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第九十話「許した訳じゃ無いからなー!けど、まあ、いいよ」

こんばんは、作者です。


なんとか今日も更新出来ます。


なかなか気に入った感じに書けました。


ご覧下さい。

宿屋に帰って来ると、みんなが待っていた。

朝に主人から聞いたそうで、解決したのになかなか帰って来ない俺達を心配してくれていたそうだ。


「おかえりー」


「ただいまー」


レイナが出迎えてくれた。

ワイアルが俺とレイナの任務をみんなに説明する事にした。

特に異存は無い。

ビルが信頼していて、そのワイアルが信じる仲間なら問題ないだろうと思った。


ワイアルから一通りの話を聞いたみんなは驚いていた。

テッサの銀髪クソ野郎の通り名はここまで轟いていたようだ。

アミタめ!


「じゃあ、あんた達は親父が言っていた助っ人の、ランド王国の英雄とその彼女にしてバレンシアから来た勇者か!?すげーな」


エースは目を輝かせていた。

父の事を嬉しそうに話すエース。

父に対しては悪感情を持っている訳では無いようだ。


「そうかいそうかい!すごいじゃないか!臨時とはいえ、豪華な仲間が増えたもんだね」


「なるほど、英雄だったのか、撃たれて本望だな」


シェリーとジャックの感想だ。


「という訳で、大会に向けてしばらくは我々と同行する事になった。改めてよろしく頼む」


「今まで黙っててすまん。こちらこそよろしくお願いします」


「ます!」


俺とレイナが頭を下げた。みんな拍手で迎えてくれた。

良かったー。


「そうと決まれば、これから予選に出ないとな」


予選?

エースが言うには、大会は参加者が多く、各地で予選の真っ只中らしい。

エース達はシード権があるので、本線からの出場になるんだとさ。

なるほどね、天下一なんちゃらみたいなもんらしい。


「あたしも特訓しなきゃ!」


え?


「レイナ?お前も出んの?」


「当然!ガンナーの端くれだもーん」


レイナ、、、。

彼女は大会のパンフレットをしげしげと眺めつつ、賞品に丸を付けていた。

賞品目当てか!

何の賞品を狙っているのかは聞かないでおこう。


ワイアルの提案で明日俺達は、アミマイの北にある街で開かれている予選会に出場する事になった。

予選は何回もチャレンジ出来るらしく、ものは試しで出場してみるんだわ。


アミマイからはやや遠いらしく、昼には出る事になった。

それまでの間、俺とワイアルは主人の好意に甘えて仮眠をとらせてもらう事にした。

簡単に朝食をつまんで、着替えて寝ようとしているとレイナが部屋にやって来て、銃と装備をバタバタと準備し始めた。


「どしたの?」


「銃の練習!シェリーが付き合ってくれるの!女の子向きの扱い方を教えてくれるんだって!」


「そ、そうか。頑張って!」


「うん!じゃあ行って来るね!」


レイナはドタドタと走って来て、俺にキスをすると、また慌ただしく出て行った。

あ、あのー、カップルじゃないんですけど?

まあいいや。

自分なりの撃ち方か、、、。

俺も何か考えないとな。

あとは、昼間の戦い方だよなー。

風牙は燃費が激しいから、指輪だけじゃ厳しいしなー。

ねー?風牙!


フミィー


指で風牙が申し訳無さそうな声を出していた。

そんな事を考えつつ、俺はつかの間の眠りについた。


昼過ぎになり、俺達は明日予選会が開かれる街、ロストンへと出発した。


アミマイを通り、北へ向かう。

今日も快晴だった。

暑いのは相変わらずだが、風が気持ちいい。


だだっ広い幹線道路を馬車が進んでいた。

途中休憩を挟みつつロストンへひた走る。

道路は荷馬車が多かった。

時折保安官ともすれ違う。ハイウェイパトロールかなー。

しだいに空は、やや夕暮れに差し掛かっていた。


「あと少しでロストンだ」


御者を務めているジャックがこちらに言って来た。

今日はゆっくり寝れるかねー。


と、その時だった。

ドドドドドと蹄の音が響いた。

なんだー?


外を見ると、山の方から馬に乗った一団がこちらへ向かって来ていた。

嫌な予感がする。

マグネットが発動したか?


