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第二十五話「二人の冒険屋」

こんにちは作者です。


ポイント、お気に入り登録。ありがとうございます。


頑張ります。


さて、いよいよ物語が進みます。


ランド王国編とでも言うべきところの佳境が近づいてきます。


それでは本編どうぞ。

モトユキが帰ってから一週間たったある日、俺はルースを伴って街にやって来ていた。


ルースが冒険屋デビューするんだ!


街は秋の気配だった。


街路樹に紅葉が始まっていてた。

記念公園でも木々が色づき始めていた。

散歩しているカップルが何組かいた。


秋か。恋の季節だな。


《年がら年中春脳のくせに何言ってやがる》


うるさいぞモトユキ。


「やっとランデルさんから許しが出たんだー」


「一人前って事か?」


「まだまだ、修行の一環さ」


色々経験をさせるという意味では良い修行だな。


俺達はギルドに入って行った。


当たり前だが、ルースはただの冒険屋登録だ。


「んで、カードは無くさないでね、お金もカードに入れられるからね」


アミタの説明を神妙な顔でルースが聞いている。


え?聞き捨てならない言葉が聞こえたが、、、


「アミタ!カードにお金が入るって?」


ゴゴゴゴゴ


アミタの顔が阿修羅の様に変わっていく。


「オーズー!貴方と言う人はー!!!登録の時に、何を聞いていたの!!」


俺はルースの隣に正座させられて話を聞いた。


貨幣は、ギルドや銀行に預ける事が出来るそうだ。

ギルドカード、冒険屋カードとも言うが、は、いわゆるキャッシュカード機能を搭載しているらしい。

魔法具の力によって制御されているそうだ。

銀行でも銀行カードを発行している、富裕層を中心に広まっているらしい。


認識や、金額の支払いは、いつぞや説明した、魔紋を使ったセキュリティーシステムに会計機能を付けた物を使う。


街にも沢山あるギルド協賛店や、レストラン、一般商店など、カードを使える場所は都市部には多いらしい。


ちなみにギルドカードのシステムを利用して、このキャッシュカードシステムを作ったのは、テッサの変人ことあのお方だ。

すげーぜ、じいさん!


てか、早く知っときゃ良かった、トホホ。


「自業自得よ!」


勝ち誇るアミタ。ルースが横で腹を抱えて笑っていた。


その後も一通り説明を聞き。

ルースは晴れて冒険屋になった。


カードを貰って嬉しそうなルース。

自動車免許をもらった時の気分だろうなー。

俺も一応持っているぞ、自動車免許(笑)

小津龍法って和名だ。

オズタツノリ。

なんでタツノリなのかは秘密だ(笑)


御託はさて置き、ニヤニヤしているルースと簡単な依頼を探していた時、カイロスがやって来た。


「オズ、ルース、おはよう」


「あ、おはようございます」×2


「ふむ、ルースも冒険屋になったか、よいのう、ふぉっふぉっふぉっ」


「ありがとうございます、頑張ります!」


「まずは安全第一じゃぞ!」


「はい!」


《教習所みたいだな》


まったくだなモトユキ。


ルースは装備などを買いに行った。

アミタがお店を案内してくれるそうだ。


ってちょっと待て!

デートか?デートじゃないか!

ちくしょー。


俺?俺はカイロスの部屋に呼ばれた。

またお説教かなー。


お小言じゃなかった(笑)


最初は、モトユキと二人で受けた依頼の件だった。

何で知ってんだ?(汗)


「ふぉっふぉっふぉっ、アミタを甘く見ないことじゃ」


まず、依頼の提出を受けたアミタは、トーマスに不信感を抱き、カイロスに相談。カイロスは俺が依頼を受けたと知り、とりあえずは傍観を決めたらしい。

イートンは隣国のベネーリア王国の貴族だった。

そしてイートンが失踪。ベネーリア王国から質問状を受けたカイロスは、テッサでの依頼の件を解答した。失踪の経緯に関しては、関知して無いとは言ったものの、含みは持たせたらしい。


本来なら外交問題に発展する事件だ。

しかしながら、イートンはお世辞にも良い人物とは言えなかった。もし事件が明るみにでれば、伯爵の所業も白日の下になる。

自国の恥を進んで晒したい国などはいない。


で、カイロスとベネーリア王国の間で取り決められたのは、事件は明るみにしない事。しかし、イートンには予め、ベネーリアからの国外逃亡と領民虐待で賞金首が付いていた事にする。

