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第八十三話「真昼の決闘?」

こんばんは、作者です。


さあ、早速ピンチの主人公!


無事合格出来るのか?


それでは本編どうぞ。

わーん!(泣)


弾が、、、、。

と、取れないよう。

焦ったからか、手が上手く動かない。

アチッ!

弾熱い!


ビー!


嘘ー!

ブザーが鳴った。

一発しか撃てなかったよ!的には当たっていたけど、端っこだった。

ガーン!

どーしよー!

トボトボとレイナの所へ戻った。

他の受験者は、俺達の銃がもっと見たかったのか、がっかりした顔をしていた。

す、すいません。

あ、ちょっと通ります。

人をかき分け、レイナの所へ戻った。


「ドンマイ!」


「トホホ」


レイナが肩に手をかけて励ましてくれたが、最後の試験で挽回するしかないな。


その後も、他の受験者の試験は続いていた。

レイナは予習に念を入れていた。

足を組んで、教本を見ていた。

フトモモ!

って、そんな事言ってる場合じゃないな。


「レイナ、最後の試験って何?」


「最後のはねえ、実戦形式の試験、ほらあそこ」


レイナが指で指した場所。今いる所から離れた遠くに、街みたいな建物群が見えた。

あそこの中で、動く的を相手に射撃をするんだとさ。


あー、動く的かー。

またジャムったら一巻の終わりだな。

やっぱりちゃんと撃たないとこうなるんだな。

そう、例えば実銃だと、映画みたいに横にして撃ったらジャムるのよ。

後はブローバックは上に反動を逃がしてもジャムる。難しいな。

オモチャとは違うや。

思考を巡らせていると、試験が終了したようだ。


「はい。終了です。珍しく、足を撃つ人はいませんでしたね。では最後の試験に移りましょう」


俺達はゾロゾロと次の試験場へ移った。


「では最後の試験です。まず皆さんにこの弾をくばります」


ジャックは一ダース分の弾を受験者に配った。


「このエリアでは、この弾以外は発射出来ないように制御されています。この弾を使って、最終試験をやりますよー」


最終試験はこうだ。

制限時間は10分。

イミテーションの街の中にはボランティアのガンナーがいる。

その人達と撃ち合いをする訳だ。

最後まで被弾しないと高得点。

ガンナーを全滅させても高得点。

被弾したら試験終了。

魔法は銃には使ってもいいが、攻撃魔法で直接アタックするのは禁止。

剣などでの攻撃も禁止。

だそうだ。

ちなみに弾は、殺傷力の無い模擬弾だそうだ。


「以上がルールです。あ、この試験には私も敵役として参加します。私を倒したら高得点ですからねー、当落線上にいる人達はがんばってくださいねー」


そう。

先ほど、合否が危ない人達の受験番号が発表された。

はい、俺も入っていましたけど何か?


「オズ!落ちたら別れるから!がんばってダーリン」


「お、おう!がんばるよハニー」


もはやツッコむ余裕は無かった。

言ったレイナのほうが目を白黒させて照れていた。

その姿はとても可愛いけど、ニタニタしている場合じゃない!


そして、試験が始まった。

最初の人は、早撃ちで、そこそこの得点を出した人だった。

その人は制限時間いっぱいまで戦って、街から出てきた。

他の受験者が声をかけた。


「すごいねー」


「いやー、逃げ回っていただけです。反撃なんて、とても、とても」


なるほど、やはり現役のガンナーは強敵らしい。


頑張らないと。

その人曰わく、街の中には10人くらいのガンナーが潜んでいるらしい。


こえーよ!

膝がガクガクします。


その後も試験は進んだ。

ホクホク顔で出てくる人、開始一分も持たずにうなだれて出てくる人。

悲喜こもごもの様相がそこにはあった。


「つ、次あたしだ!」


レイナはさすがに緊張していた。


「人の事は言えないけど、がんばって!」


「うん!ありがとう。じゃあ行ってくるね!」


レイナが肩を上下させて、自らをリラックスさせるように歩いて行った。


試験が始まったようだ。


パンパンと数発の銃声が響いていた。


うー、大丈夫かなー?

五分くらいたったか、レイナが出てきた。


「撃たれちゃった」


レイナは舌をペロリと出した。


「何人か倒した?」


「二人ー!」


「マジで!どうやって?」


「えっとね、面と向かって撃ち合ったら勝ち目が無いから、じっとしている相手を探して、大回りして、ちょっと離れた所から撃ったの。三人目を探している途中で、見つかって撃たれちゃったんだけどね」


スナイパーみたいだ。

レイナの射撃は正確だが、正面から対峙したら、ガンナーにはかなわないだろうからな。

凄い!