「しまった。狙いは俺達か!回り込まれる。相手は分からないが、戦いの準備をしろ!」


ジャックが叫んだ。


うわうわ。

ほらね、結局こうなるんだわ。

そして、馬車が停止した。


「全員出てこい!」


外から野太い声がした。

あー、めんどくさ。

とりあえず言うことに従った。

とはいえ、誰も怯えた様子は無い。

当たり前か。

こういう事には馴れているらしい。

俺達は馬車の外に出た。

服の上に布のポンチョをまとった連中が馬で馬車を取り囲んでいた。


「何者だ?」


ワイアルが尋ねた。


「見りゃ分かるだろ?盗賊だ!ガンナーだな?大会に出場するつもりなんだろう?」


「そうだ」


「そうか。ならただで帰す訳にはいかないな。あり金と銃を置いていけ。銃は高く売れるからな」


「他人には撃てない銃だと知っているだろう?」


「ああ知っているさ。だが、そんな事は関係ない」


「そうか。ならば断られる事も承知の上だろう?」


「もちろんだ。だが、断られないさ。ガンナーにはな」


「どういう事だ?」


「こういう事さ」


盗賊の頭と思われる男が、黒い筒を取り出した。

あれは!

見たことあるぞ!

列車強盗が持っていたやつだ。

こいつはマズいな。

またエラいもんが出てくるかもしれん。

やがて盗賊は筒を開けて、地面に向けて振った。


黒い光が地面を包む。

禍々しい空気に辺りが支配された。

光は収束した。


出てきたそれは、ジャリっと一歩前進した。

白い鎧に頭から爪先までが覆われていた。

元は美しい鎧だったに違いないが、所々錆や血などで汚れていた。

顔は目や口の部分しか見えていない。

人間とは思えないほど、どす黒い皮膚をした人の顔がのぞいていた。

手にはスピアのような物を握りしめていた。

魔物か?


なんだあれ?


「ダークパラディン!」


ワイアルが驚愕していた。


「何だ?」


「AからS級の討伐モンスターだ」


「マジ?ヤバいじゃん」


「そうでも無いさ。俺にまかせろ!」


エースが俺とワイアルの会話に割り込んで来た。


俺達の肩をポンと叩いて前に出る。


「ふふ。やはりそう来るか?まあ戦ってみるといい」


盗賊の頭は動揺した様子も無い。

こちらがそう動くのは予定通りみたいだ。


エースは銃を抜いた。

腰に構え、数発を叩き込んだ。

物凄いスピードだった。

しかし、、、。

ギィン、ギィン、。

パラディンの鎧は銃弾を弾いた。


「ふん。硬いな。なら、これでどうだ!」


エースは腰の逆の銃を抜いた。

グリップを握る手に炎のオーラが揺らめいた。


ドン!ドン!


パラディンが炎に包まれた。

パラディンはピクリとも動かない。

しかし、ポロリと弾丸が落ちた。

弾はまだチョロチョロと火を放っていたが、やがて消失した。

パラディンはゆっくりと首を動かした。

だからどうした?と言う感じだ。


「ば、ばかな!」


魔力の弾が効いて無い?


「気が済んだか?ただのダークパラディンじゃないぞ!この鎧はミスリル製だ。貴様のチンケな魔力で放たれた弾など効かん。言っただろう?ガンナーに抵抗の術は無い」


「く、くそ」


エースが狼狽えていた。

ワイアルは銃のグリップに手をかけたものの、手が震えて動かない。

恐怖とは違う感情にさいなまれて銃が抜けないようだ。


「さて、余興は終わりだ。死ぬか、持ち物を置いて行くか、、そうだな、女も置いて行くか?二人共なかなかの上玉じゃないか」


そう来たか。

イラッとした。

しょうがねーな。

行くかね。

俺はゆっくり前に出た。


「バカか?まだ抵抗する気か?ガンナーにはコイツは倒せないさ」


「おあいにく様。ガンナーじゃねーんだよ。まあガンナーでもあるんだがな」


「何だと?」


「バウンサーのモズだ。タイーホする」


「何?ははは。それがどうした?ただのバウンサーじゃ太刀打ち出来ないぞ?」


「残念だったな。ただのバウンサーじゃないのさ」


「ふん。ならやってみるがいい」


その余裕がムカつくぜー!

が、まだ夕方だ、太陽は沈んでいなかった。

さて、どうしたものか?

そもそも昼間の俺の強さって、この世界だとどれくらいのレベルなんだろう?

