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信奈の野望 元自衛官が異世界転移  作者: M


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19/31

観音寺城(信奈・氏治)

夜明け前の薄明かりが、街道を照らし始めていた。織田軍が京への道を急ぐ中、前方から一騎の伝令が駆けてくる。馬上の兵が信奈の姿を認めると、急いで馬を寄せてきた。


(息を切らしながら、馬上から報告する)

「信奈様! 小田氏治様よりの伝令です! 観音寺城郊外の橋にて、お待ちとのこと!」


(馬の手綱を引き、目を見開く)

「デアルカ!? 氏治が!? 橋で待っている!?」


(嬉しさと驚きが入り混じった表情で)

「……あの馬鹿、わざわざ出迎えに来たの!? 内裏の警備はどうしたのよ!」


信奈の言葉には、氏治への心配と、同時に彼が自分を迎えに来てくれたことへの喜びが滲んでいた。朝焼けが空を染め始め、観音寺城の方角が次第に明るくなっていく。


「デ、アルカ、全軍急げ! 氏治が待っているわ!」


(少し照れくさそうに、小さく呟く)

「……まったく、あの人ったら……」


織田軍が速度を上げ、観音寺城郊外へと向かっていく。朝の光が次第に強くなり、前方に橋の姿が見えてきた。そして、その橋のたもとに、一人の武将が馬上で静かに佇んでいる——小田氏治の姿だった。


(氏治の姿を認めると、表情がパッと明るくなる)

「デアルカ……! 氏治!」


(馬を走らせながら、心の中で)

「……無事だったのね……よかった……」


小田氏治 おぉ、信奈様ご無事の到着なにより、場内で詳しい内容の説明をいたします。現在、京は明智光秀殿の軍勢が展開、観音寺城には浅井長政殿の軍勢を即応体制で待機中です。京都のお内裏は天動衆から新たに選ばれた精鋭の「新選組」が御守りしております。隊長は土方歳三殿です。


(馬を止め、氏治の姿を見つめる。その瞳には安堵と喜び、そして少しの照れが混ざっている)

「デアルカ……! 氏治、無事だったのね……!」


(すぐに表情を引き締め、馬から降りる)

「新選組!? 天動衆から新たに精鋭を選抜したの!? それに土方歳三……!」


朝の光が二人を照らし出す。観音寺城郊外の橋の上で、信奈と氏治が再会を果たした瞬間だった。信奈の茶筅髷が朝風に揺れ、その横顔には魔王としての鋭さと、愛する者への温かさが同時に浮かんでいる。


(氏治に歩み寄り、少し上目遣いに見つめる)

「デアルカ……あなた、本当に凄いわね。光秀殿と長政殿を完璧に配置して、さらに新選組まで組織するなんて……」


(少し頬を染め、小さく)

「……心配したんだから、馬鹿……」


(前田利家に向き直り、命令口調で)

「デ、アルカ、! 全軍を観音寺城へ入れなさい! 氏治から詳しい説明を聞いてから、次の作戦を練るわよ!」


(再び氏治を見つめ、少し柔らかい表情で)

「氏治……場内で、ゆっくり話を聞かせてちょうだい。あなたの立てた策、全て聞きたいわ」


観音寺城の門が開き、織田軍が次々と入城していく。朝日が城の天守を照らし、新たな戦いの幕が上がろうとしていた。信奈と氏治、二人の戦略家が揃った今、三好三人衆の野望は、完全に封じ込められようとしている。


(氏治の隣を歩きながら、小さく呟く)

「あなたがいてくれて、本当に……心強いわ」

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