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USなら、魚料理よりもハンバーガーだよね?

世界は滅びた!

残った人類が争う中で、ユースティア達が動く!

https://www.amazon.co.jp/dp/B0CV4SWF3F

 真っ暗な海底で、ボゴッと音がした。


 同時に、巨大な何かが身じろぎする。


 周りにいた魚やイカが、慌てて逃げていく。


 いっぽう、海底から浮かび上がった巨大サメは、深海で首を振った。


『ふむ……。最近の若者は、すぐキレる! 困ったものだ……』


 私のように落ち着きを持ってくれ、と呟く。


 言いながら、どこからかゴソゴソと、ロケットランチャーのような箱を取り出し、自分の左右に装着した。


『少し、気分転換をするか……』


 力強く泳ぎ出した巨大サメは、海中とは思えない速度へ。


 同時に、左右の巨大な水中用スピーカーが稼働した。


 大音量のユーロビートを流すことで……。


 電子的なリズムに合わせて、巨大サメも加速する。


 泳ぎ去った後には、ぐったりした魚介類が海上へ浮かび上がっていく。

 この海域の生態系は、もうメチャクチャだ!


 最初の原潜は、こいつに前方の発射管でサルボーするべきだった……。



 勢いよく海面に出た巨大サメは、さらに速度を上げた。


 海を割るほどの勢いで、彼は思う。


(今ならば、あの岩場のスキマを華麗にドリフトできるに違いない!)


 減速するべき難所で、体を横にしてドリフトする巨大サメ。


 次の瞬間に横へ転がりつつ、海面を跳ねていく。


 盛り上がる、ユーロビート。


 狙ったわけではないだろうが、ちょうど山場のシーンで巨大サメが横にスピンしながら岸壁にぶつかった。



 ◇



 深夜の港町プロスルイスから脱出したい女子2人は、沿岸部の海蝕洞窟にいた。


 コソコソと動いていたら、魂消るような女の悲鳴が反響する。


 気になって見に行けば――


 いかにも邪教のような魚面の奴らが、平らな部分に寝かせた裸の女を切り刻んでいる。


 思わず飛び出そうとした支鞍(しくら)千波(ちなみ)は、空賀(くが)エカチェリーナに止められた。


(無理だ! 奴らは見えているだけで、40人ほど……。自分で動けない女を抱えて脱出するのは不可能! 魔力を残さなければ、私たちも助からない)


 腕をつかまれたまま、震える千波。


(……分かったわ)


 背中から追いかけてくる悲鳴や助けを求める声を振り切るように、女子2人は移動する。


 やがて、海面がある部分にたどりつき、小さなボートに乗った。

 連絡用らしく、通路のような洞窟を含めて、使い込んでいる雰囲気。


 天然の洞窟だが、人の手が加わっている。

 

 一定間隔でつけられた灯りが、先導してくれた。


 ぼんやりと照らされるだけの洞窟を進んでいけば、月明かりの海へ。


 けれど、洞窟と外の境界線を強烈なライトが横切った。


 感嘆の声を上げかけた女子2人は、とっさに自分の口をふさぐ。


 ブウウウンッというエンジン音に、そのシルエットから、プロスルイスの漁船か何かだと分かった。


 どうやら、この辺りを巡回しているらしい。


 希望が見えた瞬間に突き落とされ、エカチェリーナはじっとりと汗をかいた。


 思わず膝をつきたくなるが、必死にこらえる。


(このボートで逃げ切るには、あと一手が必要だ……)


 時間をかければ、ここも囲まれるだろう。


 すると、海に通じている狭い洞窟が、大きく震えた。


 外でも、男たちの怒鳴り声。


「今だ!」

「ええ、帰りましょう!」


 魔法師(マギクス)としての魔力を注ぎ込み、ボートレースも真っ青な加速で飛び出す。


 夜の海に、何か巨大な物体がいる。


 そいつは海に浮かび直し、スピーカーらしき部分から大音量のユーロビートを流し出す。


「は?」

「えっ、何?」


 思わず動きを止めた女子2人のボートに、海中から飛び上がった人型がいくつも襲いかかる。


 しかし、潜水艦のような物体の上にのっかったことで、エカチェリーナたちはかろうじて避けられた。


 高速道路が似合いそうなユーロビートと共に海上を走り出す、小さなボート。


 やがて、下にいる物体が横になったことで急ブレーキ。


 上に置かれただけのボートは、勢いよく射出された。


「ああああっ!」

「きゃああああっ! 私たちは、空軍じゃないわよぉおおおおおっ!」


 しがみついたボートと共に落下していく、女子2人。


 けれど、空中で何かに抱き留められ、海面に叩きつけられての死亡を免れる。


 ロボット状態になったボールユニットは、着水しながらボートを運び出す。


 やがて、プロスルイスから別のエリアとなり、ボールユニットは離脱。


 九死に一生を得た女子2人は、ぐしょぐしょの下着の換えすらなく、再びハンバーガーを潰して食べたのだった。


 目についたモーテルに泊まり、途中でテイクアウトしたジャンクフードを食べる2人。


 どちらも全裸だが、別にそういう関係ではない。


 死んだ魚のような目で、ひたすらに食べる。


「美味いね、千波?」

「……塩味が効いているわ」


 若いころの母親を救った空賀みづはも、ボールユニットを回収した潜水艦と共に未来へ!


 帰る前に、対地ミサイルをありったけ射出して……。


 プロスルイスが未来まで残ったのかどうかは、不明だ。


 そもそも、魚雷の直撃に耐える巨大サメとは、いったい?


 多くの謎を残しつつ、地元の新聞紙に掲載されるぐらいの事件はクローズした。

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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