第十八話「初仕事」
いやー、しんどい。
なんとか今日も書けました。
会話が多いのは、決して作者が手抜きしている訳ではありません(笑)
夜が明けた。
昨日の夜は大変だった。
どうやってバウンサーになったかは、カレーや修練場であった事をカイロスがうまく隠しながら話してくれたんだけどね(笑)
車の事は隠しようがないから、根ほり葉ほり聞かれちゃって、しどろもどろだったよ。
ま、なんとか納得してくれたようだ。
カイロスが俺との顛末を話している間
おっちゃんは、知られたく無い過去を俺に知られたと分かって、大ショックを受けていたが。
おっちゃんを除く全員が大爆笑だった(笑)
しかし、代わりにおっちゃんの事を親父だと思ってると言ったことをカイロスにばらされてしまい(苦笑)
俺とおっちゃんは赤面。
ローラはとても嬉しそうで、他のみんなはやはり大爆笑していた(笑)
久しぶりに賑やかなランデル家の食卓だった。
カイロスとアミタは夜遅くに村長と村長宅に帰っていった。
車に乗りたがったが、飲酒運転はダメだ!(笑)
そして、二日酔いの朝が来たのだ。
俺はちょいと野暮用があって、朝食をとらずに出かけようとしていた。
一階に下りて来たところで起きてきたおっちゃんと鉢合わせした(笑)
「あ、、、おはよう」
「お、おう。おはよう」
ぎこちない2人(笑)
おっちゃんが切り出す
「な、なあ、あれ、本気で言ったのか?」
「あ、、まあ、な、本気だ」
「そ、そうか、なんつーか、よろしく頼む(苦笑)」
「あ、う、うん、えっと、、、親父って呼ぶか?(笑)」
「な!や、やめてくれ、くすぐったい(笑)今まで通りおっちゃんでいい」
「わかった(笑)」
「そういや、身支度して、どっか行くのか?」
「うん。初仕事さ」
「街か?」
「いいや、この村で」
「???、ま、まあいいや、気をつけて行ってこい」
「おう。行ってきまーす」
俺は家を後にした。
家の中では。
俺たちの様子を隠れて見守っていたローラが顔を出す。
「ふふふ。念願の男の子が授かったね(笑)」
「ローラ、き、聞いてたのか?」
「あたしを誰だと思ってんのさ」
「な!、、、ま、そうだな。しかし、オズもお前も俺なんかのどこがいいんだか」
「あっはっは。聞きたいかい?」
「やめておく(笑)」
楽しそうなローラの笑い声が響いていた。
その頃、家を出た俺は、とある人の家に向かっていた。
だいたいこの辺のはずなんだけど、、、。
あ!いた。
家の側の庭先で何かの皮をのしている人が見えた。
テリー・ファランクス
ルース・ファランクスの父親だった。
「おはようございます」
「おー、オズ君か、おはよう」
ルースと違い(笑)この人はいい人だ。
職業はおっちゃんと同じ猟師。冒険屋でもある。
この村に冒険屋は、おっちゃん、俺、ルースの親父さんしかいない。
村にとっては貴重な戦力だった。
おっちゃんが村に来たばかりの頃は、2人はよく衝突していたらしい。
だが、当たり前だけどおっちゃんの強さは半端ない。なんせ荒野の、、はもういいか、ぷぷ(笑)だからだ。おっちゃんと喧嘩しては、テリーさんがのされる日々が続いたそうだ。
だが、次第に態度が変わっていったテリーさんは、今ではおっちゃんの飲み友達だった。
同じ冒険屋、当初、テリーさんはおっちゃんに対して並々ならぬライバル心があったらしい。
しかし、おっちゃんの人柄と強さに触れ、反発から尊敬に想いが変わったそうだ。
ちなみに、この情報はローラがくれた。
さすがうちの母ちゃんだな(笑)
「昨日はびっくりしたよ(笑)」
「ごめんなさい(笑)」
テリーさんもあの場にいのだ。
「それにしても、バウンサーとはな、すごいじゃないか。うちのバカ息子に爪の垢でも煎じてやりたいよ」
「まぐれです。まぐれ」
「んで、今日はどうしたんだ?」
「ルースに用があって」
「そうか、またうちのがなんかやらかしたのか?」
「違う違う。冒険屋の仕事」
「え?」
