第九十一話「さあ対決だ!」
こんばんは、作者です。
なんとか今日も更新出来ます。
そして、いつもありがとうございます。
さあ予選です!
ロストンは石畳の古風な街並みだった。
ちょっとグランディアを連想させる。
宿屋にチェックインを済ませて、夕食を囲んだ。
煮込み料理が主だった。
チキンのトマト煮とか、そういうのだ。
デザートに出たトマトシャーベットが好評だった。
暑い国だからねー。
冷たい物は人気だな。
お風呂に入り、もはや誰も何にも言わないが、レイナと同室の部屋に帰った。
レイナは髪をとかしていた。
新婚みたいだ。
さて寝るべ。
レイナと同じベッドに入って寝た。
相変わらずのイチャイチャタイムが楽しい。
なんつーか、足を布団の中で絡めてジャレるとかいいのよねー。
二人で丸まって、おやすみなさい!
その日はグッスリと寝た。
翌朝。
今日は予選会だ!
準備をして、朝ご飯を食べて、みんなで宿屋を出た。
街の中心に多目的のコロッセオがあった。
そこで予選が開かれるらしい。
今日が出場受付の最終日であり、予選大会の予選がスタートする日なんだってー。訳わからなくなりそうだな。
快晴の空の下、ドン!ドン!と号砲がなっていた。
運動会みたいだな。
コロッセオへ向かう間、レイナが手を握って来た。
ちょっと緊張しているようだ。
流石に試験の時とは違うようだ。
俺は違う意味で緊張した(苦笑)
やがてコロッセオの正門に到着した。
周りは人で溢れかえっていた。
冷たい飲み物や軽食を売る売店や、ガンナーTシャツなどのグッズ売り場があった。
観覧希望と出場希望の受付があり、長蛇の列が出来ている。
みんな強そうに見える。
クラッシックな服装の人や、トッドみたいに今風の人。レイナと同い年に見えるような女の子もいた。
色んなガンナーがいるんだなー。
一方観覧希望の列は呑気なもんで、ポップコーンみたいな物と飲み物を手に持ち、まだかまだかと開場を待っていた。
ワイアル達とはここで分かれた。
彼らもめいめい好きな物を手に持ち、ワイワイと話していた。
「ぅぅ、みんな強そうー」
レイナが珍しく弱気になっていた。
「大丈夫だよ。こういう時はみんなそう見えるもんだ」
正直俺もビビっていたが、ここは男らしく励ますところだろうと思った。
並んでいると順番がやって来た。
受け付けにはホビットみたいなおじさんがいた。
「お二人共参加希望ですか?」
「はい!」
「ではライセンスとバッヂをご提示下さい」
言われるままに提出した。
スキャナーのような機械で読み取っていた。
「本物のようですね、ではこちらの申込書を持って、あちらに並んでいる机のところでご記入下さい。終わりましたら係員に声を掛けて下さい。選手登録番号がもらえます」
ほえー。
ホントに競技会みたいなノリなんだなー。
レイナと机が沢山並んでいる場所へ向かった。
あれだな、春の税務署みたいだな。
みんなカリカリと名前などを書き込んでいた。
俺とレイナも並んで書いた。
名前や出身地、所属チーム、主な活動拠点、性別、血液型、など、よくある普通の申込書だった。
ただこの世界独特なのは、【治療に使われると困る魔法の属性があればご記入ください】とか、チョイチョイ魔法に関してのアンケートがあった。
【運営側による治療を望みますか?】
はい、いいえ。
はい、だな。
【訳あって多種族の姿をしている方は治療の際に支障をきたす場合がありますので、個別に係員にご相談下さい。尚、秘密は守ります】
なんだこれ?
えーっと、これはいいや。
などなど、奇抜な質問や、注意事項を読みつつ申込書を書き上げた。
「出来た!オズは?」
「出来たよー」
二人で係員に提出した。
その後は、何人かでグループに分かれて、大会のルール説明を聞いた。
「えー、基本的には何でもありです」
うそー?
ガンナー資格を持っていれば、剣や魔法で戦ってもいいらしい。
何てムチャクチャな大会なんだろう!
「ただし、致命傷を与えた場合は失格となり、逮捕されます。ご注意下さい」
うお!
