第二章 Why Couldn't The Cowardly Bat Become A Philosopher?
――かーごーめーかーごーめー
歌が。
――かーごのなーかのとーりーは
歌が、聞こえる。
――いーつーいーつでやーる
夜中、私は眠っているはずなのに、ずっとずっと頭の中で鳴り響いている。
どうしてこのあまりにも有名な民謡がずっと聞こえるのか。
それは私にも分からない。
けど、曲の間に聞こえてくる人の会話は、やけに聞き覚えのあるようなものの気がする。
「……ホント、に……痛い……本当に、もう、潰れそう……こ、殺して……もう……殺して……ください」
「だぁめ。私の痛みをあなたも味わうの。私は空手も委員長もどっちも頑張ってただけなのに……ホント、めんどくさかったし、心が痛かった……だから、痛みを、痛みを、あなたも痛みで挟んでやるの」
「やめ……ホントに……これ以上は……! ……ガッ……」
「アハハハハハハハハハハ! 苦しいでしょ? それが私が味わった痛みよ!」
一人はこの世のものとは思えないほど苦し気な声音を上げ、もう一人もやはりこの世のものとは思えない――けれど快楽に満ちた声音を上げる。
そう。それこそ、歌うような。
――よーあーけーのーばーんーにー
そして、また歌が聞こえ始める。
聞き覚えのある誰かの笑い声ととともに。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
――つーるとかーめがすーべったー
――後ろの正面、だぁれ?
そんなの、私に決まってる。
鶴でも亀でもない、蝙蝠の私が、私を見つめてる。
ご一読ありがとうございました。第二章もよろしくお願いいたします。