テリーさん曰わく。ルースは祭りの夜から落ち込んでいて、ほとんど部屋に籠もっているそうだ。確かに昨日もいなかったな。先日フラッと街に出かけて行ったっきり、また部屋の中らしい。
「なんの用か知らないが、よろしく頼む。親バカかもしれんが、あいつはあれでなかなか優秀な猟師だ。けど、それを鼻にかけるとこが強くてな。何とか強い事の本当の意味を教えてやろうと思ったが、恥ずかしながら言葉で伝える方法を知らんもんでな。ランデルとの時もそうだったんだが(苦笑)そこにオズ君がやって来たんだよ。いとも簡単に投げ飛ばされたそうじゃないか。いい薬にはなったと思うが、、、ま、親バカだな(苦笑)二階の自分の部屋にいるだろう。家内は買い物に行ってる、勝手に上がってくれ、角の部屋だ、茶も出せずにすまんな、家内がいないと茶の在りかもわからんのさ(苦笑)」
深々と頭を下げる親父さんに返礼を返すと、俺は家の中に入っていった。
おっちゃんの家と同じような家だな。
階段を上って、角の部屋の前まで来る。
【無断で入るべからず】
貼り紙に苦笑しつつ、部屋をノックする。
「誰だ?」
ルースの声がした。
俺はわざと声を低くして、重々しく話す。
「冒険屋だ。ギルドから来た」
《嘘だろ!ほんとに来てくれたんだ》
ルースの独り言が聞こえた。忘れているかもしれないけど、俺は耳がいい。
ドタドタと響く音。
「い、今開ける、ちょっと待ってくれ、く、ください」
ルースは俺だと気づいてないようだった。
「わざわざ来て頂いて、、って、お前!何やってんだ!騙しやがったな!っ、てか、なんで依頼の事を!?」
ルースは憤怒と狼狽、織り交ぜた表情だった。
俺はニタッと笑って、冒険屋カードとバッヂを見せる。
「悪いな。おれがその冒険屋だ」
「な!?、、、しかもバウンサーだと?嘘だ!」
「嘘じゃないさ。昨日の夜、ギルド長とその孫と一緒に帰ってきて、ひと騒ぎ起こしちまった(苦笑)」
「あ、、親父が出て行った件か、、、」
ルースはそれっきり黙ったままだった。
ややあって、蚊の鳴くような声で尋ねてきた。
「なんで、依頼を受けた?」
「気まぐれだ」
「そうか、、、」
ルースのこんな顔は初めて見た。いつもの放漫な姿はここにはなかった。
「言っておくが、何人彼女を紹介しても、今のお前だと速攻ふられるぞ」
「ど、どうしてだ?俺は強い」
「誰と比べて?」
「む、村の若い奴らだ」
「ほんとに?俺にあっさり投げ飛ばされたのに?」
暗に俺も若いと匂わせてみたが、聞いちゃいねーな(笑)
「そ、それは」
「お前は弱い、ショックで寝込んでいるやつが、強いわけないだろう?」
「…」
「顔はイケメンなのに残念な奴だな」
ついつい本音が出ちゃったよ(汗)
ルースはどうみてもイケメンだ。悔しいが事実だ(笑)
「え?」
ルースはポカーンと口を開けていた。
「あ?自分で気づいてなかったのか?」
「う、嘘だ!俺をからかっているんだろう!」
「本気でアホか?俺はお前が嫌いだ。嘘つくのも、からかうのも面倒だ」
本心だ。
「イケメンなら、なんでモテない?」
「カッコ悪いからさ」
「何?今イケメンって!?」
「中身だよ、中身」
「ど、どういう事だ、お、教えてくれ!」
「なあ、お前がエレーナにしたことって何だと思う?」
「エレーナに?、、、俺の気持ちを分かってもらいたくて、、、」
「エレーナの反応は?」
「迷惑そうだった」
「それが分かっていながら、なんで止めなかった?」
「いつか、届くと思って」
「結果は?」
「お前に投げ飛ばされて、終わったよ」
「お前が女の子なら、お前を選ぶと思うか?」
「、、、、わからない。今はもう、わからない」
「救いようのないバカではないみたいだな」
「お、教えてくれ、どうやったら中身が伴う男になれるんだ?、なぁ、た、頼む」
「どうして、そこまでしてモテたい?」
「モ、モテたいわけじゃない。俺は、強くなって認められたい。エレーナも、最初は村一番の美人だったから、彼女にできたらみんなに羨ましがられると思って、け、けど、途中からは違う。本気だった」
「誰に認められたいんだ?」
「お、親父に」