両刃の剣だなー。
意外に深いルールだ。
尚、この大会から本戦に進めるのは十人だそうだ。
この大会では、まずはブロックごとに分かれて予選を行い、上位六名が決勝に進める。
ブロックは五ブロックあるんだとさ。
よく分からないシステムだな。
まあいいや。
「本日は午前中いっぱいまで出場受付が行われ、午後からはブロック戦が始まります。ブロック戦は明日も行われますが、希望があれば本日のブロック戦に出場出来ますが?誰かいらっしゃいますかー?」
パラパラと手が上がった。
「あたしは明日がいいなー」
レイナは手を上げないようだ。
まだ気持ちが決まらないらしい。
どうしようかな?
待てよ?
今手を上げておけばレイナと違うブロックになれるな、予選の予選から同じブロックとか洒落にならないな。
「は、はーい」
手を上げた。
「嘘!?今日やるの?」
「まあな、そうすりゃ、少なくとも予選の予選でレイナと激突とかは無いからな」
「あはは。オズ頭いいー!」
レイナは頭を撫でてくれた。
うへへ。
「おうおう、見せつけてくれるじゃねーか!カップルで出場とか、ふざけた奴らだな?見せつけやがって!ギタギタにしてやるよ!」
険悪な呼びかけに後ろを振り向くと、髭面で蛇のような目をした男が立っていた。
服にもパイソン柄のようなものがあしらってあった。
「スネーク、いいねー、俺はこの女の子とあたりてぇなー!服ボロボロにして泣かしてー!」
隣のやや細身だが、これまた蛇顔の男が相槌をうった。
パイソンとアオダイショウって感じだな。
レイナを上から下まで舐め回すように品定めをしてやがる。
「てめー、んなことしたら生まれて来た事を後悔するくらいボコボコにしてやるぞ!」
「お?コブラ、勢いだけはいいぜコイツ!」
「優男のくせに、彼女の前でカッコ付けちゃって!」
コブラとスネークか、いかにもだな。
頭に来た。
てかレイナを見るな!
「貴様ら、死にたいのか?」
俺が話しながら一歩前に出た。
「んだとコラ!いきがってんじゃねーぞ!」
その時だ。
係員のマイクが響いた。
「はい!そこまで!申込書の大会規則を読んでなかったんですかー?大会期間中は大会以外での、ガンナー同士の私闘は禁止です。やった場合は即失格になりますからねー!いいんですかー?」
そうなんだ。
スネーク達が鉾を納めた。
「ちっ!命拾いしやがって」
お前がな。
とりあえず頭も冷えたから、アイツらはシカトして、ブロック分けに加わった。
レイナは明日のブロックになった。
俺とはここでお別れだ。
俺は選手控え室。
レイナ達参加者は自由に観戦出来るから、ワイアルの所に行くんだとさ。
ちなみに俺の登録番号は69、レイナは119、エロい番号だった。
「がんばって!」
別れ際にレイナがキスしてくれた。
うへへ。
「それが最後のキスだ!たっぷり味わえ!」
視界の隅にスネークとパイソンが写った。
そうか、お前らも今日の組か。
俺と同じブロックにならないように祈っておけよ!
「ムカつくヤツ!ベーだ!オズ、また後で!」
レイナはスネークにあっかんべーをすると、観覧席に走って行った。
控え室に向かう出口でアルファベットの文字が書いた腕章を渡された。
このアルファベットがブロックになるらしい。
俺はAブロックになりました。
今日はAブロックとBブロックの予選会があるらしい。
係員に誘導され、控え室までやって来た。
扉は開け放たれていた。
中に入る。
先に来ている選手から、品定めを含んだ視線を浴びた。
とはいえ、俺に反応を示した選手は皆無だった。
ええ、ええ、ええ、そうでしょうよ!
見た目弱そうだからねー!
ふん!見てろよ!
みんな歴戦の猛者という感じだった。
碧眼のじいさん、軍服マニアみたいな男。ボロボロの衣服だけど銃はピカピカな男。
様々な参加者がいた。
女の子もいたよ。
そして、いたよアイツが!!