困ったな。

その時だった。

頭の中に声が響いた。

そう、雄大だが暖かみのある声だった。


《殿下!ご無沙汰しております》


よ、よう!

地の精霊王か?

どうした?


《ええ。殿下に助っ人を用意しました。殿下さえよろしければ、共に加わりたいと申しております》


はい?

助っ人?


《会うだけでも、お会いになりませんか?気に入らなければ、戻しますので》


う?

まあいいけど、誰?


《お会いになれば分かります。今からそちらへ送ります》


わかった。

助っ人か。

何?誰?何で?


そして、俺の前の地面が茶色の光を放った。

癒やされるような光だ。

大地の匂いがした。

しかし、出てきたものを見て我が目を疑った。


「何!?」


「きゃー!」


盗賊や仲間、特にレイナが驚いていたが、一番驚いたのは俺だった。


ある物を小脇に抱えたそれは、ゆっくりと俺の前まで歩いて来て、膝を折って平伏した。


「嘘だろ?」


思わず声が出た。

そう。

俺の前にいたのは、デュラハン。

抱えているのは頭。

あの時と同じ鎧に身を包んだゲイルのなれの果てだった。

デュラハンはゆっくり顔を、、上げ、っと、顔は小脇にあったが、面をあげた。

鎧の肩の紋章を指差しつつ、俺に見せた。

そこには宰相家の紋章の上に、剣で付けたようなバッテンが付けられていた。


「ゲイルか?どういう事だ?」


小脇の顔に話しかけた。

ゲイルは悲しそうな顔で何か言いたげだった。


《殿下、その者は意思の疎通は出来ますが、話せません。代わりに私めが説明します。よろしいでしょうか?》


お、おう?


地の精霊王はゲイルの顛末を語りはじめた。


ゲイルはあの時溶岩に飲まれた。

だが、デュラハンは鎧の中の魔法陣を消さない限りは消滅しない。

あの溶岩の中、最後まで生き残ったそうだ。


《彼の懇願が聞こえまして》


懇願?


《はい》


ゲイルは望んでデュラハンになった訳では無い。

あの時宰相が使った、よく分からない術でアンデッド化したんだ。

ゲイルはニールに斬られたあの時に死にたかったらしい。

力及ばず負けたんだ。そこで騎士らしく死にたかったんだとさ。

あんな男とはいえ、父である宰相よりは遥かに騎士然としていたからな。

その矜持は分からなくも無い。

しかし、デュラハンとして復活してしまった。

しかも、今度は溶岩という自然の脅威に飲まれようとしている。


《彼は、騎士として死にたいと私めに願いました。ええ、勿論自業自得だとは思いましたが、、、》


まあ自業自得だわな。

あんだけ色々悪事を働いて、最後は思うように死にたいとか、虫が良過ぎる。


《お気持ちは分かります。が、これもひとつの駒かと》


え?


《ご存知のようにデュラハンは強力です。しかも元のゲイルが猛者であるので、普通のデュラハンより遥かに強いです》


どうしろと?


《私めはゲイルに条件を出しました。殿下に召喚獣として、付き従い絶対服従を誓う事。殿下がそれを認めなかったら即消滅させる事。一度召喚獣として契約を結べば破棄出来ない事》


で?飲んだのか?


《はい。騎士としてのプライドが勝ったようで。宰相の事や自身の境遇に関してはもはや未練は無いようでして、ただただ戦いたいと、また力及ばず果てるのなら、それが本望だと申しております。ちなみに紋章へのバツ印はゲイル自身がつけました。嘘偽りは無いようです》


分かるのか?


《私め、殿下ほどではありませんが、一応精霊王の肩書きを持っております故。それくらいは》


そ、そうだったな。


《殿下、あとはご自身でお決めになられてください》


わ、分かった。


「ゲイル、あいつから話は聞いた。つまるところ騎士としての死に場所を求めているのか?」


ゲイルが頷いた。

というか、首は無いんだが。


「な、なあ、頭って首に付かないの?」


ゲイルは自分の頭を首に乗せた。

付くんかい!