この二点だった。

本来貴族には国と言えどもなかなか手出しは出来ない。しかし死人に口無しだ。


カイロスにとっては厄介事が片付く上に、ベネーリア王国に恩が売れる。ベネーリア王国にとっては、事件を闇に葬れる上に、悪徳貴族を始末できたという面子が保てる訳だ。


この一件で、俺のバウンサーランクがコンスタブルになった。賞金もポイントも破格だったからだ。

当たり前だな、国からの依頼にすり替わった訳だからな。


政治は苦手だ(笑)

何はともあれ助かったな。


次に、シルフィーを追っていた奴らに関して、奴らは取り調べ中に歯に仕込んだ毒によって自害したそうだ。しかしカイロスにはだいたいの検討が付いていた。


「あれはの、ベネーリアの諜報か暗殺部隊じゃろ、あの国は今、何かと大変なんじゃ、王政が機能しとらんでの、国王の預かり知らぬとこで色々悪さをしとる奴がおるんじゃよ」


こいつらに関しては、カイロスはベネーリア側には何も言っていないそうだ。

余計な火の粉が降りかかるのは避けたい。俺も賛成だった。


シルフィーに関してはカイロスにはほとんど話して無い。助けた時にはいなかったと言ってあった。

だからシルフィーが何者なのか?俺にはさっぱり分からなかった。


そして最後の話。


俺にテッサのギルドとして依頼を出したいそうだ。


もちろん俺はバウンサーだ。断れる。

が、気になった。


「何で俺?」


「ふむ、お主ならもしやと思ってな。お主、噂を聞くと、お主の意思とは無関係だったとしても、周りに良い影響を与えているようじゃ」


「ま、まあ、な、俺自身にはあんまり得が無いが(苦笑)」


「ふぉっふぉっふぉっ、功徳というものはそういうもんじゃよ。で、話だけでも聞いてくれんかの?」


「わかった、あー、ちなみにルースも一緒でいいか?」


「ふむ。構わんじゃろ。聞けばカイロスの弟子じゃそうじゃな?あいつが弟子をとるとはな。ルース本人も最後に見た時と比べ、身体も顔つきも随分立派になってきおったからのぉ。テリーも優秀だったが、親父を超える日も案外近いかもしれんの。ふぉっふぉっふぉっ」


確かにそうだ。


ルースは立派になって来ていた。

イケメンで好人物で強いときた日にゃ、勝てる要素が無いな(苦笑)

あいつとパーティー組んだら、立ったフラグを全部持っていかれそうだ。


ちなみに詳しい話は明日するという事だった。


一階に降りるとルースとアミタが焼き芋を食べていた。


コノヤロウ!イチャイチャすんな!(笑)


武器以外は揃えたらしい。アミタはルースに合った装備を見繕ってくれたそうだ。槍使い特有の動きに合った装備などだ。

さすがだな。


武器はまだどれが合うのかわからず、おっちゃんと相談して決めたいそうだ。


「アミタありがとう!」


「うん。ルースまたねー」


あれ?何?俺邪魔者?

別にいいけどねー。

俺なんて、ただの精霊王もどきだしねー。

なーんの取り柄もないしねー。


《無様だな》


うるせーモトユキ。


帰り道で、カイロスからの依頼の話をルースにした。


ルースは興奮しながらも、気を引き締めているようだった。

いやはや、【覚醒】か、、、。


それにしても、カイロスの依頼って何だろう?

見当も付かなかった。


家に帰った俺はカイロスの件をおっちゃんに話した。


「んー。いいんじゃねえか?ルースにもいい経験になるだろう。ま、無理はするな、何度も言うが、命を大事にな」


「わかった。ありがとう」


その夜、ルースの一家がうちにやって来て、冒険屋デビューのささやかなお祝いをした。


ルース家は、テリーさんと奥さん、小さい妹とルースの四人家族だ。


ささやかとは名ばかりの賑やかな宴会になったのは言うまでもない(笑)


宴会の席でテリーさんからルースにプレゼントがあった。


「ルース!明日街へ行ったらレーグ武器店という店に行け。俺とランデルで頼んだお前の武器が用意されてるはずだ」


どっかで聞いた名前の武器屋だが、作者が名前を思いつかなかっただけで、特に何の伏線もありません(苦笑)


