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第9話 旅の服

リオナの学生服はこの国では目立つので、まずはルナが勧める服屋に入った。


ルナが、「彼女はこのお店の店主でセシルビ・アーカイン。私の友達よ。

セシルと呼んでいるわ。彼女は王族に仕える貴族なのだけど、

庶民相手にせこい商売をしているのよ」と、笑顔でサートとリオナに紹介した。


そこには品のある立ち姿のスタイルのいい女性がいた。


「これは王女ルナさま、いらっしゃいませ。

王女様が庶民のお店に何の御用かしら?」と、

ルナに紹介された服屋のセシルは嫌味いっぱいに対応した。


「これ、お約束のめんどくさい展開になるのか?」と、サートはつぶやいた。


ルナが、「挨拶はこれくらいで、服を買いに来たのよ」と普通の笑顔に戻った。


セシルはリオナの学生服を怪しい目で見ていたが、

「ルナさま、今日はどこのお国の方をお連れですか? 

どんな服をご用意しましょうか」。


セシルは目をキラキラ輝かせてフリフリヒラヒラのかわいいドレスを出して、

リオナを試着室に連れて行こうとした。


ルナがセシルに、「ちょっと待って。これからわたくしどもは旅に出るの。

わたくしと彼女に動きやすい服を準備していただけるかしら。

あと、旅に出ることは誰にも内緒よ」と、笑顔で言った。


セシルは目を光らせて、手にはレオタードのような服を持っているようだが、

サートは見なかったことにした。


ルナは、

「セシル、その手に持っている物はお放しになって」と、

すかさずツッコんだ。


しばらくしてルナとリオナは着替えを終えた。

サートが着ている服に似た長ズボンの冒険者スタイルで、

上着は女性らしいリボンの付いたかわいい服装になった。


サートが着ている服は生地が伸びて動きやすくて良い素材らしく、

冒険者としては高級な服装だったらしい。


ルナは、「動きがすごくラクで、この服を気に入りましたわ」と、

ルナとリオナは着替えた服を気に入っていた。


「さっきのルナさまに手放せって言われた服、軽くてよく伸びて動きやすくて、

建物に侵入する時に便利なんだけどなぁ」と、セシルは残念そうに言った。


サートが、「猫目な3姉妹の泥棒ってヤツか」と、リオナに言うと、

リオナは分かっていなかったことに、サートは年の差を痛感していた。


そしてセシルがリオナの学生服を持って、

「彼女が着ていた服なんですけど、ウチで預からせてもらえませんか? 

とてもかわいくて新しい服の参考にしたいです」と、目を輝かせていた。


リオナは少し戸惑いながら、

「はい、いいです」と了承した。


サートがお代を払おうとすると、「ルナさまからお代は頂けないです。

いつも街の様子を気にして、問題があると解決できるように話を聞いてくれる。

こうやって毎日楽しく商売できるのは、ルナさまのおかげなんです」と、

セシルは笑顔で話した。



服屋を出たサートたち3人は、テントや寝具などを買いに雑貨屋に入ったが、

ここでもお代を払うことなく野営道具一式が手に入った。


サートは誰にもバレないように収納魔法で買った物を収納していた。

ルナが怪しんでいたが、サートは気にしないようにしていた。


そしてこれまで街中でルナに話しかけてきた店の店主や通行人から

「これもらって。」「よかったらこれ食べて。」「これがあると便利よ。」と、

たくさんの食材や道具をもらったおかげで、食料や道具は買う必要がなくなり、

結局サートはこの街でお代を一銭も払うことは無かった。


「この王女さん自身って、プラチナカードなんじゃね」と、

サートは思うと同時に、感知魔法の気配を感じて笑っていた。


「またあなた、私のこと、何か失礼なこと考えていませんか?」と、

ルナはサートをにらみつけた。


「そんなことはありませんよ」と、サートはまた汗を流した。



食料や道具などの準備ができたサートたち3人は、

今晩は街の宿に泊まろうか悩んだが、

王城での一件もあることから街を出ることにした。



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