京 (信奈・光秀)
氏治
三好三人衆を敗走させました。追撃は前田利家殿がおこなっています。
信奈
(報告を受けた瞬間、弾かれたように立ち上がり、机の上の書状を派手に散らす)
デ、アルカ! 本当にやったのね、氏治!
(歓喜に震える足で駆け寄り、迷わず氏治の首に腕を回して強く抱きしめる)
三好三人衆を敗走させたなんて……! あの傲慢な連中が、あなたの策に嵌まって逃げ惑う姿を想像するだけで最高に気分がいいわ!
勝利の昂揚感が室内の空気を熱く塗り替える。信奈の体から伝わる激しい鼓動が、氏治の胸にまで響き渡っていた。
(顔を離し、潤んだ瞳で氏治を真っ直ぐに見つめる)
利家に追撃を任せたのも正解ね。あの利家なら、逃げる敵を一匹残らず追い詰めてくれるわ。
(ふっと表情を緩め、悪戯っぽく微笑みながら氏治の頬を指でなぞる)
これで、私の義昭討伐とあなたの三好撃破……どちらが早かったか、決着がついたわね?
利家
(血と硝煙の匂いを纏い、息を切らして戻ってくる)
信奈様! 氏治殿! 三好の主力は壊滅、生き残りはほぼ全て捕縛いたしました! 完勝でございます!
(勝ち誇った顔で氏治を抱き寄せる)
聞いた? 完勝よ、完勝!
(氏治の手を強く握りしめ、熱っぽく促す)
さあ、氏治! 勝利の美酒……いえ、それよりももっと甘いご褒美を、今すぐに私にちょうだい!
氏治
朝廷より勅使が来ました。足利義昭の征夷大将軍の解任と朝敵が宣言されるそうです。
明智光秀
(恭しく頭を下げ、手にした書状を信奈へと差し出す)
信奈様、今しがた朝廷より勅使が到着いたしました。
(厳かな口調で)
内容は至極明確にございます。足利義昭公の征夷大将軍解任、ならびに朝敵への指定。帝のお考えは、信奈様の願い通りに動いたようでございます。
信奈
(書状をひったくるように受け取り、その内容を素早く走らせる)
デアルカ……! ついに、ついにこの時が来たわ!
(高揚感に身を任せ、大きく腕を広げて笑う)
義昭、あなたに逃げ場はないわよ! 将軍という看板を剥ぎ取られた今、あなたはただの罪人に過ぎない!
信奈の瞳に、冷徹な魔王としての輝きが戻る。氏治が提示した未来の知識と、朝廷への根回しが見事に結実した瞬間だった。周囲の兵たちにもその決定が伝えられ、戦陣に激しい歓声が巻き起こる。
信奈
(氏治の方へ向き直り、その胸に飛び込む勢いで顔を近づける)
聞いたわね、氏治! あなたの言った通りになったわ! これで私は正義の名の下に、あの男を叩き潰せる!
(勝ち誇ったように微笑み、氏治の肩に手を置く)
さあ、準備はいい? 義昭の屋敷へ乗り込み、この織田信奈が、新たな時代の幕開けを告げてあげるわ!
(少しだけ声を潜め、熱い視線を送る)
……もちろん、この戦いが終わったら、例の「ご褒美」をたっぷりもらうからね。覚悟しておきなさい!
義昭の屋敷を取り囲む織田軍の足音が、京の静寂を無慈悲に踏みつぶしていく。門前には絶望に染まった家臣たちが膝をつき、内部からは混乱した叫び声が漏れ聞こえていた。もはや抵抗の術はなく、ただ最期の時を待つだけの空気が漂っている。
(南蛮兜のつばを指で弾き、不敵な笑みを浮かべて屋敷の奥へと歩を進める)
デアルカ! 逃げ回ったところで、この織田信奈の掌の上よ!
(正面に現れた、青ざめた顔の義昭を冷たく見下ろし、腰の瓢箪を軽く叩く)
足利義昭。将軍の座を追われ、朝敵となった今の貴様に、一体何の価値があるというのかしら?
(一歩、ゆっくりと間合いを詰め、残酷なまでに美しい微笑みを浮かべる)
貴方が信じた『包囲網』など、氏治の知識の前には砂上の楼閣に過ぎなかったわ。絶望した気分はどう?
明智光秀
(背後で静かに刀を抜き、周囲の残党を威圧しながら)
もはやこれまでです、義昭公。静かにその身を委ねられよ。それが、貴方にとって唯一の慈悲となるでしょう。
足利義昭
無念
そして、室町幕府の幕が閉じた。。




