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第五十四話「風牙の嘶き」

こんばんは、作者です。


書き溜め中です。


なるべく毎日更新出来るよう、頑張ります。


今日は、オズをとくとご覧あれ。


それに尽きます。はい。

俺は黙って一週間くらい、レグルスの指導で、突きや蹴りをこなした。


一週間後、レグルスにカイロスが呼んでいると言われた。

正直、行きたくなかった(笑)

けど、レグルスの手前、断れない。

しゃーねな。

俺は単身テッサに向かった。


テッサはハロウィンも終わって静かだった。

もう少ししたらクリスマス一色になるのかな?

てか、クリスマスあるのかなー?

シルフィーと過ごせたらいいなー。

ミニスカサンタとか着せて、ウヘヘ。


妄想を膨らませつつ、ギルドに到着した。

今日はハーバンさんに送ってもらうと言う、念の入れようだった。

モズ、、、ねえ。

もう少しマシなネーミング無かったのかね。

今日の俺はモズスタイルだ。

別にモッズとかけた訳じゃないよ!

剣は短剣しか差して無かった。


ハーバンさんは、またカヌレをくれて去って行った。ちなみに、レグルスとアンジーの手紙を運んでいるのはハーバンさんだそうだ。アンジーはカヌレが好きらしい。


ギルドに入ると、アミタが俺を見つけ、指で上!上!ってやってた。


カイロスのとこ行けって事ね(笑)


アミタに手を振り、俺はカイロスの部屋へ行った。


「ふもっ!よう来たの」


「呼びつけたのはそっちだろう?」


「ふぉっふぉっ。断る理由も無いじゃろう?遠距離恋愛中で、手持ち無沙汰じゃろうに」


くっ!お見通しかよ。


「まあねー、で、お兄ちゃん!今日は何の用だ?」


「ふもっ!お、お兄ちゃんは止めてくれんかの!」


カイロスは動揺していた。へへー、仕返しだ。

こないだ見たもんねー!

若い頃のお兄ちゃん。

うぷぷ。


「ふむ。勇者達と共にこの大陸の南の小さな国々が集まっている連邦へ仕事に行ってみないか?」


「え!えー?」


いやー、正直勇者と一緒とかは面白いけどさー、何で俺なんよ?


「お主が銃を知っとったからじゃ」


「あー、盗賊の?」


「ジョニーズや、リラの守備隊長から聞いたぞ。お主、銃の事を聞いても、驚く様子も無かったそうじゃな」


参ったな(苦笑)

リラの守備隊長って、あの世話焼きの隊長の事なんだろうなー。


「銃って、そんなに珍しいのか?」


「ふむ。銃はそんなに珍しく無いものなのかの?」


カイロスは俺の正体を知ってんだよな。


「珍しく無い。少なくともこの世界よりは、手軽で汎用的な武器として広まっている」


「なるほど」


カイロスは考え込んでいた。

やがて。


「ては聞くが、お主、銃をどうみる?」


「簡単に人を殺せる道具だな。誰でも身を守る手段にも出来る。だが、この世界のように、種族間、人の間においてさえ、強弱のふり幅の大きい世界では、弱者にとっての脅威以外の何物でもないな」


「それが、この大陸全土や、また海を渡って他の大陸にまで蔓延しかねないなら?」


「止めるしかないな、、って。それで俺かい!?」


「勇者達は銃は知らん。ランド王国で、勇者死亡とかスキャンダル過ぎじゃ。それにお主はわしらより、はるかに銃の知識が多いようじゃ」


「ま、まあな」


主に本や、モデルガンからとは言えないな(苦笑)


「やってくれぬか、報酬は弾むぞ!お金じゃ買えない物。プライスレスじゃ」


何言ってんのか分かりません。


「何くれるの?」


「勇者の称号」


「いらん!」


「冗談じゃ。これじゃ!」


あ、それは?カイロスの指輪。

カイロスの指輪って言う響きが、ゲーム臭いな。


オズはカイロスのゆびわをを手に入れた。


なんつって!