「親父!、、、いいのか?」


「あったり前よ!聞いて驚け!ミスリル製だ、んでな、、」


「テリー、その位にしとけ、後はお楽しみだろ?」


「んあ?そ、そうだな、悪い、ついつい(笑)」


「親父。ミスリル製って、お、お金は?」


「稼いだ」


「稼いだって、どうやって?」


「父を舐めるなよ」


テリーさんは嬉しそうに笑った。


「???」×2


知らないのは俺とルースだけみたいだ。他のみんなはニヤニヤ笑っていた。


「俺とランデル、二人いればあっという間に稼げるのさ」


「実際二日間で稼いだな」


「な、何をしたの?」×2


「ワイバーンを二、三匹ちょっとな、、狩った」×2


「ワイバーン!?」×2


ワイバーン。飛竜かよ。

ドラゴン属ではあるが飛行に長け、炎を操る。ドラゴンより知能は低く、弱いが、並みの魔物では無い。

稀に人語を操るモノもいる、まさに空の覇者だ。

他の世界では一個小隊がかりで一匹仕留められればいいほうだ。


それを二人で三匹って(笑)


親バカにもほどがあるぞ。


ランド村のテッサと逆の隣街。ベルグ近郊では、最近ワイバーンが出現して、被害に合うものが続出していたそうだ。

もちろん国も動いたが、ギルドも討伐依頼を出した。


お金になる依頼を探していた二人はカイロス経由で依頼を受け、嬉々として出かけて行ったそうだ。

男は幾つになってもバカ事が好きだねぇ。


とはローラ談だった。


ルースは感極まっていた。


そりゃそうだろ。

疎まれていると思っていた親父が自分の為に一時的に現役復活してまでして武器を揃えてくれたんだ。

師匠も協力してくれたとあっては、もう言葉も出ないくらい嬉しかったんだろう。


泣いてしまったルース。


旨そうに酒を飲むおっちゃんとテリーさん。


ルースを弄る俺とその他の輩(笑)


宴会は夜更けまで続いた。


次の日の朝。


俺とルースは家族に見送られて村を後にした。


ちなみに、村の門には若い女の子達がいて、俺たちに激励と手作りのお菓子を渡してくれた、ルースの方が人気だった。

ヤバい、ヤバいぞー(汗)


お菓子は車の中で食べた。木苺のクッキー。

おいしかった。

ってルース、ポロポロこぼすなよ(笑)


ほどなく街へ着いた俺達は、まずレーグ武器店へ向かった。


繁華街から離れた、路地を奥まった所にその店はあった。

看板も出ていない。

おっちゃんから場所を教えてもらわなかったら分からなかったな。

商売っ気の無い店だな。


俺とルースは扉を開けて中に入って行った。


「いらっしゃいませ」


とかは無かった(苦笑)


仏頂面したオヤジが新聞のような物を見ながら座っていた。

一瞬、俺達を見たが、興味を失って、読んでいた新聞に目を戻した。


ひそひそ声でルースが話しかけて来た。


「おい、ここでいいんだよな?」


「そ、そのはずだ」


「客だと思われないぞ?」


「みたいだな」


「オズ、聞いてみてよ」


「お前聞けよ、お前のだろ?」


「お前ら」


オヤジが顔も上げずに話しかけて来た


「は、はい」×2


「用が無いなら帰れ、ガキの、、まあガキじゃないのもいるが、来るとこじゃねー」


俺の事か?なあ?俺の事か?(笑)

咳払いをして俺は話し出した。

年長者だって忘れてたぜー


《誰よりもじじいだな》


やかましいわ!モトユキ


「ゴホン!あー、レーグさん?俺達は用があってやって来ました。つきましては顔を上げて話を聞いてくれませんか?」


オヤジはちょっと意外そうな顔をして新聞から目をこちらに向ける。

で?という顔だ。


「えーと、俺はオズ。こいつの付き添いです。こいつはルース。こいつの親父さんから武器を頼まれていると思うんですが?」


オヤジの顔がみるみる赤くなっていく。

あれ?怒った?


「何ー?お前テリーの息子か?そうかそうか。よく来たなーよく来た。で、オズか?ランデルの養子だな?いやー、すまんすまん、近頃の冒険屋と来たら、くだらない奴ばっかりでなー、武器を売る気にもならんのよ。んで仏頂面して座ってんだけどよ、俺は本来喋るのが好きでなー、拷問だよ拷問!そうかそうか。最初からそう言えばいいだろうに」


「いや、だって」


「あ、そうだそうだ、お茶でも飲むか?な?おーいカミサン!茶だ茶。ランデルの息子とテリーの息子が来たぞ。いやー感激だわ。まさかあいつらの息子に武器を誂える日が来るなんてよー、武器屋続けてて良かったなー、ん?どうした?」


