Ex(3日目) 3
指定された住所に向かったら、そこは見たこと無いサイズ感の塀に囲まれた場所。門の前にいたのは、天と柚子さんだった。
驚く僕達をよそに、天はいつも通りの様子で話しかけてくる。
「今日は、急に呼び立ててしまってすまない。本当はお互いに今日は予定があると思うんだが、どうしても俺も柚子も2人の話を聞きたくてな」
「それに関しては、僕は全然いいんだけどさ?それよりも、この家広すぎじゃない!?別荘って言ってなかった?」
「ん?別荘だぞ?ただ、京都は三島財閥にとって深く縁のある土地だからな。他の別荘と違い、第二の本邸としての位置付けでもあるから大きく見えるのかもな」
そう、さも当たり前のように話す天に名家の恐ろしさを感じつつも、そんなところで驚いていたら話が進まなくなるので一旦置いておく。
「さぁ、上がってくれ」
天に案内されて上がったけれど、玄関から圧倒されてしまう。それは三月も同じみたいで、僕の方に近づいてきた。
(ねぇねぇ、はるくん)
(どうしたの?)
(今までで1番緊張しちゃうんだけど……)
(正直それは僕も思ったけど、天だから大丈夫だよ)
そんな僕達のひそひそ話に気付いたのか、天がこちらを向いた。
「緊張させてしまってすまないな、2人とも。ただうちは厳しい家庭じゃない。太陽は知っていると思うが俺の家庭は俺達の活動を応援してくれている。まぁ、そんなことを言ったところで緊張はあまり解れないかもしれないが、そこは徐々に慣れてくれ」
「ありがとう、天。むしろ気を遣ってもらってごめんね?」
「いいんだ。呼んだのは俺達だしな」
天のおかげで少し緊張がほぐれてきたところで、僕達は応接室に案内された。
「それでは、まずは改めて……今日はわざわざ来てもらいありがとう」
「こちらこそ、呼んでくれてありがとう!」
「今日急に呼ばせてもらったのは、太陽と三月さんのことについてだ」
「だよねぇ、というか僕はさっき会ったから聞かれることはわかってたけど」
「三月ちゃんは、聞いても大丈夫でしたか?」
「はい!!最初は緊張してましたけど、大丈夫です柚子さん」
「なら良かったです」
どうやら、三月と柚子さんも仲良くなっているようで正直嬉しかったりする。
まぁ、今はそんなことは置いておいて……
「さぁ、天達はなにから聞きたい?」
「何からと聞かれれば、それはもちろん2人の昨日の話だな」
「天君?あまり直接的に聞くものではありませんよ?」
「そ、そうか」
「ここからは、私が進めましょうか」
「……任せた」
どうやら、ここからは天じゃなくて柚子さんが話してくれるみたいだ。正直な話をすると、天よりも柚子さんの方が良い意味で怖かったりするんだけど。
「まずは、一瀬さん、三月ちゃん。おめでとうございます」
「ありがとうございます、柚子さん」
「あ、ありがとうございます!」
「それでは、お2人のことたくさん聞かせてください」
「何から話したらいいですかね……?」
「お2人は、お互いの事を推してたんですよね?」
「「はい!」」
「その推しという存在が、推すという気持ちが恋心に変わったきっかけ、から教えて欲しいです」
これはまた、初心を思い出させるな。
読んでいただきありがとうございます!
3日目編はかなり細かく続きますがお付き合いください!!
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