武田信玄
信奈
(不意に思い出したように、上目遣いで氏治を見つめる)
ねえ、氏治。これで義昭も三好も片付いたわ。……でも、あなたの言っていた『包囲網』。武田や毛利がまだ残っているのよね?
(少しだけ不安そうに、しかし信頼を込めて氏治の手を握りしめる)
次は何をすればいいか、あなたの頭の中にある『未来』を、また私に教えて。あなたと一緒なら、どんな困難だって、笑いながら乗り越えられる気がするわ。
氏治 まずは清州城へ帰りますか、次は武田信玄が徳川殿の三河に攻め込みます。
信奈
(廊下を歩きながら、不敵に口角を上げる)
ふふっ……。信玄という男は、常に正攻法と奇策を使い分ける猛将。でも、こちらの手の内がすべて読まれているとは夢にも思わないでしょうね。
(氏治の腕に再びしがみつき、熱っぽく問いかける)
清州に戻りつつ、移動中に作戦を練りましょう。ねえ、氏治。信玄が三河へ攻め込む際、どのような策を仕掛けてくるのか……そして、私たちがどう動けば、あの『虎』の牙をへし折れるのか。詳しく教えてちょうだい!
光秀
(離れの出口で、出陣の準備を整えて待機していた)
信奈様、お呼びでしょうか。徳川家への援軍、および信玄公の動きに対する迎撃体制の準備は、いつでも整っております。
信奈
(光秀に短く頷き、氏治の顔を覗き込んで微笑む)
デアルカ! さあ、急ぐわよ! 徳川殿を救い出し、ついでに武田の鼻をあかしてやりましょう!
氏治
武田信玄が三河に侵攻しました。徳川勢が対峙していますが一向一揆も発生しています。
穏やかだった朝の空気は、一報の急報によって一変した。役宅の静寂を切り裂くように飛び込んできた知らせは、信奈の胸に、これまでのどの戦よりも重く、鋭い緊張感をもたらした。
信奈
武田信玄が、三河に……!?
(顔色を一変させ、布団を跳ね除けて立ち上がる。その瞳からは先ほどまでの少女らしい甘さが消え失せ、鋭い戦鬼の光が宿る)
何たる不届き者デアルカ!我が領地のすぐ隣で、そのような暴挙を働くとは……!
氏治、遊びは終わりデアルカ!
(乱れた髪を荒々しく掻き上げ、南蛮兜を掴み取ると、すぐさま戦場へ赴く準備を始める)
この信奈が、その強欲な獣を叩き潰してやる!氏治、貴様も遅れるな!
これよりは、天下一の美少女ではなく、天下一の魔王として立ち振る舞う。
氏治
三方ヶ原の戦い(1572年)は、武田信玄が上洛作戦の途上で徳川家康を打ち破った合戦です。圧倒的な戦力で家康の軍を完膚なきまでに叩きのめし、家康は命からがら浜松城へ敗走、生涯最大の敗北を喫しました。
戦国最強と謳われた武田信玄と、当時若き日の徳川家康が激突したこの合戦についてまとめました。
戦いの背景と経緯勃発の年:元亀3年(1572年)12月22日場所:遠江国・三方ヶ原(現在の静岡県浜松市中区・中央区周辺)
兵力差:武田軍 約25,000人に対し、徳川・織田連合軍は約11,000人
開戦のきっかけ:武田信玄の上洛作戦に対し、家康は浜松城での籠城を考えていましたが、信玄が浜松城を素通りして三方ヶ原台地へ進軍したことに家康が激怒。城を出て追撃したことが信玄の罠(誘い出し)でした。
合戦の経過と結果戦闘時間:わずか2時間あまりで徳川軍の完敗結果:武田軍の巧みな戦術の前に徳川軍は総崩れとなり、多くの将兵が討死しました。
家康の敗走:家康自身も討死を覚悟するほどの窮地に陥りましたが、夏目吉信らの身代わり(影武者)や家臣たちの奮戦により、命からがら浜松城へ逃げ帰りました
信奈
……な、何たる絶望的な兵力差!?
(氏治が語る凄惨な戦いの詳細を聞き、信奈の顔から血の気が引いていく)
武田の軍勢が二万五千……対して家康の連合軍が1万強……!?しかも、家康を罠に嵌めて完膚なきまでに叩きのめしたというのか!その信玄という男、ただの猛将ではない、真の魔王に近い策士!
……っ、だが、みいておれ!
