第五十九話「レイナのパンチラとレイナのパンツと、、あれ?あと何だっけ?」
こんばんは、作者です。
今回の話からしばらくはトッドとレイナが主役です。
ちなみに、gun&smoke編の主題歌は、mihi○ GTの「マジカルスピー○ー」です。
ま、色々悩んでこれにしました。
何故夏の歌か?
後々わかります。
それでは本編どうぞ。
その日は、夕食もそこそこに寝たよ。
疲れたー。
アークとレイナとトッドは、呑みに行ったようだ。
若いねー。
マックは宿屋の近くのプールバーに行った。
下手なクセに。
アンジーも、すぐ寝たようだ。
寝る前に俺に紙飛行機を借りに来た。
父に手紙を書くんだとさ。
今日の部屋はみんな一人部屋だった。
翌朝、朝ご飯を済ませた俺達は、二チームに別れて行動していた。
「んだよ!何だこのチーム分け、こっちは二軍みたいじゃねーか」
トッドはふてくされて歩いていた。
ここは、リリエン近くの山の中。
リリエンのギルドの魔物討伐の依頼を受けていた。
「不満か?じゃあマックと交代するか?」
「え!?い、いや、不満な訳じゃ、えっと、う、うん、これでいいよ」
俺の言葉にレイナを見つつ、しどろもどろになるトッド。
レイナはキョトンとしていた。
「いいチーム分けだろ?トッド」
「わかったよ!わかったから、、、」
何だかんだ言いつつトッドは嬉しそうにレイナと歩く。
俺は二人のちょっと後方を歩いていた。
ウケケ。
何故こんな事になったのか?
それは朝早くに、アンジーが俺の部屋を訪ねて来て、レグルスの手紙を見せたからだ。
手紙にはカイロスからの伝言が書かれていた。
《越境手形が発行されるまでの一、二日、ギルドで依頼をこなすのじゃ。二チームに分けるように、分け方はオズに任せる。後は、、、》
後は俺への指示だった。
カイロスの根回しの良さだ、越境手形など最初から用意出来るはずだ。
何か理由があるんだろう。
俺への指示で、ピーンと来た。
朝食の時にみんなに話した。
特に依存は無いようだった。
チームは俺が分けた。
カイロスの意図を汲んだつもりだ。
チームはAチームとBチーム。
Aはアーク、アンジー、マック。Bはトッド、レイナ、俺だ。
ちなみに依頼を遂行するに当たって、カイロスからの指示に従い、各人へ制約を設定した。
アークは剣を抜かない。
アンジーは、自分で考えて行動しない。
マックは二人が違反しないように見張る。
アドバイスはするが、命令は全てアークに任せる事。
トッドは、チームの指揮をとること、レイナを怪我させないこと。
レイナは戦闘に参加すること。
俺はマックと同じ立場だ。
さて、何がしたいのか?
多分カイロスは勇者パーティーのボトムアップが目的なんだろう。
あと、弱点の気付きも。
勇者として、もう一皮向けるための学力テストみたいなもんだな。
おそらく、それぞれに課された制約から察するに、
アークには、通常時でも、リーダーシップをしっかりとる事。
アンジーは戦士として必要な、戦闘力以外の能力の成長。
マックは多分、お目付役だな。
俺が抜けた後のブレーンとしての役割を期待されているんだろう。
俺を抜きにしたら、この中で一番百戦錬磨だ。
いわゆる戦術脳にも長けているしな。
昨日のグールとの戦いでも、俺以外で一人だけ、戦況が見えていたからな。
トッドは、パーティーのメンバーとしての振る舞い方かな。
アンジーの竜人騒動や、レイナへの気遣いなど、良いところもあるが、戦闘に関しては昨日もただ闇雲に突き進むだけだった。
レイナ、レイナは何だろう、というか、戦闘に参加することって、戦えるの?
俺?