が、ちょっと動いた拍子にポロリと落ちた。


「きゃっ!」


レイナが悲鳴をあげた。

付かないのか。

ホラーだな。


ゲイルは首を拾って小脇に抱えた。


「頭があった部分と脇とどっちに話しかければいいんだ?」


ゲイルの顔が困惑していた。


《どちらでも結構です殿下。首は飾りに近いので》


地の精霊王の声はゲイルにも聞こえるようで、うんうんと頷いていた。


「本当に俺に忠誠を誓うか?」


ゲイルは立ち上がって、胸の前で剣を立てた。

騎士の忠誠だ。


《騎士に二言はありません。剣を振るい、武功を立てる本分を全う出来るなら、地の果てまでも一緒に参ります。と、申しております》


「お前の罪が消える訳じゃないぞ?」


ゲイルは無い首に剣をあてがった。


《地獄に落ちるのは元より覚悟の上、ただ、許されるなら名誉の死を。と申しております》


ゲイルの目を見た。

生者のそれでは無かったが、曇りは無い。


うーん。


ま、まあ、、。


うーん。


答えが出ない。


「はっはっは。デュラハンを召喚出来るとはな。だが同じランク内のモンスターでも、パラディンとは格が違うわ!そんな首なしごときにパラディンは倒せん!」


盗賊が蔑むような笑みを浮かべた。


何故か無性に腹が立った。

ゲイルがバカにされるのは、、まあまだいいとして、ゲイルと死闘を繰り広げたニールや俺までバカにされた気がした。

いや、正直に言おう。

ぶっちゃけ技をパクった事からして、俺はゲイルを格好いいと思った瞬間があったのも事実だ。

コイツをバカにするなよ!

ゲイルを見た。

プライドを傷つけられたようで、怒っていた。


「よし。では試してみようか?コイツの強さを味わえ!」


「ふん。そんなガラクタ。何体出てきても同じだ」


「ほざいてろ!ゲイル、パラディンを倒せるか?」


ゲイルの顔が、ふん!当然だろう?という顔になった。

いつぞや見た、自信満々の顔だ。

性格はあまり変わってないようで何よりだ(苦笑)


「分かった!パラディンを倒せたら下僕にしてやる。どうだ?」


ゲイルは深く頷いた。


「よし!ゲイル!行け!」


ゲイルは剣を斜めに振り払うと、クルッと向きを変えて、パラディンに歩いて行った。


パラディンは肩をクルクル回してスピアを担ぎ、コケにするようにダラーっと構えた。

余裕の様相だ。

だ、大丈夫かな?


「ゲイル!応援はしないけど、負けんな!テメーニールより強いんだろ?」


ゲイルは小脇の頭をこちらに向けた。

笑いながら片目をパチリとやった。

自信はあるのか。

てか、絵面がこえーよ!


そのままパラディンの前まで到達した。

ゲイルは頭を地面に置いて、剣を上段に構え、片方の手でパラディンにカモンカモンとやり、そのまま両手で剣を握った。


パラディンは足を踏み鳴らし、ややお怒りのご様子だった。

挑発合戦はゲイルの勝ちか。

パラディンはスピアを大きく回すと中段に構え、地面を蹴った。

空気が向かって来るくらいの震えがあった。

パラディンが突撃して来た。

ゲイルは動かない。


間髪入れずにパラディンのスピアがゲイルを貫いた。


わ!?

弱っ!


だがゲイルの身体は残像を残して消えた。

刹那、パラディンの背後にゲイルが現れた。

出た!

ゲイルシフト!


ザン!


ゲイルの斬撃にパラディンの首が飛んだ。

あ、、、勝った。

ゲイルはパラディンの胴体を手で押し倒した。

パラディンは黒煙のようなものを吹いて消滅した。

ゲイルはそのまま盗賊に向き直り、両手を広げ、ややおどけた調子で、どうだ?とやっていた。


「ププ、ウケる、あのデュラハンお茶目!」


レイナが吹いていた。


てか、ミスリルの鎧じゃないの?

あっさり首ごと逝ったけど?


《えーとですね。ゲイルには私めの力を分け与えました。剣も鎧もランド王国特産のミスリル製にしてあります》


マジか!

何て豪華な!


「な!一瞬だと!?化け物か!ひ、ひいー、に、逃げろ!殺されるぞー!」


盗賊達は馬の首を返して一目散に逃げ出した。

化け物か!って!

化け物だ!