「俺は運がいいな。お前と同じブロックか!楽しみだぜー」
スネークが臭い息で話しかけて来た。
こっちもだよ。
「まあな、期待しとけ」
火花が散っていた。
そんな空気を吹き飛ばすかのように、係員が入って来た。
「はいはい。有り余る力は本戦で使って下さいね!では始めますよー!」
予選が開始された。
「初戦はコラード選手とニップス選手!試合会場へお進み下さい!」
碧眼のじいさんが立ち上がった。
そして、ボロボロの男。
二人が係員に先導され、闘技場へと足を進める。
控え室からも闘技場が見えた。
石か何かで出来た碁盤の目を持つ、円形の闘技場だった。
結構広いな。
竜の玉の大会より一回り大きい。
闘技場は一段大きな高さになっていた。
芝生を挟み、スタジアムみたいに観客席が取り囲んでいた。
観客席との間には石の壁があった。
スタジアムでいう内野に闘技場が設置されていた。
観客席から大歓声があがる。
ドドドドドと地鳴りのような声援だった。
みんな期待しているようだ。
「それでは皆さん、いよいよ大会の開始です。予選の予選なので、特に関係者の挨拶などはありません」
ドッと観客席がウケた。
「はい。さっさと行きましょう!第一試合の選手紹介です。まずは、碧眼のガンナー、コラード選手です!チームは無所属!大ベテランの登場です!」
歓声が上がった。
「そして、ニップス選手!チームは同じく無所属!家財道具を売り払って新しい銃を買い、この大会にかけています!」
大歓声が上がった。
あー、それでボロボロなんだな。
判官贔屓か、ニップスのほうが声援が大きいな。
二人が闘技場の中央で向き合った。
レフリーみたいな男が、身振り手振りで何やら注意点を説明していた。
やがてレフリーが闘技場を降りた。
二人がやや距離をとった。真剣な顔で睨み合う。
会場はシーンと静まり返り、試合の開始を固唾を飲んで見守っていた。
俺も息が詰まった。
どえらい緊張感だ。
一陣の風が闘技場を吹き抜けて行った。
「試合開始!」
それを合図にニップスが脇へ飛んだ。
銃を抜いて二発発射した。コラードはわずかに動いただけだ。
彼のズボンと頬を銃弾がかすめた。
おいおい、涼しい顔だよ、あのじーさん。
コラードは素早く銃を抜いて、着地したニップスに一発発射した。
バキーンと音がして、ニップスの銃が手から飛んだ。
飛んだ銃目掛けてもう一発。
銃は遥か後方へすっ飛んで行った。
すげー!空中で当てたよ!
ニップスはそれを見つつ、両膝をついてガックリとうなだれた。
やがて、諦めたようにゆっくり両手を手のひらを見せながら上げた。
「あーっと!降参です!自慢の銃を飛ばされて、為すすべが無かったようです。ニップス選手降参!勝者はコラード選手!」
観客席からまた大歓声が上がった。
いやー、ガンナー同士の戦いって凄いわ!!
ちなみに、先ほどみたいにハンズアップして降参の意思表示をするか、ダメージを受けて、戦闘不能になったとレフリーが判断すると、試合が決するようだ。
俺はどうやって戦おうかねー。
銃でいくか、風牙を使うか、それとも、、、。
思案を巡らせていると、コラードとニップスが戻って来た。
ニップスが残念そうにコラードに握手を求めた。
コラードはニッコリと微笑んで気持ちよくそれを受けた。
ノーサイドって訳か。
てか、会話しないんだ。
銃で語るってヤツか?
いいねー、渋いねー!
「…さん!…カーさん!69番、ジョーカーさん?いらっしゃらないんですかー?棄権になりますよー!」
係員の声がした。
ジョーカー?
あ、俺じゃん!
そう、ジョーカーで選手登録したんだ。
「はい!はい!はい!」
走って係員の所へ行くと、スネークがいた。
ま、まさか。
「はい、スネーク選手とジョーカー選手ですね?第二試合ですよ!」
「俺は運がいいな。あの女は俺達がたっぷり可愛がってやる」
こいつ!
「そっくりそのまま返してやるよ!」
「来いよ優男!」
「望む所だ蛇野郎!」
俺達は視線を外さずにゆっくりと闘技場へ進んだ。
やや渦巻くような風が吹き抜けた。
読んで頂きまして、ありがとうございました。
オズの出番がやって来ました!
スネークとオズ、どちらのくじ運がいいのか悪いのか。
珍しくやる気満々のオズ!
次回ご期待下さい。