やっぱりこいつは賢いんだな。


「さあ、次は俺の番だな」


「ファイト!」


「おう!行ってきます」


俺は銃を片手に模擬街へ向かった。

空は青く、高く、白い雲が泳いでいた。

遠くでセミみたいな虫の鳴き声が聞こえた。

街は陽炎が揺れていた。

うわ!映画みたい。

真昼の決闘だっけ?

デンデレレーン、デレレレー。

バンジョーの音はしなかったけど、、、。

人気の無い道路に、枯れ草がサラサラと流れて行った。


ブザーが鳴った。


雰囲気たっぷりだな。

うだるような太陽の下を俺の短い影が進む。


パン!


音がした。


いきなりかよ!

と考える間も無く、風の障壁の一撫でが弾丸を払った。

そう。こうなったら本気だ。

持てる力を全部使おう!


「嘘だろ!」


あ、声が聞こえたぞ!

俺はその方向へ向けて蛇行しつつ走る。

バーを模した建物内から声はした。

中は暗くて見えない。

しかーし。

暗いって事はアイツらが使えるな。


精霊ちゃん!


《ヨンダ!ヨンダ!オズヨンダ!》


闇の精霊ちゃん達、中にいる男の場所をおせーて。

時間が無いから、遊びはなしね!


《ハーイ!ジカンナイ!テミジカー、アタシタチイイコー!オトコ、カウンターノシタ、ミギノマドカラマルミエー》


なーる。

てかお利口さんだな。

昼だからか?


《キャッキャッ!オリコウ!ホメラレター、オズガンバレー!》


よし、俺はバーの入り口に影を作りつつ、右側の窓の下へ移動した。

影を中へ進ませる。


ガタン!

パンパン!


中で音がした。

今だ、俺は立ち上がって中を見る。

カウンター内でガンナーと見られる男が立って、入り口に銃を向けていた。


俺は窓越しに一発お見舞いした。


「ぐあっ!ひ、ヒット!お見事だ。くそー、確かに入り口から影が見えたのに」


ふふふ。

それは幻だ。

次行くぞ!


路地裏でもう一人。

闇の精霊ちゃんの陽動に引っかかったヤツを、撃った。


《メイチュウ!ア、ダレカクルヨー》


そうか、ありがとう。

地の精霊を使って、壁を登る。

銃声を聞きつけて走って来た男を頭上から一発。

まさか壁にくっついて立ってるとは思わなかったようで、男は口をあんぐり開けて


「ヒ、ヒット!精霊使いかー!やるじゃん!迂闊だった」


と、苦笑していた。


よし!

これで三人!


俺は教会に移動した。

カイロスの指輪も、短剣の力もフル稼働だ。

なりふり構っていられないからねー。

落ちたらアーク達に笑われちゃう。


幸い、教会の中には誰もいなかった。

塔を登り、鐘の無い鐘楼へ到達、、、。

おや、人の気配がする。

俺はちょっとインチキして、カードを使っていた。

い、一応魔法なんだからいいじゃんねっ!

誰がいるにせよ俺には気付いてないだろう。

そう、空気の生徒のカードだ。

採掘場でシルフィーと再会した時のヤツだな。


鐘楼への階段を抜けると、ガンナーが座り込んでいた。

バレルの長い銃を持っていた。

射程の長い銃だな。

俺を狙撃するつもりだったんだろう。


ゆっくり背後から近づいた。


ゴッって後頭部に銃を突きつけた。


「ヒットでいいだろ?」


「な!?気配がまったく!いつの間に?わ、わかった。ヒット!」


「じゃあな、この場所は俺がもらう」


俺の言葉にガンナーはニヤリと笑った


「素人とは思えないな。ああ、好きに使え、風は右から左だ。二時の方向から吹いている。完全に背後をとらわれたからな。降参のしるしだ」


ガンナーは、狙撃に必要な情報をくれて降りて行った。


そこから風に乗せて狙撃した。

通常より遠くまで届く。

二発で二人。

レイナの発想と風の力が無かったら出来ない芸等だな。


ありがとうねー!


風の精霊ちゃん達が耳をくすぐって来た。


こ、こら!

やめなさいってば!


その時だ。

銃弾が耳元をかすめた。


うおっ!アブねー!


ど、どこからだろう。


続けざまに二発来た。


カシン、カシンと鐘楼の柱に当たっていた。


ヒー!


ここは危ないな!

撤退!

俺は急いで階段を降りた。

教会の中、吹き抜けの回廊に入った瞬間、銃声が響いた。

それは読んでいたぜー。

俺は吹き抜けの窓をぶち破って外に飛んだ。


大丈夫なのかって?

結構丈夫なんだよ。

ほらこの世界に来たての頃、ジャンプして落下しても生きていたじゃんか!


