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第七十六話「美女と銃声」

こんばんは、作者です。


昨日はやっとこさ連載できましたが、今日は少しは余裕を持っての執筆です。


それでは本編どうぞー!

翌朝、アーク達が部屋へ来てくれたから、彼らには長官の所へ行って作戦会議を頼んだ。


結局もう少し寝てていいと言われたから、昼前まで寝てしまったよ。


さてと、そろそろ起きなきゃだな。

シルフィー達は旅立ったかなー。

と思いながらも、寝返りを、、、。

いきなり耳元でやかましいロックが鳴り響いた。

な、なんだあ!?


「腐れ野郎。起きろ!昼になるぞ」


見るとモトユキが立っていた。


「お、、おはよう」


「おはよう。寝ている間にコアに昨日の曲をダウンロードしてやったぞ。あと朝飯のサンドイッチだ」


モトユキはあの店の紙袋に入ったサンドイッチをくれると、二三小言を行って帰っていった。


何しに来たんだ。


《べ、別にパン屋に来たついでじゃないからな!》


はいはい。作用でございますか。


《べ、別にピーチ姉さんのサインをもらいに来た訳じゃないからな!》


はいはい。


《それと、シルフィーちゃん達はさっきベネーリアに向けて立った。よろしく言ってくれと言われたぞ》


ぶっ!

あ、会ったのか?


《当然だ!Tシャツのおかげで面は割れているからな。多少驚かれたが、お前の常識外の力で耐性が出来ているようでな、話は早かったぞ》


く、くそー!


《それより言いつけを守れよ!迂闊なヤツめ!じゃあな!》


は、はいはい。


ふらふらと眠い目をこすり、シャワーを浴び、身支度を整えて下へ降りた。

フロントまで来た時、レイナが現れた。

白いカットソーにフレアミニ。

ミュール。大きなサングラスを片手に持っていた。

チャラいなー。


「おはー!待ってたのよ!」


「レイナ?」


「アークとマックがねー、うちのチームで魔法のスペシャリストはあたしだから、一応オズに付いて行けって言うから、それにあたし、難しい話嫌いだしー」


なるほど。


「そ、そうか、じゃあ行くか?」


「はーい!」


俺はニタニタしているデニスを軽くシカトしつつ、ホテルを出た。

今日も快晴だ。

暑いー!

見通しのいい場所まで歩いて行く。


「ち、ちょっと、モズ?馬車は?馬車借りようよー、暑いよー!」


レイナは泣き言を言っていた。

もちろん歩いていくつもりはない。

目的地はビルから教えてもらった所。

街の丘付近だった。

歩くには遠すぎる。


俺は車を出し、、じゃなかった。


さっきモトユキに、気安く車を使うなと怒られた。


「ランド王国でならいざ知らず、ここで使って、身元がバレたらビルさんに迷惑がかかるだろうアホが!」


だそうだ。

仰る通りで。

その代わり置いて行ってくれたものがあった。


それを出した。

ジャジャーン!


「わっ!何これ?犬?」


「違うわ!」


それは黒色のフレームがむき出しになったような車体。丸いヘッドライトが二つ。わずかにローダウンされた車高。太いタイヤが二つ付いていた。

もちろん犬じゃないよ。

名前はドギーっていうけどね。

そう、モトユキの私物。

レーグレーシングファクトリー製の軍用原付バイクだ。

軍用なのでライフルホルダーが付いていたが、傘がささっている。

あとはクロームメッキパーツなどでドレスアップされていた。

RX78とか、某連邦軍のマークのステッカーが貼ってあって恥ずかしい。


《うっせ!》


シカトしよう。


ちなみにこれも原動機は車と同じ仕組みだ。

二人乗りだよー。


「犬じゃないの?確かに生き物には見えないけど。な、何これ?」


「乗り物ー!」


「嘘でしょ?てかどうやって乗るの?」


「またがるの」


「馬みたいに?」


「そう、ほらほら早く」


レイナは足を開いてバイクにまたがった。


やや鋭角に食い込んだブルーのパンツが丸見えだった。

うへへ。

体型の割にお尻おっきいなーレイナ。

柔らかそー、触りたーい!


「ね、ねえ?すごくいやらしい格好じゃないこれ?あたしを騙した?変な妄想してエロいオカズに使うんじゃないでしょうねー!!」


レイナはもじもじとスカートを椅子に挟み直しつつ、怒っていた。

と、とんでもない。

てか、どっからそんな言葉を覚えて来るんだかコイツは。

お前のほうがエロいわ!


