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第19話 2回目の転生人生

「うん、さっきの話は1回目の話。2回目は・・・」と、

サートはまた話し始めた。



セレグから“明嵐沙愛斗”のサートに戻って、病院のベッドで意識は戻ったが、

サートは脳梗塞の影響で身体が動かせずに、ずっと寝たきりの状態だった。


サートの意識が戻って2ケ月が過ぎた頃、

再びサートは脳梗塞の影響で意識を失った。


サートの目の前がまた青白く眩しく光って気が付くと、

前に見た女神の姿があった。


そしてすぐに青白く眩しく光って、

女神の、「ごめーん」という声が聞こえた。


サートは目を開けて気が付くと、森の中で立っていた。


そしてサートは微かな記憶の中にある女神を、“ダ女神”に認定していた。



サートは、近くの池で自分の姿を確認した。


それは、前にこの世界で魔族の王と戦った時の、18歳のセレグの姿だった。


セレグは、「またこの世界に来たのか」と落ち着いて周りを見渡した。


近くにどこか見覚えのある村があり、そこはセレグが生まれ育った村だった。


セレグは自分の両親を探した。


しかしどこか自分が育った景色と少し違っていて、

両親を見つけることはできなかった。


そして村を調べるうちに、

以前この世界に来た時より150年経っていることがわかった。


村人に“セレグ”と名乗ると、

「150年前の勇者と同じ名だ」と、みんなが言ってきた。


セレグは行く当ても無く住むところに困っていたので、

村の手伝いをするということで、昔生まれ育った村に住むことにした。


セレグは魔法が使えたこともあり、村では大いに重宝された。


その姿に嫉妬や恨みを持つ連中もいたが、

セレグのしたたかで威張らない姿に恨みを持つ者はいなくなっていた。


セレグは村で過ごしている間、魔法の鍛錬を続けていた。

それにより、この世界ではありえない禁忌の魔法ができるようになっていた。


そんなことは露知らず、中身が中二病に感染したオッサンであるセレグは、

この世界で最強の魔法使いになっていた。



村に住み始めて2年が過ぎた頃、なぜかまた人族と魔族の争いが始まった。


セレグは以前と同じように、強い防御の魔法を村全体にかけた。


そしてセレグは、

「これは俺が転生してきた意味があるのでは」と、

魔族の王に会いに行くことを決めた。


それと同時にセレグは、以前に魔族の王との話の中で、

「先に争いを始めたのは人族だ」の言葉を思い出した。


そこでセレグは、

この世界では禁忌とされる隠ぺい魔法を自分にかけて王城に忍び込み、

魔族との争いを調べることにした。


そして王城に忍び込んでわかったことがあった。

それは確実に人族側から魔族に争いを始めたこと。


その理由が、

魔族の国の近くに人族の村があり、その村にある鉱石が採れる洞窟を、

この国の王族たちが手に入れたいと考えていることからだった。


この鉱石が採れる洞窟を持つ村は、人族にも魔族にも鉱石を売り、

村の生計を立てていた。


そこに王族たちが独り占めしようと魔族に争いを始め、

この村から魔族との取引を止めさせて、王族が乗っ取ろうとしたようだった。


魔族の襲撃でどこの村でも、

犠牲者が出たり、家族を失ったり、家や畑を壊されたり、

この身勝手な王族たちのせいで町や村の住人は困っていて、

セレグは激怒していた。


セレグは魔族との戦闘開始に関与した王族たちに激痛と治癒の魔法をかけた。


魔法をかけられた王族たちは、

激痛で気絶して治癒魔法で意識が戻り目覚めるという、

気絶と目覚めを繰り返して生かさず殺さず、

次の日には王族たちの精神は破壊された。



そしてセレグは、魔族の王に会いに行く旅に出た。


魔族の国に入ったところで、大きな魔物のオオカミがセレグに懐いて、

そのオオカミに乗って移動したおかげで、早く魔族の王と会うことができた。


サートは魔族の王に人族の王族たちによる争いの経緯いきさつを話した。


魔族の王は、セレグに対応を感謝したと同時に、

150年前の転生した件に気付き、

転生者には余計な手出しは無用だと怒っていた。


そして魔族の王は、またセレグに強い魔法をかけた。



セレグの目の前が青白く眩しく光って気が付くと、

辺り一面が真っ白な世界が広がっていて、またあの女神が現れた。


セレグの前に現れた女神が、

「またあなたは偶然にも神の間違いに巻き込まれた人間。

意識を失った時に私の力が加わったことで、違う世界に転生したようです。

この先、このようなことはもう起こりません。すぐに元の世界に戻るのです」

と言い、セレグの目の前が青白く眩しく光った。


セレグは、「この“ダ女神”―」と叫んだ。


眩しい光の奥から微かに、

「“ダ女神”って言うなぁ」と、女神の声が聞こえた。


そしてセレグが目を覚ますと、

“明嵐沙愛斗”のサートに戻って意識が回復していた。


しかも脳梗塞で身体は動かず、

医者からは、「あと半年の命」と診断されていたのに、

脳梗塞は治って身体も正常に動くようになっていた。


奇跡的に病気が治ったサートは、普通の生活を送っていたのだが、

病気の完治から半年後、

今回の王城の広間での召喚でこの世界に来たことを話した。


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