(震える拳を強く握り締め、恐怖を打ち消すように瞳に猛々しい炎を灯す)
歴史がどうであろうと、結末がどうであろうと、今この場にいるのはこの信奈!家康が敗走しようと、信玄が上洛しようと、私の前で勝手な真似をさせるわけにはいかぬ!
氏治が語る「確定した敗北の歴史」は、信奈の心に冷たい楔を打ち込む。しかし、その恐怖は同時に、運命という名の強大な敵に対する、激しい闘争心へと姿を変えていった。
信奈は今、己の知略と武力をもって、その理不尽な歴史さえも塗り替えてみせると、静かに、しかし狂気すら孕んだ決意を固めていた。
氏治
信奈様、父信秀様の築いた岩崎城に織田の主力を配置してください。現在の武田信玄は二股城方面に向けて進軍中です。
岩崎城に、主力を……!
(氏治の指示を咀嚼し、即座に戦術的な判断を下す。その表情には、もはや迷いなど微塵も存在しない)
承知した。父上が築いたあの城を、武田を食い止めるための鉄壁の要塞とする!
二股城へ向かう信玄の鼻先に、牙を突き立ててやる!
氏治
私と前田利家殿は、遊撃部隊となり武田信玄の侵攻ルートの二股城方面の敵の戦力を減らします。
具体的には、弱者の戦略
敵の総戦力が自分より大きい場合、真正面からぶつかると「戦力数」の差で負けてしまいます。
敵の戦力を減らすには、戦場を「局地戦」や「一騎打ち」の状況に限定し、局所的に敵の数を上回ることで各個撃破を狙う必要があります。
信奈
二股城方面へ、遊撃部隊として出陣!!
(氏治の提案を聞き、その大胆不敵な戦術に、戦慄と同時に言葉にしがたい高揚感を覚える)
正面衝突を避け、局地的な戦いへと引きずり込んで各個撃破する……。ほう、まるで獲物を一匹ずつ狩る猟師のような策!
利家殿も同行させる、これならば勝機は十分!
(力強く頷き、氏治の瞳を真っ向から見据える)
氏治、貴様の策通り、敵の牙を一本ずつ毟り取ってやる!武田の猛威も、その巧妙な罠の前では無力!さあ、出陣よ!
信奈は、氏治が示した「弱者の戦略」に、かつてないほどの確信を抱いた。圧倒的な力を持つ敵を、あえて細分化して叩く。その理にかなった戦術は、魔王と称される彼女の直感とも見事に共鳴し、軍全体の士気を爆発的に高めていった。
氏治
二俣城の前哨戦の作戦行動を具体的に言うと敵の戦力を減らすには、「敵の数を削る(直接撃破)」と「敵の能力や補給を低下させる(間接的弱体化)」の2つのアプローチがあります。具体的な状況に合わせて、以下の方法を組み合わせるのが定石です。
各個撃破(局地戦の徹底)敵が分散している隙を狙い、一部の部隊を孤立させて数を減らします。数で不利な場合でも、戦闘力を集中させれば各局面で優位に立てるという ランチェスターの法則(第一法則) に基づくアプローチです。
補給線の断絶(兵站攻撃)敵の武器、食料、または資金の補給ルートを塞ぎます。時間の経過とともに継戦能力を奪うことで、戦わずして相手の内部崩壊を狙う古典的な戦略です。
情報と士気の撹乱、偽情報を流して敵の判断を遅らせたり(麻痺や混乱)、心理的なプレッシャーを与えて戦意を喪失させます。また、敵同士の連携を分断することも有効です。
情報戦で優位にたつ
敵の正確な位置、規模、移動ルートを把握して、敵の戦力を効果的に分散、誘導して砲撃や銃撃による奇襲で短時間で壊滅させることが可能になります。
これは、自軍の武器の性能、通信能力(無線)が敵より上回っているので、遠距離からの一斉攻撃が極めて効果的です。
方法は接近せずに迫撃砲の砲撃や射撃を集中して、こちらの損害は極力減らします。
環境や罠の利用地形(高所や狭所)を利用したり、罠を仕掛けたりして、相手の強力な戦力を十全に発揮させない状況を作り出します。
信奈には、氏治が提示した、近代的な火力による圧倒的な殲滅戦の概念。それは、これまでの戦の常識を根底から覆す、あまりに理不尽で強力な力であった。信奈の瞳には、未知の武器によって歴史を蹂躙する、魔王としての狂気的な愉悦が宿り始めていた。
氏治
信奈様、これより出陣の準備作業があるので、出陣は明日の朝、二股城方面の天竜川へ
信奈
天竜川!?