ゲイルがこちらを向いて、親指で盗賊をチョイチョイと指し、どうするのか?とゼスチャーで問いかけて来た。


「ああ、いいよ。取りあえず戻って来い」


ゲイルが自分の首を拾ってイソイソと戻って来た。

首と剣を丁寧に地面に置くと、膝を付いて土下座した。


うーん。

こうも簡単に土下座するかー。

時折見せる相変わらずな性格はともかくとして、覚悟と強さと平身低頭の誠意は伝わったな。


しゃーねー。


「いいだろう。付いて来るか?」


地面に置かれたゲイルの顔がパッと輝いた。

生きていた頃には見たことのない、少年のような笑顔だった。


くっそー。

爽やかにキャラ転換しやがって!

首なしのホラーのくせに!


「悪行三昧した罰として、こき使ってやるからな!」


ゲイルの首は一層笑顔になった。

いいんだ!?

ドMか?


《決まりですね。では契約完了です。殿下達の場合、モンスターから望んでの契約ですので、特に殿下に課される条件はありません》


そ、そうか、よく分からないが。

まあいいや。

あ、一つお願いがあるんだが?


《何でしょう?》


ゲイルの鎧をランド王国の色と紋章、茶色にしてくれない?あと、ドラゴンライドにあった、燻した金色のマント。

それから、ピンクに白い縁取りで、平仮名のファンシー系の丸字で【でゅらはん】って書いて、その後にハートマークの付いたステッカーをところどころに貼ろう!


《わ、わかりました。お安いご用です》


ゲイルが光に包まれた。

やがて、やや高貴さと面白さを兼ね備えたデュラハンが現れた。


「やーん!かわいい!」


レイナが反応した。

これなら首が無くても見慣れたら可愛く見えるだろう。

ゲイルはと言うと、頭を掲げて自分の身体に向け、しげしげとどうなったかを確認していた。

やがてこちらを向いて、手でピースを作った。


あ、そ、気に入ったのね。


《ありがとうございます。何より一番嬉しいのはランド王国の紋章を再び背負える事です。と申しております。では私めはこれで》


おう。

ありがとうなー。


「オ、オズ、お取り込み中悪いが、説明してくれるか?」


ワイアルが声をかけて来た。

あー、すっかり忘れていたよ。


「えーっと、紹介しよう。俺の召喚魔獣、デュラハンのゲイルだ。性格はアレだがご覧のように強いぞ!ついでに俺の言うことには絶対服従だ。な?ゲイル!逆立ちしてみ?」


ゲイルは器用に逆立ちをして見せた。

ワイアル達はひっくり返らんばかりに驚いていた。


「ウケるー!ゲイルっち!あたしレイナ!よろしくねー!」


逆立ちをしたゲイルがガタガタと崩れ落ちた。

こっちを向いた顔が目をパチパチさせて驚いている。

照れているようにも見えた。

流石にゲイルっちなどと言われるとは思っていなかったようだ。

レイナにかかると凶悪なアンデッドも形無しだな。


他のみんなも挨拶をした。

ゲイルは一人一人丁寧に頭を下げ、両手で握手をしていた。

ふふ。随分変わったもんだ。


その後は馬車を走らせて、無事ロストンに到着した。


レイナはゲイルに興味津々らしく、街に着くまではゲイルを出しておいた。

ゲイルの首を膝に置いて頭をナデナデしているレイナ。

レイナの無邪気に当てられたのか、目を白黒させているゲイル。

いい玩具が出来たな。


過去を水に流すと言う訳にはいかんが、まあよろしく頼むわ!


目を瞑ったゲイルの顔から涙が一滴零れ落ちた。


はは。

何はともあれ、召喚獣を手に入れたぜー。

とんでもない曰わく付きの代物だけどなー!(苦笑)

読んで頂きまして、ありがとうございました。


えーっと(笑)


ぶっちゃけオズには正式な召喚獣を付けようと思っていました。

本人も欲しがっていましたし。


デュラハンのゲイルは、どういう立場であれ、後々再登場させようと思っていました。

当初はオズに、銃で鎧ごと魔法陣を撃ち抜かせるという倒し方のシナリオでした。だから骨董市で銃を手に入れさせたんです。それを採用しなかったのが、作者の複雑な想いの表れです。


両者の思惑が地の精霊王の計らいで実現した訳です。


作者としては迷いもありました。

ゲイルは生前、お世話にも誉められるような人間ではありませんでしたから。


ただ、オズの言うように、騎士としての矜持は持っているようでした。


まあゲイルの想いも分からなくはありません。


作者の気持ちも、オズの気持ちもタイトル通りです。


皆さんはいかがでしょうか?


ではまた次回!

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