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ラスボスの娘は、やはりラスボス!?

世界の数だけ、ヒロインがいる!?

この男子にとっては、ただの散歩!

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 室矢(むろや)クァトル大学について、進展があった。

 敷地に四大流派のエリアを設け、幼稚舎からの育成も視野に入ったそうだ。


 むろん、5年、10年のスパンで進めていく。

 今後の進学にいかがですか? という話だ。


 4つの勢力が住み分けて戦うって、どこの学園バトル漫画だ?


(主人公がラッキースケベで、メインヒロインと決闘すれば、完璧だ……)


 今の俺はホームで立ち、1人で電車を待っている。


 室矢家の女子たちに言わせれば、危ないことは止めてください、だが……。


(たまには、1人にならないと!)


 周りにいるのは四大流派の関係者ばかりで、俺を遠巻きにしながらヒソヒソ話。


 それにしても――


「そろそろ抜刀術の気配を止めないと、斬り捨てるぞ?」


 レールのほうを見たままのセリフに、後ろから女子高生の落ち着いた声。


「大学のトーナメントへ行かれるのですよね? ご一緒しても?」


 俺が振り返ると、見慣れないブレザーの制服を着た、黒髪ロングに濃い茶色の瞳をした美少女が1人。


 清楚でいかにも大和撫子だが、攻撃的な気配が強い。


 この人の上に立っていそうなオーラは、よく覚えている。


「今のうちに、上がる株価を教えてくれ!」

「……未来が変わりますよ? お金が欲しいのなら、いくらでもお母様たちにいただけるでしょうに」


 苦笑した女子に、俺も息を吐いた。


「誰の?」


千陣(せんじん)流は、遥かに続く……。お母様の名は……」


 ――千陣夕花梨(ゆかり)でございます、お父様


 ついに、来たか!


 嘆息した俺は、未来の娘に向き直った。


 絵になる動きでお辞儀した女子は、顔を上げる。


「千陣、乃々葉(ののは)です……。いずれ、お会いするでしょう」


「確かに、夕花梨の遺伝子のようだ」

「……Iはあります。ご覧になりたいのなら、制服越しでご遠慮なく」


 視線を上げた俺は、美人系の顔を見た。


「だいぶ、ゴテゴテしているな? お前の価値を考えたら、無理もないが」


 年相応の表情になった乃々葉は、迷ったような雰囲気に。


「流石ですね……。これだけ早く見破られたのは、初めてです」

「お前にも考えがあるだろうが、少し多いな?」


 俺の隣に立った乃々葉が、こちらを見た。


「そう思いますか?」

「どちらかに絞ったほうが、良いと思うが……」


 息を吐いた乃々葉は、レールのほうを見た。


「抜刀術は、趣味です……。お父様が愛用していると聞いて」

「そうか」


 会話が途切れた。


南乃(みなみの)さんも来ましたが、先に行ってしまい――」

「え? 想像できないんだけど!?」


 俺の視線に、肩を落とした乃々葉が説明する。


「仲が悪いわけではありません……。私のほうが格上で、性格も合わないというか……」


 言葉を濁した乃々葉は、意を決して告げる。


「未来のお父様が睦月(むつき)さん達と楽しんでいらっしゃるので、毛嫌いしています」


 俺、正妻の南乃詩央里(しおり)の娘に嫌われているのか!


 おずおずと、乃々葉が尋ねてくる。


「控えるつもりは?」

「……そうして欲しいのか?」


 フルフルと首を横に振った乃々葉が、ホームの上にある時刻表を見ながら言う。


「思うところはありますが……。誰をどのように抱くのかは、お父様の自由……。私は女子ゆえ分かりませんが、あれだけの人数を捌いていて急に空けば、女体が欲しくもなるでしょう? 外で遊女や無関係な素人を巻き込まぬだけ、節度があると存じます」


 息を吐いた乃々葉は、俺に向き直った。


「室矢家に籍を入れた女とそれ以外の事実婚では、一軍、二軍の格差になっております。お父様の子供の世代については母と私が目を配りますが、それ以降は責任を持てません。元々、四大流派に海外の勢力が交じっている大所帯です」


 目に余るイジメや妨害が出ないよう注意するのが精一杯、だそうだ。


 プルルル♪ と鳴り響く音を聞きながら、謝罪する。


「苦労をかけている……。埋め合わせとはいかないが、何か希望はあるか?」


「室矢クァトル大学で、私と戦ってください! 最初に行った(りょう)さんの話だけでは、どうにも」


 戦闘民族か、こいつは……。


 そう思いつつ、答える。


「いいぞ! どうせ、俺も戦わされるし……」


 電車が入ってきた。


 そのタイミングで、乃々葉の声。


「お母様と電車に乗ったのですが……。さっきのようにホームの音などがすると、ピクッと反応します」


 マズい。


 夕花梨のやつ、完全に条件反射に……。


 笑顔の乃々葉が、質問する。


如月(きさらぎ)さんに尋ねても、『夕花梨さまは重遠(しげとお)さまと電車通学で愛を育んでおりました』と言うだけで」


 そりゃ、そうだ。

 電車プレイに励んでおりました、と言われたら困るわ!


 開いたドアから乗り込みつつ、隅のほうで立つ。


 俺の前で背中を向けた乃々葉は、顔だけ振り向いた。


「私も、両親の馴れ初めに興味があります! せっかくですし、同じようにしていただけませんか?」


 …………


 おい? 今の当番、出てこいよ?


 出てきて、こいつに誤魔化せ!


 どうした、夕花梨シリーズ!?


 逃げたな、あいつら……。


 ジーッと見ている乃々葉に、仕方なく告げる。


「可能な範囲で……」

「はい!」

過去作は、こちらです!

https://hatuyuki-ku.com/?page_id=31

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