第1話 あの世を経由して転生
話のどこかで「クスッ」と笑える異世界モノ。
気楽に読んでみてください。
主人公サートのしゃべり口調は軽い関西弁。
関西弁が苦手な方はごめんなさい。
明嵐 沙愛斗、50歳。
バイクとアニメが好きな中二病に感染しているオッサンで、あだ名は“サート”。
このあだ名は40年以上使われていて、自分でも気に入って名乗っている。
2025年、現代の日本。
サートは23歳の頃に買った大型のスポーツバイクで、
山の中を気持ちよく走って、ツーリングを楽しんでいた。
「50歳でこんな姿勢のきついバイクをラクに楽しめるなんて、
あのダメな女神に一応感謝やな」
そんなサートだが、実は半年前まで脳梗塞による意識不明で入院していた。
医者からは、「あと半年の命」と診断されていたのだが、
不思議な魔法世界の魔族の王と、不思議なあの世のダメな女神によって、
サートの脳梗塞は完治して、バイクを楽しめるようになっていた。
気持ちよく走ったツーリングから帰宅してバイクから降りると、
突然サートの辺りが白い霧に包まれて、
地面と頭上に魔法陣のような模様が表れた。
そして上下の魔法陣のような模様の間が青白く眩しく光った。
サートは気が付いて目を開けると、辺り一面が真っ白な世界が広がっていて、
目の前にサートの見覚えがある女神が現れた。
「この“ダ女神”!これってまた転生か?」
見覚えがある女神に向かってサートは叫んだ。
「“ダ女神”って言うな。
それにこれは違う、私じゃない、あの魔法の世界からの力によるものなの」と、
女神は戸惑いながら答えた。
サートは、「そんなん知らんけど、どうせ時間無いんやろ。
また魔法の世界に行くんやったら、前と同じ姿にしてくれんか」と、
急いで要求した。
「そんなことできるわけないでしょ!」と、女神は即答だった。
「使えねぇな、この“ダ女神”!」と、
サートがつぶやくと同時に、周辺がまた青白く眩しく光った。
女神は消えていく中で、「“ダ女神”って言うな――!」と叫んでいた。
気が付けばサートは、
中世ヨーロッパ時代の王城の広間のような場所に立っていた。