風の力を使って緩やかに着地した。

教会の左側面に到着したのか。

その時だった。

正面の角を曲がってガンナーがやって来た。

ガンナーは立ち止まって、驚きの声をあげた。


「な!この高さから落ちて何とも無いのか!くっ!」


ジャックだった。

銅板のような物で装飾が施されているアンティーク調の銃を手にしていた。

われに返った様に、銃をこちらに向ける。


甘い!

びっくりしてただけ時間が稼げたぜー!


食らえ!

地の精霊術。

【ナメークバスター】

地面からおびただしい量の砂埃が舞い上がった。

え?それだけだって?

そう、ホコリを巻き上げるだけの技だ。

攻撃魔法は禁止だからね。

緑色の人が、地球にやって来た野菜関係の宇宙人の弱虫なお兄ちゃんにやったヤツだ。


「うわっ!」


ジャックがたじろいだ。


俺はジャックに向けて二発撃った。

二発目の終わりにガキンと音がして、フレームがオープンになった。

弾切れだ。

だがジャックはかろうじてかわし、壁に隠れたようだ。


やがて、壁からジャックが出てきた。

ゆっくりと歩いて来る。


「弾切れかな?ガンナーを目指すなら残弾には常に注意しないといけないよ。あと少しでタイムアップで、合格だったのに」


ジャックがそう言いながら銃を向けた。


うん。

確かに弾切れだ。

リヴォルヴァーなら、専用のローダーを使わないと、再装填出来ないな。

けど。

忘れてるよジャック。

さっき言ったろう?

俺はイジェクトボタンを押しつつ、腰から予備のマガジンを抜いた。

空のマガジンが銃から抜け、地面に落ちると同時に、予備のマガジンを叩き込んで、スライドストップを押した。


ジャキッ!


スライドが戻る。


ジャックは先程の会話を思い出したようだ。

目を見開いていた。


ドン!


ドン!


同時に俺とジャックの銃が火を吹いた。


パン。


肩に軽い衝撃が走った。

あ、撃たれた!

痛みは無い。

レイナにもくっついていた魔法の塗料が光っていた。

被弾した印だそうだ。

ちなみに時間が経つと自動的に消える。


俺の弾はどうなった?

ジャックを見た。

ジャックの胸に塗料が付着していた。

彼は自分の胸と俺の銃を見比べつつ、驚きの表情を作っていた。


ややあって、ジャックは苦笑の表情に変わった。


「何年ぶりだろう。受験者に撃たれるなんて」


ビー!


終了のブザーが鳴った。


ジャックはこちらに歩いて来た。

彼が手を差し出した。


「まいったよ。俺を倒したから得点はブッチギリだよ。俺はジャック・スターリオン。ようこそガンナー協会へ。凄いルーキーが入って来たもんだ。歓迎するよ」


「あ、ああ。モズだ。モズ・テイラーだ。よろしく」


「モズか。テイラーという名字か。ふふ」



「ああ、変わった名前ですまん。そうだ!レイナは?」


「レイナ?ああ、君の彼女か。あの子も合格だよ。筆記は満点。その後もコツコツと着実に加点したからね」


「そうかー!やったー!」


「はは。俺が受験した時を思い出すよ」


「口調が変わって無いか?」


「え?ああ、さっきはすまん。君の彼女だとは知らなくて。あれはナンパの手段でな」


「そうなんだ」


「悪かった。さあ、みんなの所に戻って。まだ俺は試験があるからな。試験が終わったら、合否の発表まで別室で待っていてくれ。色々手続きもあるからな。そうそう、気が向いたらガンナー協会を訪ねてくれ。冒険屋にもパーティーがあるように、ガンナーにもパーティーがあるんだ。俺はロイヤル・ストレート・フラッシュっていうチームにいる。ジャックだからな」


「なーるほど。わかったよ、訪ねてみるよ」


「ああ。待ってるよ。いやー今日の試験は楽しかったー」


ジャックは嬉しそうに笑っていた。

意外にいいヤツか?