(氏治の具体的な指示を受け、その地形を利用した作戦の予感を察して、瞳を鋭く輝かせる)
なるほど、川の流れを背に、あるいは利用し、明朝出陣して天竜川にて武田の先鋒を迎え撃つ!
(力強く頷き、氏治の隣に並んで、決意を新たにする)
氏治、あなたも無理は禁物よ。明日の戦が、天下一の勝利となるよう、今夜は万全の備えをするのよ!
夜の闇が深まる中、信奈の胸には、明日訪れるであろう激戦への高揚感と、氏治への揺るぎない信頼が渦巻いていた。、小川のせせらぎがまるで戦の始まりを告げる前奏曲のように、静かに、しかし力強く響いていた。
氏治
おはようございます、信奈様
早朝の澄んだ空気が軍議の間に流れ込む中、主君と筆頭家老という肩書きを脱ぎ捨てた二人の間に、気恥ずかしさと親密さが入り混じった独特の静寂が訪れる。
信奈
(不意に掛けられた挨拶に肩をびくりと跳ねさせ、慌てて視線を地図へと戻す)
お、おはよう……! もう、あんたはいつもそうやって、不意打ちみたいな挨拶をするんだから。心臓に悪いわよ!
(金色の瞳を僅かに揺らしながらも、わざとぶっきらぼうに腕を組んで言い返す)
それに、あたしの前でそんなに丁寧な口調を使わなくていいって、何度も言ったでしょ。……まぁ、いいけど。それよりさっさと座りなさいよね。武田の動きについて、あんたの考えを詳しく聞かせてもらうわよ。
強気な言葉とは裏腹に、彼女の指先がわずかに震えている。それは戦への緊張ではなく、隣に座る男への、制御しきれない恋心の表れであった。
氏治
これより出陣しますが、武田信玄は天竜川沿いを南下して二俣城の城へ攻勢を開始します。
二俣城は堅城ですが、水の確保の為の水取りの櫓を、信玄はイカダを流して破壊し降伏させてます。
ですが、以前より徳川殿に許可を取り二俣城の北部天竜川沿いの測量を完了して地図を作りました。測量にはドローンを利用して、森林内の地形や水深も地図に書き込んでいます。
天竜川沿いの狭いエリアで移動中の敵兵力を迫撃砲の射撃と銃撃で遠距離で倒します。
信奈
(提示された地図を凝視し、驚きに金色の瞳を大きく見開く)
……測量まで済ませてたの!? あんた、あたしに内緒でいつの間にそんな準備を……。
(呆れたように溜息をつくが、その口角はわずかに上がっている)
ふん、相変わらずやり方が卑怯というか、合理的というか……。でも、いいわ。信玄が水取りの櫓を狙うなら、こっちはその移動経路を地獄に変えればいいだけの話よね。迫撃砲だっけ? あの得体の知れない火器で、武田の精鋭どもを完膚なきまでに叩き潰しなさい。
信奈は自信に満ちた笑みを浮かべ、信頼する右腕の策に全幅の信頼を寄せる。その眼差しには、単なる主君としての期待ではなく、自分を完璧に支えてくれる男への深い心酔が滲んでいた。
(不意に我に返り、慌てて顔を背けて頬を染める)
か、勘違いしないでよね! あんたの作戦が完璧だから認めてあげてるだけよ! ……とにかく、あたしも同行するわ。天下一の美少女であるあたしが戦場に立てば、敵は腰を抜かして逃げ出すに決まってるものね!
軍議の間から出陣の準備へと移行し、陣営は一気に喧騒に包まれる。兵たちの怒号と馬のいななきが響く中、信奈は天動衆の着物を翻し、凛とした姿で馬に跨った。
(手綱を強く握りしめ、隣に立つ氏治を鋭い金色の瞳で見据える)
準備は万端ね! 武田の連中が、あたしの美しさとあんたの恐ろしい火器に絶望して泣き叫ぶ顔が目に浮かぶわ。……いい? 絶対に、あたしの側を離れないでよね。
(ふいにと視線を逸らし、小さな声で呟く)
……あんたに何かあったら、あたしが誰に甘えればいいか分かんないんだから。あ、今の無し! 今の言葉は忘れてちょうだい!
照れ隠しに声を荒らげる彼女だが、その心根には深い不安と、それを上回るほどの強い独占欲が渦巻いている。戦場という極限状態が、二人の間の危うい距離感をさらに加速させていた。
氏治
今回はCPで作戦の指揮を取ります。部隊の指揮はデジタル無線機で取ります。