俺の課題は今更どうにもならん(苦笑)
そもそもこの世界で頑張る事が課題みたいなもんだしな。
手紙にも、お目付役以外は好きにやれと書いてあったしな。
ま、好きにやるさ。
ちなみにただチーム分けしても面白くないから、対抗戦にしてみた。
制約を破ったら負け。
依頼を未達成でも負け。
両方達成なら早い者勝ち。負けた方が次の日の食費を全部持つ。
気合いが入るな。
受けた依頼は両チームとも、似たようなランクの魔物討伐だ。
ちなみに俺達Bチームは、森でダークホーンラビットの討伐だ。
ホーンラビットより2ランク上の魔物だった。
そして、今俺達は山道を歩いているんだわ。
ダークホーンラビットはリリエン近郊の山中の、良質な狩場にいて、猟師が襲われる事が多いらしい。
ホーンラビットと違い凶暴で、肉も美味しく無い。
狩る労力の割りに実入りが少ないから、猟師達が困っているんだそうだ。
「この辺のはずよ」
「そ、そう、なの?」
「ちょっとー!地図見たでしょ!トッドがリーダーなんだからね。しっかりしてよー」
「わ、わかった」
トッドは血眼になって、地図を逆さにしたりクルクル回して、必死に目を通していた。
ほんと、レイナには弱いんだな。
トッドに聞いてみた。
「作戦は?」
「作戦?んなもんねえよ!探して狩る!」
「ちょっと!どうやって探すのよ!」
「あ?あ、ああ、、えっと、うーんと、モ、モズー」
小鹿のような目で俺を見るなよな。
俺はトッドにダークホーンラビットの特性を書いた用紙を見せた。
真剣に読むトッド。
「いくつか誘い出す手があるだろう?」
「んあ?ん。んん」
「どれにする?リーダー」
「リーダー」
俺達の言葉に嬉しそうに鼻の下をこするトッド。
やがて、
「これだ、木の皮の汁」
「どうしてそれにした?」
「次の候補は、動物の血の匂いを捲くってのもいいんだけど、レイナが嫌がりそうだから」
照れる事もなく、キッパリ言いやがる。
なかなか男前だな。
レイナは嬉しそうにしていた。
なかなか小悪魔だな。
そして、俺はなかなか仲間外れだな(笑)
「うふふ。じゃあ決定!」
木の樹液はダークホーンラビットの好物らしい。
ちなみにトッドがそれを選んだのにはもう一つ理由があったようだ。
トッドは腕のボウガンを射出して、木に傷を付けて行った。
これなら労力はかからない。
頭いいな。
それにしても、トッドのボウガンって、どんな仕組みなんだろう。
気になったけど、聞いても、
「うるせー」
とか言われそうで止めた(苦笑)
あ、そうだ。
俺は隣のレイナに話しかけてみた。
「ねえねえレイナ、トッドのボウガンって何?」
「え?あー、あれはねー、わかんない」
「わかんねーのか!?」
「ふふ、ごめんねー、トッドの家の地下室の宝箱に入っていたの。お父さんも知らないんだって、けどトッドが腕にはめたら、光ってね。それっきり何も起こらなかったんだけど、、、」
その後しばらくは、使い方もわからなかったらしい。けど、ある日、レイナが魔物に襲われそうになった時、彼女を守ろうとしたものの、力及ばず魔物に吹き飛ばされたトッドが、吠えた時に、見えない矢が出たんだって。
それから練習して、今に至るらしい。
「めちゃカッコ良かったんだよー」
笑うレイナ。
トッドは少し先で、木を射ていたが、耳まで赤くなっていた。
あらかた樹液の用意が終わった頃、いきなりそれは聞こえた。
「た、助けてくれー」
!?
人の悲鳴だった。
「何だ!?」
「もしかして、猟師が襲われてるのかも!」
トッドとレイナが反応して、俺を見る。
いやいや、見るなし。
「リーダーはお前だトッド」
「あ、そ、そうだった。いつもこういう時はアンジーとかマックが決めていたから、、えっと、、助けよう」
「当然ね!行っ!」
レイナがどこからともなく杖を出した。
この前も持ってたな。
どこに入れてあるんだろう?