とりあえず、コアをつないで音楽をかけた。

コアホルダーも付いているんだぜー。


「わ!わ!音楽かかったー!素敵ー!」


レイナは足をバタバタしてはしゃいでいた。


俺もバイクにまたがってセルを回した。

ドッドッドッとエンジンがかかった。


「わ!動いた。振動がするー!アーン。やっぱりエロい!」


「違うわー!お前の発想がエロいんじゃ!」


「ふふふー。スケベー」


サングラス越しのレイナの目が丸く細くなっていた。

こ、こいつは!


「レイナ、俺に抱きついてないと落ちるよ!」


「本当?嘘じゃないでしょうねー!こ、こう?」


レイナは俺に抱きついた。

胸がー!胸がー!

うへへ。

後ろから頭叩かれた。


「スケベー!」


「と、とにかく行くぞ」


「はーい」


バイクは久しぶりだった。

ちょっとウイリー、しかけつつスタートした(汗)


「きゃー!動いたー!走ってるー!」


バックミラーに大喜びのレイナが映っていた。

ゆるふわの髪がはためいている。

ちょっと怖いのか、ギュッと抱きついて来るレイナ。

あ、やべ、可愛い!


「ふふふー、よく分からないけど、前見たほうがいいんじゃない?」


やべー!

気付かれてるー!


俺は運転と音楽と、背中に当たる柔らかい感触に集中した。


「風になるー!風ー!気持ちいいー!」


レイナの跳ねるような歓声を聞きつつ俺は丘の近くにある目的地へ向かった。

馬車の渋滞をすり抜けるドギー。

物珍しそうな視線を浴びる。

この方が目立つんじゃね?(汗)


「馬に乗ってデートしたの思い出すー」


「乗馬デートかー。いいねー。てかレイナ彼氏いるの?」


「ふふ気になる?」


「どーしてそういう風にとるかねー?」


「彼氏みたいなのはいっぱいいるよ」


おいおい、ビッチ発言かよ!


「はあ?」


「デートしたり、ご飯行ったり、いい雰囲気になったらエッチしたりするのならいる」


「お前なー!それは彼氏」


「彼氏って言わないよねー。知ってるよ」


バックミラーのレイナはちょっと顔に陰を作った。


「そうか、ホントの彼氏いらないの?」


「さあ、、知らない!」


「なんだそれ?」


「あははー、欲しいよ!あたしみたいなのでも、、、、けどモズ、、、、ならいいな、あの時も、、、、って知ってるんだから!」


風でよく聞こえなかった。


「え?」


「なんでもなーい!」


レイナは繰り返してはくれなかった。

ま、いいか。

しっかし、レイナはよく分からないな。

トッドはビッチなレイナを知ってんのかなあ。


たっぷりと胸、、運転を楽しんだ後、目的地に到着した。


「着いたー!」


「ここ?何する所?」


「わかんね!」


「ちょっと!」


俺も知らないんだよ。

ビルに行けと言われて来たんだからさ。


そこはフェンスが張られた一帯だった。

美術館みたいな建物と、テニススクールに似た施設が建っていた。


時折、ターン!ターン!と音が聞こえた。

銃声かな?


とにかく俺達はビルに教えられた人物を訪ねる事にした。


テニスコートみたいな建物には【アミマイ市立ガンセンター】と書いてあった。

やっぱり銃関連の施設なんだー。

レイナと二人で入って行った。


中はギルドみたいだった。

いかついカウボーイ姿の男達がうろついていた。

ちらほら女の子も見える。

みな一様に腰や胸に銃を携帯していた。


「いやーん。格好いいー!」


レイナがウキウキしている。

こいつが何か言うと、全部いやらしく聞こえるな。


俺達は受付に行った。

受付には事務員のような男性が座っていた。


「あのー」


「はい。いかがされました?」


「ヘンリーさんに会いたいんですけど」


「あー、またですか。無理ですよ」


何がまたなんだろう。


「ビル、、ベイツ長官に紹介されて来たんですが?」


「え?あ、そ、そうでしたか。失礼しました。物見遊山でヘンリーさんに会いに来る人が絶えなくて。まあ、それでも会えるかどうか。ヘンリーさんなら隣の博物館にいると思いますよ。とにかく行ってみられますか?」


「は、はい」


噂通りか、偏屈な人みたいだな。

人嫌いなのかなー。

恥ずかしがり屋さんなのかなっ!


とりあえず、俺達は言われた通り、隣の博物館へ向かった。


博物館の中は、銃に関しての資料や展示品がいっぱいだった。

成り立ちから歴史。

有名なガンマンや保安官の装備品、愛用の銃などが逸話とともに展示されていた。

ほわー、格好いいなー。


何々?この保安官は強盗10人を一人で倒した。

すげー。


えっと、、このガンマン、、ガンナーって書いてあるな。ガンナーって何だ?