「いや、あの」


「あー、そうかそうか、何にも聞いてねーのか、恥ずかしがり屋な連中だなー、テリーは若い時から気が合ってな、昔からのお得意様だ。ランデルはある日ふらっと入って来たのが始まりでな、知ってるとは思うがいい奴でなー、ちなみにランデルの結婚式にも出たんだぞ?」


「そ、そうか」


「んでな、ついこないだだ、ランデルとテリーが二人でやって来てよ。弟子と息子が出来て、息子が一人前になって来たとかなんとか言いやがるのよ?それだけ聞いたら訳わからんだろ?あいつらの口下手には呆れるばっかでな、よくよく聞いてやっと理解したよ。簡単に言えば、可愛い息子二人に武器作れって、そういう事だろ?最初からそう言えばいいんだ、な?お前らもそう思うだろ?」


マシンガンみたいだな(苦笑)


そこまで喋って、やっと一息ついたらしい。


さっきの「お前ら」まで、今朝から一言も客と喋って無かったんだと(笑)


その後は割と普通のオヤジに戻った。

だいたい話はわかった(笑)


俺は気になった事を聞いてみた。


「レーグさん?武器って俺のも?」


「レーグでいいぞ、ランデルめ、それも言ってないのか(苦笑)ま、それは後だな、まずは」


「ルースだな。今日の主役」


「その通り!」


レーグは豪快に笑った。人好きのする笑顔だった。


奥に引っ込んだレーグが、槍を持って来た。


おっちゃんの程では無いが大きな槍だった。


ルースに持たせてくれた。


「軽っ!」


ルースがびっくりした。


持ち手は茶色の木で出来ていた。

柄元と先端の刃元に銀色の装飾が施されている。

ミスリルだろう。

よく見ると、獅子のようなものを形どってあるようだ。

柄元が獅子の腰から尾、刃元が肩から顔を模してあった。

刃は三つに分かれていた。一番長いのは真ん中のそれ、両側にはやや外にカーブした刃がついている。

横から見ると、獅子が炎を吐いているように見えた。


ぶっちゃけ、俺が欲しいくらいだ(笑)


レーグによると持ち手の芯にもミスリルが使われているらしい。


ふと思ったまま聞いてみた。


「レーグ、軽いと威力落ちるんじゃ?」


「ん?なかなかいい質問だな。確かにそうだ。だがコレは装飾と芯まわりの重りでバランスをとってあってな、振ると力を逃さず刃に伝わるようになってんだ」


レーグに即されてルースが振ってみた。


「あ、ホントだ、おー、凄いな!?」


嬉しそうだ。


「うん。なかなかいい振りだな。さすがランデルの弟子だ、最近のは武器に振り回されてるようなヤツが多いからな、ちなみにランデルは力の強弱が上手いからな、弟子ならと思って、そういう仕様にしてみた。筋力がもっと付いたら、持ち手の中に重りを入れてやる」


よく考えられていた。

さすがおっちゃんが贔屓にするだけあるわな。


「んで、一番の目玉はこれだ、見てみろ!」


俺とルースはレーグが指差した場所を見る。


そこは丁度、獅子の口の中に当たる部分。刃の根元の近くに窪みのような穴があった。


「これは?」


それは精霊石をはめる場所だった。


精霊石。

魔法石とは違う。

精霊石は、それぞれの精霊の属性に基づいた機能を持っている。

光、闇、火、水、地、そして風。


俺は全属性だ。

けど風が好きだ。

どこまでも自由だからだ。

好きこそもののなんとやらで、風が一番相性が良かった。

常に風の精霊が共にある。

最初にこの世界に来た瞬間も風が吹いていたし、

人にいい風を持ってるとか言われるのも、俺がよく風の話をしているのもそれが理由だ。


だから剣も風なのさ。


他にも色々剣が、、、って、俺の話はどーでもいい(苦笑)。


俺の想像通りなら、火の精霊石をはめ込むと、炎の斬撃を撃てるはずだ。


結果は、、、。

想像通りだった。


ただ、精霊石とリンクするにはそれなりのコツがあるのさ。

よく言われる、精霊と契約なんつー厳かなものを、威力を犠牲にして、簡単にしたのが精霊石のはずなんだけど。

誰にでも使えたら、こっちの商売あがったりになるからだ(笑)


ま、今はまだルースには無理だ。今はまだ、ね。


「炎の斬撃かー」


ルースは目をキラキラとさせていた。


レーグはオマケで鞘と、肩から掛けられるようになったカバーと、精霊石以外は似た様な造りの片手剣。いわゆるショートソードを付けてくれた。


大盤振る舞いだな(笑)


