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第三十六話「バカとガラクタは使いよう」

おはようございます。

作者です。


脱獄に成功したオズ。


次はどうするんでしょうか?


それでは本編どうぞ

俺は車でナパマへの街道を走っていた。


人通りは無い。


グランディアは今、厳しい通行規制が布かれているからだ。


夜明け前にナパマに着くだろう。


東の空が白んで来ていた。この世界の夜明けは綺麗だ。

お訪ね者になっちゃったなー。賞金とか懸かるのかなー。

どうでもいいような、そうでもないような事を考えながら、俺はハンドルを握りしめていた。


ナパマの手前で車を降りた。

カイロスに言われた通りに、川下の方にある船着き場の門へ向かった。

言っていた通り、警備はいなかった。

一応、ここまでは手はず通りだ。


門を入り、ガランとした倉庫を抜ける。

倉庫の入り口付近に差し掛かった時。

背後に気配を感じた。

一瞬剣に手が伸びかけて、やめる。

懐かしいような風。


「脱獄おめでとう。待っとったでー」


シルフィーだった。

思い切り抱きつかれた(笑)随分久しぶりのような気がする。

相変わらずシルフィーはいい香がした。


思わずキスしたら、


「髭痛いー」


って言われたよ(苦笑)

怪しまれるから、牢屋の中では剃らなかったんだー。途中でホテルに寄って、荷物を取る時に、お風呂には入ったが。

コナーさんにはお世話になったなー。


そして、シルフィーが無性に愛おしかった。

次に俺がとった行動は、この状況下では褒められる事ではなかった。


シルフィーをずた袋の上に押し倒しちゃった。


「ちょっと、何考えてんの、って、ほんまに?ほんまに?え?今?」


シルフィーはびっくりしたけど、抵抗しなかった。


シルフィーのショートパンツが、暗い倉庫にポイッと投げられた。

他は、、色々と趣味趣向があって脱がさなかった(笑)


、、、、、。

、、、、、。

しばらくの後(笑)


「もー、ムードもなんもなしやんかー」


シルフィーが上気した顔で苦笑していた。

シルフィーは膝を八の字にずた袋につけてペタンと座っていた。


「ごめんなさい」


「初めてやったのにー」


「ごめんなさい」


「こんなに早いん?」


「ごめんなさい」


謝ってばっかりだな(苦笑)最後のはしょうがないだろ。たまってたんだから。


「へへー、女になったでー」


「ほんとに初めてだったのか」


「色んな意味でイタかったでー!責任取ってやー」


「ぐぐ」


「ふふふー」


シルフィーは、ちょっと色気が増した顔で笑っていた。


良かったー、ビンタフラグとか立っても仕方ない感じだったのに(苦笑)


シルフィーは服を着て、パタパタとシワを直し、乱れた髪の毛を整えていた。


俺は後ろでそれを見ていた。

こういう光景見るの久しぶりだなー(苦笑)