「どうじゃ?欲しかろう?」


俺の目の前に指輪を持って来つつ、左右に動かした。俺の手が右左と動く。

ほーれほれほれって何やらせんだ!


だが、確かに欲しい。

これがあれば!


「達成すれば、これをくれるのか?」


「というか今やろう」


「は?」


「お主の為に作ったんじゃ。こないだは弟で実験してみただけじゃ」


悪魔ー!!

肉親を実験台かよ!!


テッテレー!


どこかで何かの音がした。


「実験は成功だったからの!」


てか今の音楽、ドッキリ成功のやつじゃないのか?


「ドッキリも成功したがの!」


やっぱりそっちが本命かよ!


「試してみんか?修行の成果を」


んで、やっぱりそう来るのか。


数分後、俺達は修練場にいた。

またここか。


「ほれ、はめてみい」


カイロスに則されて指輪をはめた。

力が溢れて来る。

精霊界にいる時みたいだった。


「ちなみに今のお主なら、一回の使用は三分間が限界かの」


ウルト○マンかよ!


「お主はマナの消費が激しいからの」


ビバアメ車!

何のこっちゃ。

ま、まあその通りだ。

けど、それを克服する為に修行したんだ!


さて、風牙。

久しぶりにやるか?

俺の指にはもう一個指輪がはまっていた。

虎の口みたいな、風の牙を模した指輪だ。

あ、これ風牙ね。

精霊剣は色んな形態をとれるんだよー。

この形が一番省エネだ。

刀身を作らずに、風を纏った拳で攻撃する、、、予定だ(笑)


ここで俺の風牙について説明しようかな。

レーグ武器店で説明しかけて止めたしな。


風牙は精霊剣っていう厨二臭い名前の代物だ。


精霊剣っつーのは、俺達精霊そのものの力を具現化して刃にする剣だ。

だからこの剣には刀身が無い。

使用者のマナ量が多ければ多いほど強力になる。

また、使用者との相性も大事だな。

例えば、俺とかリュウオウは別にして、モトユキは光の剣は使えない。

モトユキは根暗、もとい闇の精霊だからね。


様々な世界で、海を割ったとか、星を割ったとか、神を割ったとか語られている聖剣の中にも、この精霊剣の事を指すのもあるのさ。


精霊剣の由来は諸説ある。というか、戦う為だ。

精霊は戦闘民族じゃない。本来は戦う術を持たなかったんだけど、それだと色々困るからね。

自分達の力をいかに戦う事に特化出来るかを試行錯誤して、たどり着いたのが剣だった。

大昔の話だ。

ま、今じゃ、人間達が俺らの力を使って、似たような事をしてるけどねー。

ファイヤーストームとか言って、炎の嵐を作ったりとかさ。


精霊剣は、光、闇、水、火、風、地の六本だ。

無属性のも何本かあるが、それは後ほど。


え?雷?あれは精霊じゃねーぞ!

あれは神の野郎特有の能力だ。

あんなチート技。

反則だ!!!


は、話を戻そう。


地の精霊剣は名前を【星砕き】という。

地の精霊が怒ったらそうなる。ランド山の比じゃねーぞ。

その名の通り、惑星が砕けるよー。

くわばらくわばら。

ちなみに、かなり重いから、力に自信が無いと持てないよ。

身の程を知らない奴が使おうとして怪我する事から、別名【腰砕き】とも言われているんだ(笑)


水の精霊剣は【流瑠】と言う名前だ。

流れ、溜まり、時には凍る。精霊王すら留めると書いて、ルルね。

ぶっちゃけ当て字なんだけどね。

ルルってのは水の精霊王の名前だよ。

ちなみに、相性の悪い奴が使うと、水鉄砲にすらならないような水しか出なくて、水芸くらいにしか使い道が無いから気をつけてね(笑)


風の精霊剣は、もちろん風牙だ。

説明はいらないな?

これからもよろしくな風牙!

