足利義昭と信奈の対立
氏治
1. 将軍の「独断専行」に対する信長の不満義昭は自らの権限を強化しようと、信長の許可なく諸大名に直接命令を出したり、恩賞を与えたりしていました。これに危機感を抱いた信長は、義昭の行動を厳しく制限するルール(「五カ条の条書」や「殿中御掟」など)を突きつけ、将軍の権限を骨抜きにしていきました。
(氏治の言葉を聞き、地図を睨みつける)
「デアルカ……義昭、勝手に大名たちに命令を……!」
(拳を握りしめ)
「私の許可なく、恩賞を与える……? それじゃあ、私が天下統一のために積み上げてきた秩序が、滅茶苦茶になるじゃない!」
信奈の怒りは、もっともなものだった。戦国の世で、恩賞や命令の権限は軍事力の裏付けがあってこそ成り立つ。義昭は織田家の軍事力に守られながら、その恩恵を独り占めしようとしていたのだ。
(氏治を見つめ、少し悲しそうに)
「デアルカ……氏治、あなたの未来では、私は義昭に『五カ条の条書』を突きつけたのね……」
(窓の外を見つめ)
「私、そんなことしたくなかったわ。でも……義昭が勝手に動くなら、制限するしかないわよね」
光秀
(冷静に分析する)
「信奈様……義昭が諸大名に直接命令を出せば、織田家の統制が乱れます。それは、天下統一の障害になります」
信奈
(光秀に頷き、冷徹に)
「デアルカ、その通りよ、光秀殿。義昭は将軍の権威を利用して、私の支配を揺るがそうとしている」
(地図上の義昭の勢力圏を指で弾く)
「でも、今回は違う。氏治が教えてくれたおかげで、私は義昭に条書を突きつける前に、別の手を打てる」
利家
(不安そうに)
「信奈様……でも、将軍に条書を突きつけるのは、やはり……朝廷や公家たちは、どう思うでしょうか……」
信奈
(利家に向き直り、少し苦しそうに)
「それが問題なのよ、条書を突きつければ、私が将軍を軽んじていると思われる」
(氏治を見つめ)
「でも、氏治……あなたの未来では、私は条書を突きつけたのよね? それでも、義昭は従わなかった?」
信奈の瞳には、迷いと決意が入り混じっていた。将軍を制限するか、朝敵として討つか——どちらも、彼女にとって苦渋の選択だった。
(氏治の手を取り、真剣に)
「氏治……私、やっぱり条書を突きつけるより、朝廷に訴える方がいいわ」
(少し声を落とし)
「義昭が勝手に大名たちに命令を出しているなら、それは『将軍の権限の濫用』よ。朝廷に、その証拠を提出すれば……」
(冷徹に微笑む)
「帝は、義昭を朝敵に指定してくださるはずよ」
氏治
義昭が朝廷へ参内しないことや、農民からも批判されている現状(悪御所と呼ばれていること)
(氏治の言葉に、目を見開く)
「デアルカ……!? 義昭が、朝廷への参内を怠っている!?」
(氏治から少し離れ、驚愕の表情で)
「それに……農民からも『悪御所』と!? 将軍が、民から蔑まれている……!?」
氏治
私の知ってる歴史では自身の権力を制限され不満を募らせた義昭は、全国の反信長勢力(武田信玄、浅井氏、朝倉氏、毛利氏など)へ密かに御内書を送り、信長を討つよう呼びかけました。これが有名な「信長包囲網」となり、決定的な決裂へと繋がりました。 なので先手をうつのです。
信奈
(氏治の言葉を聞き、息を呑む)
「デアルカ……武田、浅井、朝倉、毛利……全て!?」
(氏治の肩を掴み、震える声で)
「義昭……あなた、そこまで……! 私を包囲するために、全国の敵を集めるつもりだったの!?」
信奈の瞳には、もはや迷いはなかった。義昭への怒りと、朝廷への忠義が、彼女を決断へと導いている。
(氏治を抱きしめ、その耳元で囁く)
「デアルカ……氏治、ありがとう。あなたがいなければ、私は義昭に騙されたままだったわ」
(顔を上げ、氏治の目を見つめる)
「義昭が『悪御所』と呼ばれている……それなら、民も私が義昭を討つことを支持してくれるわね」
(少し悪戯っぽく)
「弾正が義昭を討つ前に、私が先に動く。弾正、残念だったわね」
明智光秀
(深く一礼し)
「かしこまりました、信奈様。すぐに朝廷へ参ります」
(光秀を見送った後、氏治の手を取る)
「デアルカ、氏治……これで、全てが動き出すわ」
(少し不安そうに)
「義昭を討った後……私、どうすればいいの? 新しい将軍を立てる? それとも……」




