイやコアラーって頭には入っているが、それ以上の情報は無い。

俺は我に返った。


「さて、もう用事は無いぞ、そろそろおいとました方がいい、部屋に入って来る事は無いが、廊下を定期巡回している警備員がいるんだぞ?」


モトユキが、いつの間にか手に持っている扇をヒラヒラさせながら言っていた。

そうなのか、では鉢合わせしないうちに退散するとしよう。

俺達は再び姿を消して、室長の部屋を出た。


研究室へ抜ける。

廊下への入口にさしかかった時だった。


「う、うわあ!」


トッドの叫び声がして、ガタンと音が響いた。


どうしたと言うのだ?


トッドの魔法を解除する。

姿を表したトッドは、ある方向を指さしながら、腰を抜かしていた。

トッドが指さした場所には、実験室と思われる部屋があった。

分厚そうな扉に、小窓が付いている。

俺は扉の所へ向かって、中を覗いた。


おわっ!


危うく声が出そうになった。


そう、実験室の中には人影があった。

ゆらりと揺れていそうな感じ。

それを見た瞬間、全てを悟った。

普段読んでいるであろう本。

財布やカード入れ、銃。

これらを机に置いたまま帰る訳が無い。


そう、もう一人のマック、研究室長は、恐らく最初からここにいたんだ。

正確には命が無くなった室長の脱け殻が。

室長は、この部屋で首を吊っていた。


みんなが集まって来る気配がした。

モトユキは悠々と歩いて来た。

窓を覗き込んで、


「なるほどな」


と呟いていた。

動じないな。


他は一様に驚いていた。


「とりあえず、入ってみるか?」


俺が部屋に入る。

室長は、もう事切れていた。

部屋は首吊り死体特有の状況になっていた。

トッドはビビって入っては来ない。

顔を確認した。

間違いない、あの写真立ての男だった。

排気ダクトのような所に紐をくくりつけて、事に及んでいた。

どれくらい前から、ここにいるのか?


近くの机には遺書のような物が置かれていた。

自殺を装った他殺の線もあるが、専門家では無い俺には分からない。


遺書を手に取った。


【これ以上、悪事の片棒は担げない。私は人を救う薬を作りたかった】


だとさ。

言葉が上手く出てこないな。

死を選ぶか、、、。

一同無言で死体を見つめていた。

同情はしない。

が、、なんとも言えない気持ちだな。


「グズグズしている場合じゃないぞ。運が悪ければ犯人だぞ?とりあえず証拠は手に入れた。一時退却するぞ」


モトユキが扇で手招きして来た。

そうだ、こんなところを見つかったら、濡れ衣を着せられかねない。


俺達はそそくさとファクトリーを後にした。


無事に道路まで脱出出来た。

とりあえず、徒歩で繁華街まで歩く事にした。

そこで、馬車を拾ってホテルまで帰ろう。


「モトユキ殿、彼の役割は何だったのでしょう?遺書を見る限り、主犯では無いようですが?」


剣を握りしめたアークがモトユキに尋ねる。


「ふむ。彼は麻薬の生産役だろう。研究室内でどれくらいの人間が麻薬の事を知っているのかは分からないが、あの室長は、納期に応じてラインを動かし、麻薬を作っていたのだろう」


「なるほど。モトユキ殿は主犯は誰だとお考えですか?」


アークが再び尋ねた。


「ふむ。あれだけの大企業だ。少数でひっそりとやるには向かないな。麻薬なんぞ作っていたら、すぐバレる。が、トップが関与していたら、話は別だがな」


「で、では」


「そうだ。会長か社長。俺なら社長命令での、新薬の開発とかなんとかの名目で、直接研究室長と、信頼出来る研究員を巻き込んで作らせるがな。少なくとも、他の社員は疑いの目は向けないだろう。薬品業界なんて、どこも熾烈な競争をしている、社内において、新薬開発が極秘扱いになっていても、誰も不審に思わないさ。堂々とコソコソやれるはずだ」


な、なるほど。


「モトユキ、キレるなあんた」


「当然だ!」


俺の言葉にモトユキは、さもあらんとばかりに扇を揺らしてご満悦だった。


「さて、この辺で俺は失礼するよ。気をつけて帰れよ」


モトユキはいきなりそう言うと、踵を返して夜のとばりに消えて行こうとする。

唐突なやつだなー。


「モトユキ、ありがとう」


仲間達も口々に礼を言っていた。

モトユキが来てくれなかったら、手ぶらで帰る羽目になる所だった。


「当然だ!」


モトユキは背中を見せながら、扇を横に振って、サヨナラと告げていた。

やがて、彼の姿は闇に紛れた。

最後まで当然の使い方がおかしかったな。

というか、俺達を助けるのは当然だと言いたかったのか?

よく分からないヤツだったが、頼もしい人だったな。


翌朝、、いや、、正確には昼頃だったが、街には号外が出ていた。

その号外を読んで、俺達は言葉を失った。

見出しはこうだ。


【ザナール製薬、研究室長、研究費を横領の疑い!逮捕を恐れて自殺か!?】


なんという事だ。

全然別の事件にすり替えられているじゃないか!


読んで頂きまして、ありがとうございました。


マックがレベルアップしました。


そして、事件は思わぬ方向へ向かっています。


ちなみに、明日は予定では100話目にふさわしい内容の話になる予定ですが、まだ文章化出来ていません。


風邪、治るといいなー。

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