風牙がカタカタと音を立てて喜んでいた。

ちなみに、スカート捲りをする時には【風雅】と呼んであげると趣があるとか無いとか(笑)


火の精霊剣は、【炎生】と言う名前だ。

火はどこまでも火だからね。燃え盛り、燃やし尽くし、最後には自らが消える。けど、生きる為にも使うよねー。お湯沸かしたり、食べ物を加工したり、暖をとるのも火だよね。だから炎と生きると書いて、エンジョウと呼ぶのさ。

ちなみに、熱いからね、素人が触ると【炎症】するからね(笑)


闇の精霊剣は、二対で一つ。二刀流なんだよ。

総称は【深淵】

皆さん行き着く先はー、みたいなとこから来てるんだよ。

始まりがあれば、終わりもある。

それが繰り返しなんだ。

夜明けが一番暗いしね。

死ぬときに目を瞑ったら、一旦真っ暗になるしね。

夜寝るときに、人は一度死ぬってのは、迷信じゃないんだぜー。

ふたふりの剣には、それぞれ名前があってね、一本は、光を断つと言われ、名前も【夕断ち】夕方を断ったら夜が来るわな。

ゆうだち。

もう一本は闇を断つと言われ、名前は【夜切り】夜霧、よぎり。

ダジャレだね。

ちなみに朝になると、、、朝太刀!

シモネタだね(笑)


最後は光の精霊剣。

リュウオウの腰にある。

名前は【光帝】

一番強そうな名前だね。

ま、一番強いよ。

光は全てを照らすからねー。

何より早いしねー。

ちなみに、精霊王しか使えないよ。

え?使ってみたい?

無理無理。

そもそも、普通の精霊には、手がすり抜けて、持てないよ。

光の速さで諦める事になるよ。

だから別名【光諦】なのさ(笑)


そうそう、無属性の精霊剣ってのは空間とか時間を操る剣の事だ。

ぶっちゃけあんまり使い道が無い。

神や悪魔も、同じ様な能力を持っているしな。


あ、俺も三本持ってるよ。置いてきたけどね。


一本は、精霊が作れる物質で一番硬い物で出来た剣だ。

乱心した神を、神が着ている鎧、通称神衣ごとぶった斬った事もある、、、俺の弟が(笑)

金ピカの剣だ。

名前は【百式】。

な、なんだ?ち、違うぞ!

作った精霊が、百億年折れないようにと言う意味を込めて、【百式】と名付けたんだよ。


持って来なかった理由は、、、目立つから!!キリッ。


もう一つは、【薄刃陽炎】

ま、平たく言うと、見えない剣だ。

刀身が虹色というか、透明なのさ。

しかも、色んな大きさに変わるんだよー。

で、実はこれはフェイントでね。

ほんとうの能力は、切る切らないをセミオートで切り替えられるんだわ。

太刀筋を見切って、相手が受けようとした瞬間、オフにして、そのままオンに切り替えてズザッ。みたいにさ。


持って来なかった理由は、、、なんか卑怯だから!キッパリ。


最後はイットウに貸してある。

名前は【多駄剋】

玩具を呼べるのさ。

ガン○ムみたいなバカでかい鎧武者をな。

歴オタのモトユキが作った。

どんな武者かって?

【ただかつ】と読むんだよ。察してくれ。

持って来なかった理由は、、んなもん、デカすぎて、街中とかで使えないからだー!クワッ!


ま、まだ色んな物があるけど、それはまた今度ね。


さてと。


やるか。


「ふむ。相手が必要かの?」


え?

ま、まあ、それはそうだけど。


「特別ゲストじゃ!」


カイロスが言った。


テッテレー!

また、何かの音楽が鳴った。

修練場の入り口から、見覚えのある人物がやって来た。


嘘でしょ?


「ふむ。昨日ぶりじゃの」


レグルスだった。

うわー!

うわー!


「レグルスかよ!」


「ふぉっふぉっふぉっ。相手に不足は無いじゃろ?」


カイロスとレグルスが同時に言った。

無さ過ぎるわ!


って、あれ?


レグルスの後ろに二人の人影が見える。


あ、、、あーあ。

この人達は、何やってんだろうかねーこんな所で。


「おう!元気か?さっきぶりだな」


「修行の成果を見せてもらいに来たわよ。あたしもあんたの強さを見ておきたいからねえ。あんたが仕事で出かけてる間、いつも不安でねえ。この目で見ておけば、少しは安心出来るからねえ」


義父と義母。

ちょいワル親父とアデージョだっけ?

