第8話 自己紹介
無事に王城を出たサートたちは、これからの旅の準備で街に行くことにした。
王城から街までの道中で、サートは自分の状態を確認していた。
手を真上に上げて小さな竜巻を出し、魔法は上位魔法まで使えそうだった。
ゲームの世界だと、レベルMAXでチート技のちょっと反則のような感触。
そしてこの世界では禁忌のチート魔法になる収納魔法も使えて、
なんとその中に、前にこの世界に来た時に貯めていた硬貨が入っていた。
サートは王女ルナに硬貨を見せて街で使えるか聞くと、
「わが国で使われている硬貨ですね。普通に使えますよ」と、即答だった。
サートは以前にこの世界に来たことがあり、今回サートは召喚された際に、
以前にこの世界にいた状態になっていることを確認した。
街まで歩きながらサートは自己紹介を始めた。
「俺は、明嵐 沙愛斗。こっちの世界ではサアト ミョーランやね。
元の世界でもサートって呼ばれてたし、サートって呼んでーや」。
「私は、ルナエテル・ナゼルジェフ。気軽にルナと呼んでください」
と、ルナは笑った。
女子学生リオナが、「私は、諸見謝 里緒奈。」と、小声で言った。
ルナが、「サートと、・・・シャミ…ショミ…、」と困っていると、
サートが、「彼女の名はリオナだ。
俺たちの国ではファミリーネームが先だからね」。
そしてルナは、「サートとリオナね。リオナよろしくね」とリオナに微笑んだ。
リオナも小さくうなずいた。
「リオナ、歳はおいくつかしら? 私は19歳よ」と、ルナはリオナに聞いた。
リオナは、「17歳」と答える。
「ついでに隣で聞き耳立ててるサートはおいくつなの?」と、ルナが聞いた。
「俺はついでかーい。 うーん、元の世界では50歳だったんだけど、
今は20歳くらいかなぁ。この話、ちょっとめんどくさいから、
今度、機会があったら話をしようか」と、サートは言葉を濁した。
リオナとサートはルナを見て、
「この見た目で19歳」と無言で少し驚いた。
「おふたり、何か失礼なことを考えていませんか」と、ルナが言うと、
リオナとサートは、笑ってごまかした。
ルナはリオナの学生服を見て、
「リオナが着ている服、かわいいわね。
その服はあなたのお気に入りだったりするの?」と聞いた。
「この服は学生服。私もこの制服は気に入っている」と、
リオナは恥ずかしそうに答えた。
「学生服?何か特別な時に着る服なのかしら?」と、ルナが聞く。
リオナが、
「学校に着て行く服。みんな同じ服を着て行く」と答える。
するとルナは、
「学校とは何をするところかしら?」と、不思議そうな顔をした。
「学校は勉強するところ」と、リオナが答えると、
「その学校とやらのこと、今度、詳しくお聞きしてもよろしいかしら」
と、ルナはリオナに言い寄っていた。
「私がわかる範囲であれば」とリオナは少し戸惑っていた。
サートたちが街で店を探していると、王女ルナエテルは街では人気者らしく、
「ルナさま、ごきげんよう」、「王女さま、これ持って行って」、
「今日はどちらまで」と、どの店の店員や通行人からも声をかけられていた。
リオナの学生服はこの国では目立つので、まずはルナが勧める服屋に入った。