ルースの目から涙が流れ落ちた。
正直びっくりした。
「親父は、昔は優しかった。何でも教えてくれて、俺が出来ると、とても嬉しそうで。俺もそれが嬉しくて。けど、いつ頃からか、親父は何も教えてくれなくなった。それどころか、素っ気ない態度になった。俺がどれだけ喧嘩が強くなっても、猟が上手くなっても、それはずっと変わらなかった。俺は親父に認められてないんだって分かった。それからずっと、ずっと頑張って来たのに」
ルースは号泣していた。
「バカだなお前」
「どうしたらいい?なあ教えてくれ。このとおりだ」
深々と頭を下げる姿が親父さんとそっくりだな(苦笑)俺も人に教えを説けるような器じゃないんだが(苦笑)
「本当の強さを知ればいい」
「本当の強さ?」
「本当の強さってのはな、使い古した言葉で悪いが、誰かの気持ちを思える事だと思うぞ、ま、俺も苦手だが(苦笑)誰かを守りたいとか、そういう気持ちが、強いという事につながるんだと思うぞ」
「何でだ?」
「バカだなー、簡単だろ。少々例えは悪いし、バウンサーの理念に反するが、お前、親父かエレーナが魔物に襲われてる時と、知らん誰かが魔物に襲われてる時、どっちが本気でる?」
「親父とエレーナだ。死んでも守る、あ、、、」
「少しは分かったか?お前がエレーナにしたことは自分勝手を押し付けただけ」
「オズ、、さんがしたことはエレーナを守ったのか」
「ついでに言うと、親父さんは別に素っ気ない訳でも、優しくない訳でもないぞ」
「え?」
「お前に本当の強さを教えたかったが、言葉じゃ上手く伝えられなかったと言ってたぞ。それに今のお前の調子じゃ、当時、言葉があっても、背中で見せても無駄だったろうけどな」
「そ、そんな、、、嘘じゃないよな?」
「嘘じゃない。さっき親父さんに、息子をよろしく頼むと言われて頭を下げられたんだが、さっきお前が俺に頭を下げた姿とそっくりだったよ。親子だな」
「親父が頭を?不器用で、満足に人に頼み事なんかできないような男だぞ?」
「親子だな。そっくりじゃないか。お前の事も褒めてたよ、親バカだと苦笑してたがな」
「親父、、、そうだったんだ」
「さて、依頼はどうする?まだ彼女欲しいか?」
じっと考えて、口を開くルース
「いや今はいい。今の俺じゃ誰も幸せにできないと思う」
今日一番まともな答えだった。
「あ、依頼は達成した事にするよ。報奨金は払う」
こいつ(笑)
意外と大化けするんじゃねーのか?
「いらん。お前に彼女が出来たら払ってくれ」
「わ、わかった、わかったけど、嫌いな俺にそこまでする義理はないんじゃ?」
あらまー、なかなか味な質問するじゃんか(笑)
急成長のスキルでも持ってんのかね?
《勝手に設定を足すんじゃねー、これ以上捌ききれんわアホ!ちなみに、ルースのスキルは【覚醒】な。てか金輪際スキルどうのとか言うんじゃねー、てめーの存在消すぞ!》
聞いた事はないが、決して逆らってはいけない気がする誰か、の声がした(笑)
気を取りなおしてルースに話しかけた。
「お前の事は、今はまだ嫌いだ。けど、同じ女の子に惚れて、お互いふられた仲だろ?(苦笑)」
「はは、、ははは、確かにそうだ。何というか、ありがとう。この言葉でいいのかわからんが」
「ははは、いいんじゃね?じゃ、帰るわ」
「お、おう」
何とも妙な挨拶を交わし、俺はルースの家を後にした。
あ、、、てか、依頼、、失敗になんの?
ちょ!最初の依頼が失敗とか縁起悪過ぎるんだけど!どーしよー!!!(泣)
《お前もたいがいバカだな》
モトユキの容赦ないツッコミが冴え渡った。
読んで頂きまして、ありがとうございました。
ルースの話です。
内情を話すと、ルースとオズは合わせ鏡のような存在です。
そもそもは対極の考え方の存在として登場させました。
が、訳あって昇格です
【覚醒】ですから(笑)
作者が本編で、自分で言いましたが、スキル云々はもう使いません、多分、無理(苦笑)
ちなみに、ルースはイケメンと強さ以外は(笑)昔の俺がモデルです。恥ずかしい話です。はい。