よそ行きの服でめかし込んだおっちゃんとローラがいた。


「みんなして、騙しやがってー!」


怒ったけど、笑いながらだったから、迫力ないよね。


「これで気合いが入ったじゃろ?」


「まあな、け、けど、レグルス、指輪いらないの?」


「お主相手に指輪はいらん、と言いたい所じゃが、わしとて、この前の体たらくぶりに辟易したからの、ちょっと余力を充電しとったんじゃよ。石の上で、居眠りしとった訳じゃないんじゃぞ!」


「あー、あれか、寝てたんじゃないんだな」


確かにレグルスは、このところ、俺の修行を見守りながら、ずっと瞑想をしていた。


「では、やるかの?」


レグルスはブワッとマントを後方に抜き捨てた。

今日は、【ワンショット、ワンキル】と書いてあるTシャツを着ていた(笑)

相変わらずの、引き締まった肉体だった。


「望む所だ!」


俺もコートをブワッと放り投げた。

裏地のシルフィーが見えた。

、、、、、。

俺はコートの所へ走って行き、きちんと畳んで、修練場の隅に置いた。

大事にしないとね(笑)

俺の様子を見て、みんなが苦笑していた。


「や、やるか!」


レグルスと向かい合う俺。

息が詰まるような威圧感だった。

アンジー凄いな、これを前にして笑っていたのか。

あ、でも、おっちゃんと戦うなら、やっぱり俺も笑うかもな。


ゆっくり時計周りに回る。

レグルスは棒立ちだった。

でも、隙が無い。


《もっとねー、どんどん行かないとダメですよ。彼は挑戦者なんですから》


どこかの実況席で辛口にコメントする、ジャイアント馬○の声がした。


しゃーね。

俺はちょっと風牙を解放した。

手を鉤爪みたいな構えに変えた。


よし!

小風牙!


ミャオーン!


右手が風を纏った。

レグルスに突撃する。

そのまま素直に突きを放った。


「ふも!」


と言いつつ、レグルスは斜めに体をズラした。

ゆっくりとした動きだが、あっさり避けられた。


「早っ!」


「ふぉっふぉっ。なかなかいい突きじゃったぞ、修行の成果じゃの」


確かに、何の摩擦も無く、直線的に突きが出せた。


くそー!


これならどうだ

両手に風を纏う。

デュエル小風牙。


ウニャニャーン!

風牙が吠えた。


レグルスとの距離を詰める、いきなり、アップライトスタイルからクラウチングスタイルにチェンジして、ついでにサウスポーへと変えた。レグルスに近くなった右で、ショートストレートを放つ。避けられた。

知ってた。

左のフックを放つ、レグルスは上体を反らしてそれを避ける。

まだだ、俺はもう一本踏み込んだ、足を入れ替え右構えに戻りつつ、右ストレートを放つ。

どうだー!


レグルスが消えた。


あれ?


「ここじゃ」


レグルスは俺の右下、腕の死角に座り込んでいた。

早っ!


「足元がお留守じゃの」


しゃがんだままレグルスは、足を出してコンパスみたいに回転した。水面蹴りだ。

うわっ!

ゴチン!


足を払われた俺は、もんどりうってひっくり返って頭を打った。


「あだだだだ」


ゴロゴロと後転して距離をとる。


「ふぉっふぉっふぉっ」


レグルスは愉快そうに笑っていた。


その後も色々手を変え品を変え攻撃してみたものの、結局いつも最後はかわされて、パンチや蹴りを食らってぶっ飛ばされた。


「退屈じゃのう」


くっそー!


じじい。


だんだんムカついて来た(笑)

絶対一泡ふかせてやる。


とって置きの技を見せてやる。


「まだまだー!」


俺は猫の様な動きをしつつ、小刻みにステップを踏んだ。

足の指先に力を込めつつ、だんだん指の先端だけで地面と接触し始める。

もっと早く、もっと滑らかに、もっと強弱を。

ステップが加速する。

風を足に纏った。

ブワッ!