ちょっとジョニーを思い出した。


俺はジャックと別れるとレイナの所へ戻った。

レイナは心配そうな顔で待っていた。

彼女にジャックを撃った話をした。

ついでに俺とレイナが合格な事も。


「ほんと?ほんと?オズ、すごーい!よかったー、ほんとによかったー。あたしだけ受かってもつまんないと思って」


レイナは素の面もちで、心底ホッとして、俺の合格を喜んでくれた。

正直意外な反応だった。


「わー!やったー!二人とも合格ー!」


とか言うかと思ってたからな。

うーん、レイナに対しての評価と好感度がドンドン上昇していくな。


やがて試験は終了した。

俺達はジャックの言うとおり、別室で結果を待っていた。

教室みたいな部屋だった。


ほどなくして、書類を抱えたジャックと、職員らしき人が入って来た。


「お待たせしました。では結果の発表をします」


受験票順に呼ばれるらしい。

まず一人目、そう毎度のアベレージマンが呼ばれた。


合格だった。

ジャックはアベレージマンに、試験中に気になった点をアドバイスしていた。


次々と名前が呼ばれた。

喜ぶ人、ガックリ膝を付く人。

試験はどこでもこうだな。

感心したのはジャックだ。

合否に関係無く、一人一人に丁寧なアドバイスをしていた。

全員の事をちゃんと見ていた証拠だな。

アフターケア、、というか、彼のガンナーという仕事への愛着と誇りを感じた。

呼ばれた人は退室して行った。

半分くらいになったかな。


レイナが呼ばれた。

彼女はスキップするように走って行った。

カワイイなーアイツは。

もちろん合格だった。


ジャックは身振り手振りを交えて彼女にアドバイスしていた。

どうやら銃の抜き方と射撃ポジションへの速やかな移行の仕方を教えているようだった。

彼女の弱点はそこだからな。

レイナは真剣な表情で耳を傾けつつ、コクコクと頷いていた。


次は俺だった。


「お待たせ。もちろん合格だよ。おめでとう」


「ありがとう」


「君へのアドバイスは特に無いが、強いて言うなら銃口がやや下を向いている点が気になるな。慣れた感じで構えているが、普段の銃と今持っている物は違うのかな?今のを使うなら、重さの違いを意識して、早く慣れるようにしたほうがいいね。射撃にバラつきがあるのはそのせいだと思うよ」


流石!

仰る通り、普段はオモチャばっか持ってるから、力の加減が難しくて、銃口がフラフラするんだよねー。


「ありがとう!」


「これからがスタートだからね、頑張って」


俺はジャックに返事を返すと部屋を出た。


レイナが待っていた。


「やったー!」


彼女が抱きついて来た。

今度は予想通りだった。

正直、悪い気持ちはしなかった。


その後はギルドの時と同じだった。

受験者用のカウンターに行って、身分証を作った。

名前は好きな様に登録出来たから、モズとレイナで登録した。

そして、ガンナーバッヂを手に入れた。

うへへ。

銀色のバッヂだった。

月桂樹のマークの中に、五角形の星が浮かんでいるような品物だった。

何故か小さな銃弾が突き刺さっているような装飾がされていた。


「撃たれてるって縁起悪くない?」


レイナが腑に落ちない顔をして言った。


「逆ですよ」


受付のお姉さんが声を掛けて来た。


「え?」


「ガンナー制度の前身は保安官達がボランティアで始めた、地域への奉仕活動だったんです。やがて一般人の有志や冒険屋達が集まり、ボランティア活動の団体が出来て、治安維持の助けや、銃を使っての曲撃ちみたいな娯楽活動を始めました。それから紆余曲折を経て、今のような形になったんですよ。話が逸れましたが、保安官バッヂは、劇や本みたいな話ですが、時として、奇跡的に保安官を守る事があります」


「あれか、弾がバッヂに当たって跳ね返るとか?」


「ええ!仰る通りです。バッヂはミスリルで出来ていますので。稀に幸運の女神が振り向いてくれて、撃たれても死ななかったりするんです。そんな風に、ガンナーの身を守って欲しいという願いを込めて、こんなデザインになっているんです」


「なーるほど!」


「そっかー!」


納得しました。


仕事の受け方等々は今聞くか、後でガンナー協会で聞くかどちらでも良かったので、後で聞く事にした。


だって、お腹空いたよ。


魔力を使ったから、俺もレイナもお腹ペコペコだった。


俺達はガンセンターの側にあるレストランでご飯を食べた。

【ダイナーズ】という名前のチェーン店で、ピザやパスタがバイキング形式で食べ放題の店だった。

食いまくるぞー!


俺達のテーブルには色とりどりのピザやパスタが並んだ。

昼過ぎの時刻だけど、ちょっとお祝いがてらお酒で乾杯した。


「乾杯!」


「乾杯、えへへ」


とりあえず、銃やハリウッドジャムの件は忘れて、素直に嬉しかった。

なんか成長している実感がしたのさ。


食いまくった!


トマトソースの付いたバッヂが二人の胸に誇らしげに光っていた。

読んで頂きまして、ありがとうございました。


なんとか合格出来ましたね。


レイナはやはり余裕を持っての合格でした。


オズは何でしょう?試験ギリギリで力を出すタイプなんでしょうか?


ま、合格出来たんで、褒めてやってください。

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