第2話 ファーストコンタクト
サートは気が付けば、
中世ヨーロッパ時代の王城の広間のような場所に立っていた。
サートの姿は中二病心をくすぐる冒険者っぽい服装に、
年齢は20歳くらいの感じだった。
どうやら“ダ女神”への要求が通った感じだった。
右隣にはサートと同じように転移してきたと思われる高校生くらいの学生服姿で
まじめそうな女性が、とても驚いた顔をしてしゃがんでいた。
正面には豪華なイスに座る王様と王妃と思われる“おじさん”と“おばさん”が、
静かに座っていた。
左側には大きな魔法の杖を持った男が3人と、貴族らしき高齢の男が3人と、
右側には役人らしき男が1人と、胴に防具と腰に剣を持つ騎士が6人、
並んで立っている。
サートは身の危険を感じていた。
そこで右手に力を入れて静かに自分に防御の魔法をかけた。
どうやら魔法はうまくいったみたいだった。
そこですぐに隣の女性にも防御の魔法を静かにかけた。
「私はリヴァンウィン・ダムハラート、この国の宰相を務める者である。
国王セジャクカリー様の御前である故、頭を下げぬか」と、
右側の役人らしき男が口を開いた。
なぜかサートは、正面の椅子に座る“おじさん”“おばさん”の方を見て、
「“おじさん”“おばさん”から“オッサン”と“クソババア”に格下げやな」と、
勝手に格付けをしてつぶやいた。
その国王が立ち上がり宰相リヴァンウィンの方を見て、
「リヴァンウィンよ、この者はまだ何も知らぬゆえ、このままで良い」。
さらに国王はサートの方を見て、
「私はセジャクカリー・ナゼルジェフ、この国の王である。
勇者よ、よくぞこの呼びかけに答えてくれた」。
それを聞いたサートは、
「いや、答えてねぇよ!」と叫んだ。
その時、右側の一回り身体の大きい騎士が、
「貴様!国王に向かってなんて口の利き方を!慎まぬか!」と、
腰の剣に手を置き身構えた。
「あ゛? いきなりこんなところに飛ばされてきて、誰が国王とか知らんわ!
たとえそこのオッサンが国王でも俺には関係ねぇよ」と、
国王の言葉にサートは怒りを覚えていた。
騎士が、「貴様!控えぬか!ここは・・・」と言いかけたところで、
国王は右手を前に出し、「フェランドクよ、静まれ!」と叫んだ。
「彼はこの国最強の近衛兵騎士隊隊長のフェランドク・ルーザーロイルである。
反対側には近衛兵魔法師団団長のアリメガク・ルーザーロイルも控えておる」と、
国王はサートたちに牽制してきた。
そして国王は続けて、
「呼ばれし勇者よ、私の話を聞いてもらえるだろうか。
まずは勇者として呼んだそなたらの名前を聞いてもよいだろうか」。
国王の問いにサートは、
「俺は、みょうらん さあと。
あぁ、こっちでは、サート ミョーランだ」と不愛想に答えた。




