↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】夢見た世界でガレットを  作者: Pe.com
第一節 夢の始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/43

第4話 決意

「てか、服着ないのか……その格好でいられると……それに、寒いだろ」


そうは言われても、着替えを持ってくるのを完全に忘れている。唯一の服は、覚の血で汚れているし、覚が着ていた服は、魔獣の攻撃で、もうボロボロだ。


「仕方ないじゃない。その服しか持ってきてないんだから。もう不要なのなら返して」


 返却を求め、私が手を出すと、彼はあっさり私の服を差し出した。決して私の方は見ようと、やりすぎなくらい目を逸らしている。


 今すぐにでも血を洗い落としたいが、こんなところに水道は無い。洗うとしたら、あの近くの小川の水でしか無理だろう。でも、こんな格好で、あの極寒の中洗い物なんてしたくない。どうしたものかと頭を抱えていると、覚がゆっくりと立ち上がった。


「俺が洗いに行ってこようか?」


(どこ見ながら話してるんだこいつ……)


 でも、洗いに行ってくれればかなり助かる。でも、あの傷を受けたんだ。それなのに、もう動けるなんて、異常すぎる。


「それは有難いのだけど……あなた、もう動けるの?あの傷、普通なら死んでるわよ?」


 「いや、もう普通に動けそう。ほら、服貸してよ。洗いに行ってくる」


 やっぱり、こいつは異常だ。普通の人間で無いことは、もう理解した。まさか、こいつが『夢見人』なんじゃ……


 いや、そんなまさか……


 私は無言で服を突き渡し、覚に洗いに行かせた。その間暇だったので、何か食べようと思い、バッグの中を漁る。入っていたのは、乾パン、塩漬け肉、あとは乾燥豆だけだった。このままじゃ、飢え死にしてしまう。お金は十分にあるから、近い内に街を見つけ、食料を買い足さなくては。


 今日のところは、乾パンだけで我慢しよう。そう思い、それを人かじりしてみたが、やっぱり美味しくなかった。ショボショボと、少しずつ齧りついていると、洗濯から覚が帰ってきた。


「血はキレイに取れたかも」


 覚は洗ってきたビショビショの私の服を、朽ちかけた椅子に掛けた。彼も疲れているだろうと思い、乾パンを一つ差し出すと、やっぱり目を合わせないまま、彼はそれを受け取った。


「ま、まずい……」


 彼の口にも合わなかったようだ。やっぱり、新しい食材、ついでに服も調達しに行きたいところだ。


「明日、街を探すために、ここを出ようと思うの。あなたも着いてくる?」


 そう私が聞くと、覚は頷いた。私としても、彼がいると一人よりかは安心だ。信用しきっていない部分はあるが、連れて行くほうがマシだろう。


「なら、もう私は寝るわ。私は一階で寝るから、申し訳ないけど、あなたは二階で寝てね」


 私がブランケットを体に巻き付けたまま横になり、寝ようとしたが、彼が驚いて止めてきた。


「おいおい、あの明らかに汚い二階で寝ないといけないのか?変なことしないからせめて一階で寝かせてくれよ!」


「無理よ。あなたくらいの年の男は、みんな、あんなことや、そんなことしか考えてないんでしょ?わかったら早く二階に行きないさい。おやすみ」


 その後も少し覚は駄々をこねていたが、私は反応せず、渋々覚は二階へ向かった。


 こうして、私にとって激動の一日を終えた。彼と出会ってから、少し薄れていたが、私は祖国も、愛する人達も失った。こう呑気なことはしていられない。必ずレーヴェに戻り、あの生活を取り返す。その意識を再度強め、私は眠りに着いた


ご覧いただき誠にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。