古びていたけど、白い綺麗な杖で、紋章のような細工が施されていた。
「決まりだな、行こうぜトッド」
俺達は声のした方向へ走った。
正確にはトッドとレイナが走った(笑)
だって俺、山歩き嫌いなんだもん。
ちんたら付いて行く俺。
林をかき分け、だいたい声のした方向まで来た。
誰もいない。
「ど、どこだ?」
キョロキョロするトッド。
「モズがモタモタするからー」
腰に手を当てて怒ったフリをするレイナ。
走ったからか、ハアハア言いつつ、顔に汗が光っていた。
走っている後ろ姿は、ミニスカが眩しく揺れて、ピンクの物体がチラチラしていた。
エ、エロ過ぎる。
しょうもない事を考えていると、また悲鳴が響いた。
「た、助けてー!ここだー!」
森のちょっと奥からだった。
「あっちだ!」
俺達はまた、声のする方へ向かった。
しかしまた空振り。
するとまた悲鳴。
徐々に近づいていた。
三回目くらいで、俺は何となく、気付いちゃった。
俺だって、伊達に1000年生きてる訳じゃない。
けど、とりあえず黙っておいた。
これも勉強だな。
次の悲鳴で、俺達はたどり着いた、というか、たどり着いてしまった。
鬱蒼と茂った森の奥。
苔むした地面が広がる。
日の光もあまり当たっていないくらい、木々が高かった。
「な、なんだこれ!」
「いやー、グロいー!」
そこにあったのは、
「タスケテクレー、ココダー、コッチダー」
と叫ぶ、人の顔のような幹を持つ木だった。
人面樹ともいう、妖樹だな。
「ちっ!騙されたのか!」
「ムカつくー何この木」
「妖樹だ。特に害は無い、時たまこうやって人を騙すのさ」
「し、知ってたのかよ!」
「まあな、これも勉強だな」
「ひどーい、性格悪ーい!モズキラーイ!」
ぐっ!
ちょっと傷付いた。
「性格悪いのは、この木!俺は付き添いだから、口出ししないの!」
「むー!」
膨れて睨んで来るレイナ。
可愛い(笑)
「ふざけやがって!」
カンカンに怒ったトッドは、ドカドカと足音を立てて戻ろうとした。
しかし、何かに足を取られて転倒した。
「あはは、バカねー、木に引っかかって、、き、キャー!」
レイナが悲鳴を上げた。
俺もびっくりした。
トッドが起き上がりつつ、足をつまづいた物体を見て叫ぶ。
「う、うわあ!」
そこには、人の腕が転がっていた。
「な、何?何これ、、あっ、イヤー!」
レイナが指差した先には、腕の持ち主の死体が転がっていた。
「なんだここ、あ!あそこにも、うわっ!そこにも!」
トッドが起き上がりつつ、浮き足立った。
「ヤダー、もうヤダー!」
レイナは頭を抱えて座り込んだ。今にも泣きそうだ。
死体は至る所にあった。
なんだここ?妖樹にこんな力無いぞ!
妖樹を見た。
その人面は目を閉じて、まるで役目を終えたように黙っていた。
特に魔力も感じない。
そして、それはやって来た。
俺も迂闊だった。
誘い込まれたのか。
森の中から三人の人影が見えた。
「お?今日もニンゲンがかかったぜー」
「バカな奴らだ、猟をするのはニンゲンだけじゃないんだぜー」
「ふん。妖樹ごときに拐かされるとはな、毎度毎度、感心な事だ」
それは人じゃなかった。
二本の足で直立歩行するトカゲ。
緑色の身体に、光沢のあるウロコをまとっていた。
人型の魔物だった。
黄色く鋭い目を光らせつつ、口から舌をチョロチョロ出して、奴らはやって来た。
「て、テメーらの仕業か!」
「イヤー、トカゲ男!」
怒るトッド、ツンツン頭がさらに逆立った。そしてレイナ、そう呼ぶと怒るよこいつら。
何かの本で見たことあった。
リザードマンだ。
獰猛な人型モンスター。
知能も人と同じくらいだ。
「トカゲ男だー?ふざけやがってこのガキ、バラバラにしてやる」
他の二人より、少し小さいリザードマンが吐き捨てるように言った。
赤い鎧を着ていた。
腰には剣。
そう、リザードマンは人と同じように武器や防具を扱う。
主に殺した人間から奪うらしい。
「キンド、まあ待て、ガキにしてはなかなかの女じゃないか、楽しんだ後に売っちまおう」
隣にいた、緑色の鎧を付けたリザードマンが話した。聞き捨てならない言葉だな。
「て、テメー!んなことさせるかよ!」
激高したトッドは突撃した。
だが。
最後に出てきたリザードマンの槍に簡単に受け止められ、槍の柄で腹を殴られて吹き飛んだ。
そいつはシルバーの鎧を身に付けていた。
「グラ、油断し過ぎだバカが」
「マードの旦那。すまねえ」
名前が分かった。
マードと呼ばれたシルバー鎧がしゃべった。
「いきのいいガキだな。今日は楽しめそうだ。ガキの男に、そそる女、あと、、、何かよくわからないのもいるな」
マードは俺を見た。
よくわからなくて悪かったな(笑)
というか、リザードマンに俺はどう見えているんだろう?