しばらくの後、俺とシルフィーは手をつないで、とある場所へ向かった。


そう【大熊亭】だ。

宿屋までたどり着くと、扉に、貸切につき満室と書いてあった。

入り口を二人でくぐる。


「お腹すいてるやろ?みんな食堂にいてるでー」


「うん。カツ丼食いたい」


「え?」


「何でもない」


実際お腹が空いていた。

シルフィーと連れ立って、地下の食堂に行く。

ちなみに、大熊亭は一階にフロントと浴場。喫茶ルーム、厨房。地下は食堂になってるんだよ。

料理はエレベーターみたいなもので運ぶのさ。

従業員は熊さんと、奥さん、それから娘さんと、その友達だ。


地下の食堂に着いた俺を、懐かしい顔ぶれが迎えてくれた。

熊さん一家。ニール、カイロス、サラサー、そして、ランド王こと、キース・グランド三世だった。


熊さんは俺とシルフィーにランドベアのフルコースを用意してくれた、他の面子も食事中だったみたいだ。

ガツガツと食って、やっと一息ついた。


それを見計らって、ランド王が話し出した。


「いやはや、あの夜以来だな、見事に殺してくれおって」


ランド王は豪快に笑っていた。


「しかし、サラサーですら見破れんほど、立派に死んでいたそうだからな、全く驚かされるぞ」


サラサーとは初対面だな。


「はい。私も王からの手紙を見るまでは、何が何やら」


あの夜。

紙飛行機はサラサーの元へ飛んでいったんだ。

王の友人でもあり、同志でもある彼の元へ。


ちなみに紙飛行機は、対象者が一人にならないと配達されない。

元々教室でこっそり行われていた事をマジック化したものだからな。


サラサーはその手紙の内容に従って、仮死状態を解除した。

ついでカイロスが用意した擬体とすり替えたのだ。


今、城の地下牢にいる俺?も擬体だ。


「それにしても、医療に携わる、療養士でもあるサラサー殿が見破れないとは、どんな魔法なんだ?お訪ね者君」


ニールがニヤリと笑いながら聞いてきた。


「お訪ね者はお前もだろ!、まあいいや、これを使った」


俺は指輪みたいになっている剣を普通の大きさに戻した。


「見たところ普通の剣だな」


ランド王やニールが似たような事を言った。


「ふぉっふぉっふぉっ、面白そうなオモチャじゃの」


カイロスはちょっと気付いたみたいだ。


他の面々は、きょとんとしていた。


さて、これは何でしょうか?(笑)


そう、俺がこの世界に持ち込んだ物。

リュックに入っていた、ガラクタの一つだ。


宴会芸用魔法剣【チェスト!ロミオ】だ!


まさかこれが役に立つ日が来るとは。


俺はみんなにこの剣の説明を簡単にした。


「これは、宴会芸用魔法剣だ」


はあ?


と、言う表情を、みんなが浮かべていた。


「これは使用者と対象者の間で契約を交わすと、切られた相手は、普通に血がドハドバ出て、死んだように見えるんだ」


「用途は?」


ニールが聞いてきた。


「人の話を聞いていたのか?宴会芸と言っただろう?ドッキリ用なんだよ!だからタイマー制かセミオートで、すぐ仮死状態から戻せる」


「わしもオズと二人きりになった時、それを聞いてな。にわかには信じられなかったがな、実際、この通り、死んだからな(笑)サラサーそうだろ?」


「はい。完全に事切れておられました(苦笑)」


「ふぉっふぉっふぉっ」


「けどなーけどなー、療養士って魔法使いみたいなもんやでー?しかも王付きのやでー、なんで見破られへんかったん?」


シルフィーが聞いてきた。


「それはな、これを作った会社がバカだからだ(笑)超高度な魔法具も作るが、同時にその技術を惜しみなく注いで、こんなバカらしいオモチャも作ってるんだ」


唖然とする一同。


カイロスは愉快そうだった。


ややあって王が口を開いた。


「さて、オズの策に乗ったはいいが、ここまでは見事であった。しかし、そもそもこの策の目的は何だ?」


「決まってるだろう」


「え?」ニール&サラサー&王


「しばきたおすん(だ)(や)(じゃの)」×3


「もう、後はそれだけだろ?カイロスが王から受けた依頼は、この数日間で達成されたよ。王派と反王派は完全に別れた。敵味方の識別も可能だ。そして、後は、宰相とその取り巻きを潰せばいいだろう、王からの依頼も達成できるよー」


「どういうことだ?」


「ふぉっふぉっふぉっ。敵も一枚岩じゃないという事じゃよ。処刑された大臣を目の当たりにして、心動く者もおるじゃろうて、結局は、宰相次第なんじゃろう。ヤツもそれが分かっているからこそ、仲間を見せしめにし、王にはならんかったんじゃろうの。ま、これでヤツらの全貌も、狙いもハッキリしたの。オズの策で、とりあえずギルドからの依頼は達成じゃの。ヤツらの狙いは何かを苦心して探るより、それを叶えてやって、結果を見る方が早いからの」


ニールの質問にカイロスが答えた。


「オズ、お前。そこまで考えての策だったのか?」


ニールが感心していた。


「さすがオズ、男前やー」


シルフィーに褒められたよ。エヘヘ。

ぶっちゃけ、なんとなくの策だったのは内緒だ(笑)


頭をとればいい。

敵が明確になった所で、奴らが目指した事と逆の事をしてやるのさ。


《間抜けにしては、なかなかの策だったな。理由はともかく、俺もお前と同じ策をとっただろう》


久しぶりだな。

お褒めにいただき光栄だよモトユキ(苦心)


俺達の話を聞いていた王が、喋りだした。


「なるほどな。そして、つまりこうか。今度は我々がクーデターを起こすんだな?」


俺の印象通り、ユーモアに富んでいたものの、重厚な、王のセリフだった。


俺のトンチンカンな策を採用してくれたし。

こんな俺を信用してくれたし。

歴代の王に負けず劣らず、器の大きな人だな。


俺は大きく頷きながら言った。


「ああ、クーデターだ。死人とお訪ね者が国を乗っとってやろう」


大爆笑が起きた。


それを合図に、熊さんが追加の料理と酒を運んで来た。


「美味いな。最近は何を食べても味気なかったが」


王はしみじみと語りながら舌鼓をうっていた。


夕食会もお開きになりかけた頃。


カイロスが焼き鳥を食わえながら話かけて来た。


「オズ。しばきたおす作戦はどうするんじゃ?」


「え?」


俺が決めるの?

