第3話 ふりかけ
合唱コンクール本番まで後9日。
この日は昼帰りということもあり練習時間はほとんど取れなそうだ。
1時間目、2時間目、3時間目と次々と終わっていく。
そしてついに4時間目。
この時間は、こないだ剥離骨折で退場した担任の佐野先生だ。
教卓に立ち授業の用意をする佐野先生。
ここで岡野参上。岡野は先生の名前を呼び捨てで叫んだ。どうやら佐野先生に見てほしいものがあるようだ。
岡野は生徒に呼びかけた。
授業開始目前にも関わらず全員机と椅子を後ろに下げ始めたのだ。
困惑する佐野。生徒を綺麗に列を作り、先頭の真ん中に岡野。見て欲しいもの。それはなんと
メッカだ。
生徒は床で土下座し、岡野は合唱コンクールの練習をこの授業の時間でやりたいということを伝えた後、土下座した。
佐野は驚いたのか全く声を出さない。岡野率いる生徒たちも佐野が話し出すまで土下座をやめるつもりはない。
その雰囲気を察した佐野。
足音を全く立てずに教室から出たのだ。
生徒たちは佐野に返事が来るまで今もなお土下座を継続している。
5分経った。この光景は変わっていない。
生徒15人が汚い教室の床で頭を下げている。
しかし10分経ったところで人間性が次々に出てしまった。
お腹が鳴る男子、こっそり屁をこく男子、眠る女子、とっくに飽きている岡野。
先陣を切ったのは新藤。土下座をやめ起き上がったのだ。
新藤は佐野が消えたことを言い、他の生徒も次々と起き上がった。
岡野は佐野の行動に怒りを露わにし、佐野の教卓をグラウンドへ投げ捨てた。
岡野はいいことを思いついたのだ。
生徒たちに下げられていた机椅子を戻すよう指示した。
そして彼らは生徒のみの環境で自習をし始めたのだ。
その教室を通った校長。生徒たちは校長に元気に挨拶をした。
校長は生徒のみの環境に当然疑問を持ち、自習監督は誰なのかを聞いた。
岡野は満面の笑みで口を開いた。
「佐野先生が授業に来ないんですよ〜w」
なんという愚策だ。
佐野がいなくなったことを、授業をサボったことに仕立て上げたのだ。
校長は怒りを露わにし、すぐ佐野がいると思われる職員室へ向かった。
佐野は職員室でカップ麺をすすっていた。
そこで校長がいつもより強く職員室の扉を開いた。
佐野はここで大やらかしをしてしまった。
校長が来たことに焦った佐野。急いでカップ麺を隠そうとした時だった。
誤ってカップ麺の容器をサイドスローで投げてしまい、校長のスーツにばしゃーん。
職員室の外から大爆笑する岡野。
結局この日は練習も何もできなかった。
後8日だ。頑張れ3年1組。




