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『夫と侍女に裏切られた私は、二人の娘になって復讐を誓う』  作者:


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12/17

12. お茶会デビュー!?

セドリックを亡き者にした後、あの人たちは私にウェルツ家を継がせるつもりだ。

そして、その地位を盤石にするため、貴族の子息を婿に迎えようとするだろう。

となれば、躍起になって私の婚約者を探すはず。


✥✥✥✥


予想通り、お茶会の招待状が次々と舞い込んできた。


薔薇が咲き誇る、広い宮廷の庭。

そこには、同年代の子どもたちと、その親たちが集まっていた。


(いきなりそこにチャレンジしたの!? リゼット、マルクス。私への信頼、どんだけ厚いのよ。)

私は目を丸くし、思わずぶはっと笑った。


確かに二度目の人生だ。

礼儀作法も勉強も、同年代の子どもより抜きん出ている。


外見だって腹立たしいことに、顔だけはいいルーカスと、美人のリゼットに似たおかげで、自分でもなかなか綺麗だと思う。


(まあ、いいわ。)

私はニヤリと笑った。

(ご期待には、しっかり応えさせていただきましょう。)


そうして私は、意気揚々と会場へ足を踏み入れた。



まず、目に入ったのは――

(あら、マーガレット先生。)

エマが学園に通っていた頃の教師である。


ぐちぐち、ぐちぐちと細かく、家格の低い令嬢が失敗すれば声を荒らげる。

そのくせ、家格の高い令息には猫撫で声。

生徒が失敗すれば、嫌味たっぷりに笑う。

(昔から、いけ好かなかったのよね。)

アデルは唇を尖らせた。


それにしても、随分お太りになったものね。

時が流れるのは残酷だわ。


ふと隣を見る。

(あら。あれはお嫁さんかしら。)

随分と小さくなって。

毎日、ぐちぐちぐちぐち言われているんじゃないかしら。


私はマーガレット先生へ向かって歩き出した。

「ねぇ、おばさん。なんでそんなに太ってるの?」

直球である。


「まあ、なんて失礼な! 私は学園の副理事長ですよ。これまで数多くの優秀な生徒を輩出してきた、由緒ある――」

(いつの間に、そんなにお偉くなったのかしら。)

ぐちぐちぐちぐち。

始まったので、とりあえず欠伸をしておくことにした。


「で、なんで豚みたいに太っているの?」

少しだけ声を大きくする。

「痩せていることが、淑女の嗜みじゃなかったかしら?」

会場中が、一瞬静まり返った。


どこからともなく、

「ぶふっ」

と、吹き出す声が聞こえる。


隣のお嫁さんの瞳が爛々と輝いていたのを、私は見逃さなかった。

マーガレット先生は全身を真っ赤に染め、わなわなと震えている。

本当に、豚のようになってしまった。

(あら。言い過ぎたかしら。)


もちろん、反省はしていない。




マーガレット先生は、その後すぐにお帰りあそばした。


なぜか私は、親たちに囲まれていた。

その中には、エマだった頃の級友もちらほら見受けられる。

(私も生きていたら、今頃この中にいたのかな……。)

ほんの少し、センチメンタルになった。


ふと後ろを見ると、リゼットが何か言いたげな顔をしていた。

けれど、私は一応ウェルツ伯爵家の令嬢。

幼女とはいえ、リゼットより身分は上である。


ましてや私は、ルーカスとリゼットにとって大切な愛娘。

家に帰ったところで、そう強く叱ることもできないだろう。

(マルクスも、まさかこうなるとは思ってなかったでしょうね。)


私は静かにほくそ笑んだ。

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