流れ的にあんたが最適じゃないのか?


「ふむ。俺も興味あるな」


「うちもー」


「僭越ながら私も」


「そうだ、もったいぶってないで聞かせてくれ」


ニール、シルフィー、サラサー、王の順番だ。

もっともカイロスとニールはニタニタと笑っていた。

チクショー。

考え無しがバレてる!


ど、どうしよう?


《アホか貴様。俺の何を見ていた?》


モ、モトユキ。詳しく。


《ググれカス》


そうか、インターネットで調べ、られるかあ!


《ふふふ。まあいい、お前、イートンとか言う貴族を覚えてるか?》


あ、あ?あれか、あの変態貴族。パン屋の夫婦を追いかけて来た?


《そうだ。あの時、俺は何をした?》


あー、あ、、え?

パン食った?


《アホか!?》


「どうした、わしはお主に全権を委ねるぞ?」


王が催促してきた。


「ふぉっふぉっふぉっ、羨ましいのー、王を配下に置いての作戦なんて、めったに無いんじゃからのー」


カイロスはやたら楽しそうだ。

ドSじじいめ!


モトユキーヘルプミー


《まったく世話の焼ける。今から言うまま伝えろ》


イエッサー


《作戦はこうだ》


「サクセンハコウダ」


《敵を誘い込んで、一気に叩く》


「テキヲサソイコンデイッキニタタク」


どこへよ?


「それは妙案だが、どこへどうやって?」


ニールの疑問ももっともだ。


《馬鹿め!簡単だ。ミスリルの採掘場だ、あそこなら誰にも見られないし、立地的に連れてくる兵力も限られる。餌は王》


「バカメ、あっ違った。失礼、ミスリルノサイクツジョウダ。アソコナラ〜カギラレル。エサハオウ。王?はぁ!?王!?」


他の面々も固まった。

モトユキらしいけど、無理があるんじゃ?


《王が生存しているという噂を流せ。そして採掘場で見かけたという話もな、宰相に脅迫状を出しても愉快だぞ》


「オウガセイゾン〜ダシテモユカイダゾ。愉快な訳あるかぁ!」


「ふむ。面白い。わしをダシに使うか。はっはっは。よいぞ。存分に使え」


「ち、父上!」


「構わん。どうせ一度死んだ身だ」


王は息子の制止をものともせず豪快に笑った。


《ついでに言うと、頃合い的にミスリルの採掘が行われる頃だ。噂を聞けば物見遊山であろうが何であろうが、宰相も必ずやって来るはずだぴょん》


「ツイデニイウト〜サイショウモカナラズヤッテクルハズダピョン」


「ピョン?」他の方々


「失礼。はずだ」


死ねっ!モトユキ!

でも名案だな。


《当然だ。オーバー》


いきなり無線設定に戻るんかい!

けど、ありがとう。


カイロスと王はノリノリ。ニールはあたふたしていたが、王と俺に、


「お前もどうせお訪ね者だろう!腹をくくれ!」


と言われて覚悟を決めたようだった。


サラサーは青ざめていた(笑)


シルフィー。シルフィーは、、、可愛かった。


《ありがとー、うちも頑張るでー》


あ、聞こえてた(苦心)


シルフィーにはモトユキとのオラクルは聞こえてないようだった。


《当然だ!》


はい。いつもすいませんねモトユキ。


その後、作戦を煮詰めて、お開きになった。


「お風呂入ろうやー、ほんで一緒に寝よー」


と言って、シルフィーに連れて行かれる俺を、苦笑しながらみんなが見ていたのは言うまでもない。

読んで頂きまして、ありがとうございました。


ガラクタが役に立ちました(笑)


どこで使おうかと思っていましたが、ここで使ってみました。


あとあのリュックには何が入っていたでしょうか?


それでは、また次回で。

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