このガンマンはガンナーコンテスト三連覇したのかー。

ガンナーコンテストって何だよ?


「いいなあ。こういう男臭いの嫌いじゃないなー」


「そうなの?」


「うん。ワイルドに迫られるとかさー」


そっちかよ!


下らない話をしながら一階を回り、二階へと向かった。

結構広いな、ヘンリーはどこにいるんだろう?


博物館の中は観光ツアーみたいな客や子供連れがちらほら見えた。

それらしき人はいなかった。

やがて、二階の奥までたどり着いた。

その部屋は他の場所とは違った。

豪華な造りの部屋だった。

警備員が部屋の入り口にいる。

レイナと恐々入った。


そこは、やや青がかったライトに照らされた空間だった。

中央に円錐状のガラスケースが見えた。


ガラスケースに近寄った。

一丁の銃がケースの中に浮かんでいた。

これは!


ケースには名前が掘ってあった。


【最初の銃・エボニー】


黒く光る銃。

綺麗な装飾が施されていた。

ツタ?シダ?

何か草をモチーフにしたような紋様だった。

全ての銃はこれを始祖として作られてるとか何とか説明書きがあった。


「何これー?何?何?これも銃なのー?キレーイ」


レイナは見とれていた。

確かに綺麗な銃だった。


「帰れ!ここは貴様等みたいな者達が遊びに来る所じゃない!」


怒気を含んだ声がした。

振り返った先には、作業服みたいなモノを着た、髭面のおっさんがいた。


「え?俺達の事?」


「そうだ!デートに来るような場所じゃない!帰りやがれ!」


おいおい、随分な物言いだな。


「えへへ、モズ。カップルに見えるみたいよ、あたし達ー!」


レイナは意に介した様子は無い。

強いな。KYとも言うが。


「聞こえないのか?ぐだぐだ抜かしやがって、馬鹿野郎共が!」


「い、いえ、ビルに紹介されて来たんですけど俺達。もしかしてヘンリーさん?」


「あぁ?ビルに?それがどうした?確かに俺がヘンリーだ!だが貴様等なんかに用は無い!話は以上だ!帰れ!」


とりつく島もないな。

ビルはそれだけ言うと背を向けて歩き出した。


ぬー、どうしよう、、、。

あ、そうだ!


「ブローバック!」


ヘンリーが立ち止まった。


「ああ?何だって。若い奴らの隠語か?死にたいのか貴様、バカか?」


「バカはあんただ。この銃はブローバック方式という仕組みで、弾丸が発射される。リヴォルヴァーとは違うんだろう?」


「な!?貴様、、いや、あんた、、今何と?」


「ヘンリー。その名前を今まで忘れていたけど、あんたが銃の生みの親のヘンリーか?」


「い、いや。俺の曾祖父だ。俺達一家は代々ヘンリーを名乗って来た。あんた、この銃の発射機構がわかるのか?」


わかるよ。

エボニーはリヴォルヴァーのような回転式の銃じゃなかった。

現代のと多少形は違い、よく言えばアニメに出てくるようにドレスアップされているが、これは紛れも無く、現代ではリヴォルヴァーに取って代わったブローバック方式の銃だった。

ベースは銭形の子孫が持ってるアレ、ガバメントだな。


「ああ。これは撃鉄によって弾を叩き、火薬の力で発射すると同時に、圧力で銃身を後退させ、薬莢を廃出すると同時に下部のマガジンから次弾を再装填させ、かつ撃鉄を起こすという方式で発射される銃だ。俗にブローバック方式と呼ばれる、セミオートマチックとも言われるがな」


「ど、どうしてそれを?あんた何者だ?」


ヘンリーは先ほどとは打って変わったような表情で俺に懇願するような目を向けて来た。


何でそこまで必死になる?それに俺は一つ聞きたい事があった。


「ヘンリー、ここにあるのがエボニーだろ?」


「そうだ。最初の銃だ」


「じゃあこれがアイボリーか?」


俺は懐から、あるものを取り出した。


別に忘れていた訳じゃないんだけど。


エボニーを見るまで意識してなかった。


「あ、ああ、、、そ、それは、、、」


ヘンリーは膝から崩れ落ちた。

読んで頂きまして、ありがとうございました。


浮気じゃないですよー!それにしても、レイナがますます分からなくなってきましたねー。

どうするよオズ!


あとモトユキの恥ずかしい私物が出てきました(笑)


さて、読み通りヘンリーは気難しそうな人物でした。


ちゃんと話は聞けるんでしょうか?


そして、オズが取り出した物は何でしょう?


次回、ご期待ください。

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