第4話 殺される前の対処
魔法師団長アリメガクは魔法の杖を前に出して警戒しながら、
「貴様、今、何をした?」と、サートに聞いてきた。
サートが、
「剣を抜かれて殺される前に対処したまで」と言うと、
アリメガクは、
「そうではなく、何をして手が切れ落ちた?」と聞いた。
「敵に技を教えるわけないやろ」と、サートは笑いながら答えた。
続けてサートが、
「血が吹き出ても気持ち悪いから止血も同時にしておいた。
切られたところはすげぇ痛いと思うねんけど」と、騎士たちに微笑んだ。
アリメガクは、
「風の魔法で手を切る?でも血が出ない?それよりも詠唱は?
まさか無詠唱で魔法!?」と、何も分からないでいた。
アリメガクは、
「貴様、本当に何をした?」と、再度サートに聞いたが、
サートは無視して周りを警戒していた。
フェランドクが、「こっちは剣を抜いただけだぞ」と、
両手両足を切り落とされて痛みで苦しい中でも強気に話してきた。
サートは、
「剣を抜いただけ? 剣を抜いたら俺が静かになるとでも思った?
そっちが剣を抜いたら、こっちは殺されへんように対処するがな。
この国最強の騎士は剣を抜くだけで強いんか? そりゃ魔族が怖いわなぁ。
それで、勇者様助けてーってか」と騎士たちをバカにした。
ここで国王が強い口調で、
「貴様!なんてことをしてくれたんだ、この国最強の騎士団に!」と、
右手を前に出したその瞬間、サートはまた右手を振り上げて、
国王の右手が切り落とされて、国王は悲鳴をあげた。
そしてサートは、
「オオサマよ、口の利き方に気を付けろ。
今、この場で誰が一番上か、よく考えてしゃべれよ。
オオサマの言うこの国最強の騎士がこの有り様やで。
この国最強が…。 この国…最強…」と、笑いをこらえていた。
これまで状況を見定めるように静かだった王妃が国王のところに駆け寄り、
切り落とされた国王の右手を取り上げてすぐに治癒魔法を始めた。
王妃の動きを見たサートは、なぜかサートの中の王妃の格付けが、
“クソババア”から“おばさん”に格上げした。
アリメガクと2人の魔法使いは魔法の杖を前に出して警戒したまま、
動くことはなかった。
横の貴族っぽい連中は、恐れて動くことはできなかった。
サートはフェランドク以外の騎士5人の切り落とした手を治癒魔法で治療した。




