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共和国と奴隷

零はウライアにいる、1万人全ての難民を粒子の保存領域に保護した。


「みなさ~ん、ウライアで住んでた場所毎に分かれて、村長を決めてくださ〜い。」

零が粒子のスピーカーで1万人の避難民に言った。


「村長を中心に、みんな何の仕事をしたいか、決めて教えてくださ〜い。」

零が言った。


「じゃ、夕方になってきたので、シルビア王女とイザベラ王女をお送りしますね。」

零が言った。


「送るって、零様はどうするのよ?」

イザベラ王女が聞いた。


「僕達は共和国に行って来ます。」

零が言った。


「共和国?何をしに行かれるのですか?」

シルビア王女が聞いた。


「はい、ウライアの民を救いに行きます。」

零が答えた。


「救いに?…零様、ちゃんと説明しなさい。」

イザベラ王女が言った。


「は、はい。ウライアの民がアサランド共和国で奴隷になってたりしているので…」

零が答えた。


「奴隷…」

シルビア王女の顔がこわばった。


「零殿!言葉を選んでください!」

騎士ルティナが怒った。


「あ、はい。すみません。」

零が謝った。


「ルティナ、私は大丈夫です。零様、だとしたら急がなくては。私も行きます。」

シルビア王女が言った。


「シルビア王女、ダメです。酷い光景を見る事になります。」

騎士ルティナが言った。


「いいえ、私は行きます。王国の戦争でウライアの民がどんな酷い事になってしまったのか、知らないままウライア王国の王妃になる事はできません。」

シルビア王女は毅然として言った。


「当然、私も行くわ!他国に行くなら、外交交渉が必要になるでしょ。零様は交渉が得意じゃないでしょうから。」

イザベラ王女が言った。


「ははは…じゃ皆で行きます。酷い扱いを受けている民から順に行きます。」

零は言って、王女達と粒子で転移した。


アサランド共和国カルタナ領、スロスバのダンジョン。


子爵リブザードが私兵10人と奴隷5人と共に、スロスバのダンジョンの11階層を歩いている。


奴隷の2人は、首に鎖をつけられ、歩ける程度の足枷と手枷をされ、罠対策で前を歩いている。


突然、奴隷の1人が足を上げた状態で止まってしまった。


「何をしている?」

子爵リブザードが止まった奴隷に言った。


零が奴隷の前に粒子の転移で現れた。


「大丈夫ですか?ここ、罠の魔法陣がありますよ。」

零が優しく言った。


王女達も零の後に現れた。


「何だ、貴様らは!」

子爵リブザードが叫んだ。


怒りに満ちたフェスが狼牙剣を出した。


「フェス、ダメだよ。あれでも一応子爵だから。」

零が止めた。


「しかし零様、ここならダンジョンの魔物に喰われた事にできるのでは。」

リラが言った。


「うん、そうだね。でも子爵には伝言係になってもらおうかと思って。」

零は2人の奴隷の首の鎖を粒子で外しながら言った。


「鎖を外したのか?ふん、無駄な事を。奴隷よ死ね。」

子爵リブザードは笑いながら言った。


「零!呪いがかけられてるわ!」

「趣味の悪い呪印刻印よ!」

カタリナと黒魔法士クラリッサが同時に言った。


「うわー」

奴隷2人は悲鳴を上げた。


「大丈夫ですよ。あなた達を助けに来ました。」

零は2人の奴隷にかけられている呪印刻印を粒子で解除して、笑顔で言った。


「カタリナさん、クラリッサさん、教えてくれてありがとうございます。」

零は言いながら粒子で手枷と足枷も外した。


「なぜ、呪印刻印が効かない?最上位の呪印だぞ。」

子爵リブザードが驚いて言った。


カタリナと黒魔法士クラリッサは集中して零が呪印刻印を解除した魔法残滓を探っている。


子爵リブザードの視界から零が消えた。


「大丈夫ですか?」

零は子爵リブザードの後にいた3人の奴隷の前にいた。


零は粒子でその3人の奴隷の首輪や手枷や足枷も外し、呪印刻印を解除した。


「貴様〜」

子爵リブザードは剣を抜いて零に斬り掛かった。


子爵リブザードが剣を振り被ったまま、固まった。


「う、動けない!?」

子爵リブザードが苦しそうに言った。


「危ないから剣は捨てましょう。」

零は粒子で子爵リブザードが握っている剣を粒子で粉々にした。


「私の剣が…お前達こいつを殺せ!」

子爵リブザードが10人の私兵に命じた。


しかし私兵達も既に粒子で固められていた。


「お前達は何だ!なぜこんな事をする!?」

子爵リブザードが粒子で固められたまま叫んだ。


「自国の民が他国で酷い扱いを受けているので、助けに来ただけです。」

零が言った。


「こんな事をしてただで済むと思っているのか!奴隷制度は国際法で認められているのだぞ!」

子爵リブザードが言った。


「奴隷制度について、グランバルト王国は調印していません。」

シルビア王女が毅然として言った。


「イタリウス帝国も奴隷制度には調印してないわ!国際法ってあんた達共和国の連中だけが言ってる事でしょ!」

イザベラ王女が叫んだ。


「何を言う!世界17ヶ国が調印しているのだぞ。」

子爵リブザードが言った。


「奴隷制度なんて認めないわ!人の尊厳を踏みにじるなら、17ヶ国全部叩き潰すわよ!」

イザベラ王女が叫んだ。


「おい、あれ、脅迫じゃねえのか?」

フェスが黒騎士フィオナに言った。


「外交交渉で来たのではないのか?」

リラも黒騎士フィオナに言った。


黒騎士フィオナは赤面してうつむいた。


「この5人はウライア王国に連れて帰ります。」

零が言った。


【次回予告 】

ウライアの王都をつくる。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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