第10話 防壁の門の通り方
食料や道具などの準備ができたサートたち3人は、
今晩は街の宿に泊まろうか悩んだが、
王城での一件もあることから街を出ることにした。
街の宿に泊まることは、
隠ぺい魔法と防御魔法でなんとかなりそうと思っていたが、
王女様が慕われている街で騎士隊や魔法師団と戦闘で暴れて、
街の住民に迷惑を掛けたくないことから街を出ることにした。
代金は払ってないけど買い物を終えて…というか、旅支度を終えて、
しばらく歩いて行くと商店や家屋が少なくなって、高い防壁に近づいてきた。
他国や魔物の襲撃から街を守るため、街は高い防壁に囲まれていて、
街道がつながるところに大きな門があり、常に門番兵が往来者を見張っている。
「さすがに王女様が門番兵のいる防壁の門を、
顔パスで通れるわけはないよなぁ」と、サートは考えていた。
ふとサートが横を向くとルナの姿が無く、「あれ?ルナは?」と、
リオナに聞くと、リオナは大きな門の方に指を差した。
するとその防壁の門のところにルナは立っていて、門番兵と話をしている。
「これから旅に出ます。王城の者には怪しい者は通ってないと
お伝えください」と、ルナはあっさりと笑顔で門番兵に話しかけている。
「お、王女さま―――っ!」と、サートは心の中で叫んだ。
門番兵は、
「王女様が通ったことを黙ってバレたら衛兵から罰を受けて、
王女様が通ったと報告がバレたら王女様から罰を受けて・・・」と、
口から魂が抜けていた。
「門番兵さん、ごめんなさーい」と、サートたち3人は、
この隙に防壁の門を通り抜けて、あっさりと街の外に出ることができた。
「この王女さんってやっぱり自由人か、おてんば娘だ」と、
サートは笑みを浮かべた。
「またあなた、私のこと、何か失礼なこと考えていませんか?」と、
ルナはまたサートをにらみつけた。
サートは、
「そんなことはありませんよ」とまた汗を流した。
時間としてはお昼を過ぎたくらいに街を出たサートたち3人は、
魔族の国に向けて歩きだし、とりあえず今晩泊まる場所を考えていた。
ルナが、「少し遠いですが、この先に大きな湖があります。
ここからだと半日以上かかりますし、追っ手にも見つかるかしら?」
と悩んでいた。
サートは感知魔法で周辺を探ったが進む方向には危険を感じなかった。
サートが、
「そこにしましょう。隠ぺい魔法と防御魔法でなんとかなるし、
もうお昼を過ぎてるし急ぎましょう」と言って、
リオナとルナに身体が軽くなる魔法をかけた。
するとサートたち3人は、感覚としては普通に歩いているが、
サートの魔法で後ろから追い風を送り、歩くスピードを上げていた。
サートたち3人は陽が沈む前に大きな湖のほとりに着いた。