「旦那!早くこのガキ半殺しにしちゃいましょうよ。んで、次はすべすべの女にトカゲ男の恐ろしさを注ぎ込んでやりましょう!残りのオッサンは瞬殺で」
キンドが残忍に舌なめずりをしながら言った。
てか、オッサン言うなよ!
殺すぞコラ!
「確かに、キンドの言う通りですぜ、ガキ二人は蹂躙したら売り飛ばしちまいましょう、このオッサンみたいなのは格好だけで、何にも力を感じねー」
格好だけで悪かったな!
いちいちムカつく奴らだなー。
俺をじっと見たマードとかいうトカゲ野郎。
こいつがアタマかな?
俺も視線を逸らさない。
「ふ、まあいい好きにしろ。俺は気分がいい。ガキはお前らにやる、壊すなよ。カッコマンのグラサン野郎は俺が適当に相手してやる」
あーあ、ヒドい言われようだ。
レイナが気の毒そうに俺を見てきた。
イタい。同情がイタいよ。
マードの言葉に陰鬱な笑みを浮かべた二人。
剣を抜き、近づいて来た。
さて、どうしよう。
制約を破るのもシャクだし、かと言って、こいつらがただ者じゃ無いことは確かだしな。トッドが吹き飛ばされた事以前にヒシヒシ感じていた。
うーん、勝手に参戦していいものか。
先生役って、歯がゆいな。
「く、くっそー!俺様を舐めんじゃねー!レイナに指一本触れさせねーぞ!」
その時、トッドが怒りの表情で立ち上がった。
「ふん。ガキが、触れさせ無いならどうするんだ?」
半笑いのグラ。
「こうするのさ!」
トッドが両手を胸の前で、推理が解けた探偵みたいに右手でグーを作り、左手の平にポンと叩きつけた。
地面に魔法陣が浮かび上がる。
無詠唱?
紫色の魔物陣だった。
光が上がって行く。
眩しい光とともに、激しい風が周囲に巻き起こった。そして、、、
あ、レイナのパンツ見えた。
って違うわ!
魔法陣の中に生き物がいた。
「な!?」
三匹のトカゲ野郎達が驚愕した。
生き物は体をブルブルっと動かして、首を回した。
やっと起きたぜーって感じの動きだ。
出た!召喚獣!
顔は鷲?かな。
猛禽類の顔、地面についた前足も、鋭く大きな爪を持っていた。
背中には同じ、気高い鷲の大きな翼。
下半身は馬だった。
薄く青かがったの灰色の毛並みと、黒く艶々光る馬の背中が美しい。
ヒポグリフだ。
昔どっかで見たことある。気高い魔獣だ。
「こ、こいつ、、ヒポグリフを召喚しやがった」
先ほどまで余裕の表情を浮かべていたマードが焦りを含んだ言葉を吐いた。
そらそうだ。
俺の知る限り、彼らとヒポグリフの差は、爪楊枝一本で、マシンガン持った軍人と戦うくらい離れているはずだ。
「さてと、トカゲ野郎!フルボッコにしてやるぜー!」
トッドはヒポグリフを満足げに眺めながら、ゴーグルを目にあてがいつつ、不敵に笑った。
読んで頂きまして、ありがとうございました。
空気な主役、というより、遠足の引率ですね。
とはいえ、なかなか強敵があらわれました。
どうするトッド?
次回ご期待ください。