「構わん!金なら山ほど貰った。それに金なんかホントはいらん。久し振りに気合いの入った仕事が出来て満足だ!」


言葉通り、満面の笑みだった。


ルースは全部装備して、鏡の前でクルクル回っていた。

いつかの俺みたいだな(苦笑)


「そうそう、オズにはこれだ」


レーグがくれたのは30㎝程の短剣だった。

緑と白銀を基調とした短剣。俺の風牙とお揃いみたいだな。


おっちゃん。心憎い発注をしてくれるじゃん。



柄が特徴的だな。二つ合わさっているような造りだな。


「オズの腰のモノと同じにしてくれと言われてな、ローラさんが書いた絵を参考にしたんだ」


ローラ。やっぱりすげー人だ。


絵を見せて貰った。


昔一回ちらっと説明したから、ざっくりいくか

柄はやや丸みを帯びてる。柄の根元に王冠のような装飾があるんだよなー。

あとは前も言ったが緑の宝玉、ま、宝石ともいうが。それが散りばめられている。

鍔は、羽根と風を模した造りになってんだわ。

ペガサスとかグリフォンとかの背中にあるあんなのを抽象化した感じだ。


ローラの絵はまさに俺の風牙だった。


地味にジーンとした。


そして短剣は小風牙といった趣だった。


「抜いてみ?」


抜いてびっくり玉手箱、、、。


双剣だった。


合わさっているような、じゃなくて、合わさっていたんだ。


刀身は両刃だったが、刃に風の動きが掘られていた。


レーグ。見た目と違って仕事が細かいな。


伝わらないとは思うが、風フェチの俺には垂涎の細工だった。


「あと、ここな。お前は特殊みたいだからな」


柄の根元、王冠の装飾の中にそれは入っていた。


「まじか?よくあったなこんなレアなもん」


無属性の精霊石だ。


ガラクタだ(笑)


正確には違うんだが、俺みたいな色んな属性を持っている人か、自力生成の精霊力を持っている人以外には使い道がないんだよ。


そんなレアな奴はなかなかいない。


精霊力の貯蔵庫とでも言った方がいいな。


「お前は他人の力を受け流したり、弾き返したりできると聞いてな」


「あ、ああ。おっちゃんめ」


「安心しろ、誰かに喋ったら殺すと言われている(苦笑)」


剣で、受け流しと反撃を出来ないかと考えて、たどり着いたのが双剣だったらしい。


また、リーチが短い方が精度も増し、扱い易く、既に二本差してる俺の負担にならない事も踏まえて、短剣にしたそうだ。


レーグ。涙が出るよ。


おっちゃんが命を預ける武器を頼む理由が分かった。


武器より、使う人の事をとてもよく考えてくれている。


精霊石に関しては、最初は魔法石にしようとしたらしい。


魔法石でも同じ事が可能だ。


だけど、知り合いの魔法具屋に行った時に、もっといいものがあると言われ、見せて貰ったのがこれだそうだ。


「何でも、男女みたいなヤツが売りに来たって言ってたぜ」


なるほど、出どころが分かった(笑)

確かに、ある意味では、しけた物だな。


「精霊石の方がいいだろ?」


確かに耐久性も魔法石より遥かに高い。

人間界では、一説には精霊の涙だと言われている精霊石だ。

ま、実際には、、、知らんほうが良いこともある(苦笑)



これはマジで便利だぞ。


相手のマナをプールできる。もちろん俺のマナも。


ガス欠の危険性が各段に下がる。


おっちゃん。


おっちゃんの愛情が伝わって来たよ。


泣けるわ。。。マジで。


「気に入ったか?」


「ああ、ありがとう。何とお礼を言っていいのやら」


「礼はいらんぞ。他の武器屋はどうか知らんが、俺は武器は身を守るもんだと思ってる。自分の身だけじゃないぞ。わかるな?」


「ああ」


俺とルースが同時に答えた。

俺達は知っている。

守る事の大事さと強さを。


「うんうん。いい面構えだな。礼なら生き残り、守りたいものを守る事で示してくれ!」


「おう!」×2


俺達は家族のありがたみをしみじみ感じながらレーグ武器店を後にした。

読んで頂きまして、ありがとうございました。


ルースが冒険屋になりました。


あっという間に追い抜かれそうなオズ。


そして、カイロスの依頼とは?


次回、ご期待下さい。

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