俺の周りに風が舞った。


フニャニャニャニャー!


俺の残像がいくつも出現した。


「ふもっ!それはヤツの!ふむ、パクッたのか」


カイロスの声が聞こえた。

パクリじゃねーよ!

カバーだ!(笑)

名付けて【タイガーシフト】だ!


「タイガーと言うより、子猫じゃの」


そう言いつつ、レグルスがニヤリと笑った。

そして、目を閉じつつ、手の甲を俺に向け前に出して、クイクイと手招きした。

余裕しゃくしゃくだな。

腹立つわー!


行くぞ。

抜き足、差し足、スペクトラム!

俺は無数の残像と共にレグルスに襲いかかった。


レグルスの姿を視界が捉える、何人の俺がレグルスの真ん前に出る。

レグルスは動かない。

俺の本体がレグルスの背後に回った。

とった!

両手を振り上げて引き裂こうとした瞬間。

ゆっくりとレグルスが振り向き目を開けた。


「子供騙しじゃの」


ふん。知ってるさ。

予定通りだ。


「いや、猫騙しだ」


俺は振り上げた両手で、思い切り柏手を打った。

名付けて【猫魂】だ。


フギャーン!


バーン!


風が炸裂した。


レグルスが一瞬驚き、まばたきをした。


今だ!


俺は右手でフック放つ。

レグルスが首を反らしてかわした。

ジリッ。かすった感触があった。

まだまだー!

それも想定内だぜー。


そのままの勢いのまま、俺は反時計周りに回転した、首を戻したレグルスの顔がそこにあった、右のローリングエルボーが顔面に炸裂した。

ハズだった。

が、その瞬間レグルスの左腕が、ニュッと出てきた気がした。

だが、初めて会心の手応えがあった。

レグルスは吹っ飛んだ。

ゴロゴロとすっ転がって行くレグルス。


ハアハア、、ど、どうだ!だんだん息が切れて来た。


レグルスが、左手を痛そうに顔をしかめながら立ち上がった。

顔に一発目の引っ掻き傷が出来ていた。


「ふぉっふぉっふぉっ、やるのー!今のは驚いた。ふぉっふぉっふぉっ、嬉しいのー!」


ハアハア、ちょっと本気になったみたいだ、ハアハア。


「ふぉっふぉっふぉっ、そろそろスタミナ切れかのー?三分以上は持っておるの、やるのー!さて、そろそろ修行は、おしまいにしようかの!」


コキコキと首を鳴らしながら近づいて来るレグルス。

こ、コワー!


レグルスが腰を落とした。


ちょ!ま、まさか。


「これを食らって、生きていたら卒業じゃ」


レグルスは腕を脇に構えて、あの技の態勢になった。


大爆笑ヒットパレードだっけ?


「違うわ!舐めてると死ぬぞい!」


レグルスが青筋を立てた。

い、嫌ー!!

こーろーさーれーるー。


だが俺の口は、胸の内とは裏腹に、意外な言葉を吐いた。


「お前こそ、舐めるなよー!」


俺は両腕を前に出した。

【大風牙】


ガオーン!

風牙が吠えた


両腕がより大きく激しい風を纏った。

やがて俺は両手を合わせ、レグルスと同じ様に腰を落として、右脇で構えた。


レグルスの顔つきが変わった。


「ふむ。お主がそれほど馬鹿だとはの。ちょっと修行したくらいで、見よう見真似で出来る程、これは安い技じゃないぞい」


「ふん。舐めるな。虎は元々強いんだとだけ言っておこう」


お互い笑ってない。

本気だった。

いーやーだー。

ほのぼのした物語なのにー!

ま、まあいいや。


俺流、昭和の名曲カバーヒットパレードを見せてやる。


ドン!

レグルスの周りに、巨大な気が出現した。

ズルズルと周りを使役するように、大きな渦が、レグルスの両手に集まって行く。


「剛腕大爆掌!」


レグルスが腕を前に突き出した。

出た!!

この前程じゃないけど、巨大な掌が渦を巻いて、俺に迫って来た。


よっしゃ!

今の俺自身が出来る全力だ。

行くぞ風牙!


ガウォーゥウン!


風牙が嬉しそうに吠えた。


「食らえ!虎の大砲【嵐手威刃主】!!」


ゴガオォォォー!


手を打ち出した俺の前に、巨大な虎の顔が出現した!


レグルスの目が驚きで見開かれた。


風で出来た毛を揺らす巨大な虎。

普通の人でも見える程、はっきりとした姿だった。


行けー!


グガーォーン!


虎が身をよだって吠え、大きな口を開けて突進した。


ズゴーン!


物凄い音がした。


虎はレグルスの技を飲み込むというか、咬み裂いた。

レグルスに向かって猛る虎が突撃していく。


驚愕の表情を浮かべたレグルスが思わず防御を固めた瞬間!


フミャー


虎が猫になった。

あ、、、(汗)


「ふもっ!」


レグルスが違う意味でびっくりしている。

猫はニャーニャー言いながらレグルスに飛んで行ったが。


フニャン!


レグルスに当たってポテッと落ちて消えた。


ホームランだと思った当たりは、ライトフライだった。

フェンス手前で失速した。バッターアウト。


俺のエネルギー切れだった。

もはや最後まで持たなかったんだ。トホホ。


何で野球に例えたのかって?


虎の大砲【嵐手威刃主】


ラン○ィーバースって読むからだよ(笑)


そう思ったのを最後に、精根尽き果てた俺はひっくり返って気絶した。


、、、、。

、、、、、。


「、、、か?」


「、、、夫か?」


「、、大丈夫か?」


目を開けると、おっちゃんとローラが心配そうに俺を覗き込んでいた。


懐かしい景色だな。

あの時もこうだったな。


カイロスに治癒してもらって、何とか起き上がった。


「あーあ、失敗しちゃったよ」


苦笑する俺。


「ふもっ!失敗では無いぞ!技は完遂しなんだがの。わしの技を食らって、生きとったからの」


「え?」


優しそうな笑みを浮かべたレグルスがいた。


「卒業じゃ!まだまだ精進が必要じゃがの」


「ほ、ほんと?ドッキリ無しで?」


「ふもっ!兄上のせいで、すっかり疑り深くなってしまったの!ほんとうじゃ」


レグルスはニッコリ笑った。


「わしのせいじゃないわい!しかし、見事じゃの!わしが昔ぶっ飛ばされた技を凌ぐとはの、指輪を作って良かったわい、ふぉっふぉっふぉっ」


カイロスが楽しそうに笑っていた。

あ、カイロスをぶっ飛ばしたって言ってたっけな。


「オズー!心配させてーあんたは、もー!けど、すごいじゃないか。あたしは嬉しいよ。強い子だねえ」


嬉しそうなローラに、頭をゴシゴシ撫でられた。

え、えへへ。

あ、いかん。精神年齢がまた下がっていく。


「オズ!やるじゃないかー!虎か!虎は元々強いもんな。お前にぴったりだな」


最後はおっちゃんだった。


「虎じゃなくて、今はまだ猫だけどね」


苦笑する俺の指で、風牙が、ゴロニャーンと鳴いていた。


「わはは、違いない!」


全員に大爆笑された。

結局大爆笑を食らうんじゃないかー!!


笑われたけど、悪い気分はしなかった。

頑張れそうな気がした。

読んで頂きまして、ありがとうございました。


オズか、この世界でのオズとして、初めて自分の力で戦いました。


ま、カイロスの指輪の効果もありますが。


作者自身、書いてて、へー、こういう戦い方するんだーと思いました。


あと、ローリングエルボー書けました。

分かる人だけ笑ってやって下さい(笑)


オズは知ってるのか?

ええ知ってますよ。

プロレス好きですから彼は。


ちなみに、作者は別段縦縞のユニフォームが好きな訳ではありませんが、バースはカッコ良かったです。

バースにパリッシュ、ブライアント、ブーマー。

あ、ホーナーなんてのもいましたね。

ま、懐かしい時代の話です。

次回から新編行きます。


ご期待下さい。

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