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王女達の抗議

「城壁は消しました。僕は学園の講義があるので、これで帰ります。」

粒子の転移で総司令官執務室に戻ってきた零が言った。


「学園の講義?」

副官クレールが不思議そうに言った。


「ワハハハ。そうか、学生の本分じゃ。講義も大事よのう。ではこの礼は改めて。」

総司令官バルハイトが笑いながら言った。


「はい。失礼します。」

零達は粒子の転移で総司令官執務室から消えた。


翌日。


零が登校すると、又シルビア王女とイザベラ王女が楽しそうに話している。


「おはよう。」

零が笑顔で言った。


「零様、おはよう。」

シルビア王女とイザベラ王女が零に言って、又2人で楽しそうに話しだした。


その翌日も、その次の日も続いた。


20日後。


零が講義室に入っていつもの様に挨拶した。

「おはよう。」


振り向いたシルビア王女とイザベラ王女が怖い顔をして零を見た。


「な、何ですか…?」

零は戸惑って聞いた。


「零様、お昼休みにお話しがあります。」

シルビア王女が怖い顔で言った。


昼休み。


窓際のテーブルに食事を終えたシルビア王女とイザベラ王女と零が座った。


「ロアン!私達のお話しを誰にも聞かれないように見張ってて!」

イザベラ王女がロアンに命じた。


「はっ。」

ロアンが答えて、テーブルの前で辺りを見回した。


「零様、10日前、ウライアで何をされたのですか?!」

シルビア王女が怒った顔で言った。


「えっ?はぁ、魔王軍のワイバーン部隊がウライアに来そうだったので、王国軍と帝国軍の戦闘を止めて、ワイバーン部隊を倒しました。」

零がシルビア王女の顔色を伺いながら言った。


「本当だったんだ。」

イザベラ王女が驚いて言った。


「詳しく話してください。」

シルビア王女が言った。


零は紛争地ウライアでの事を詳しく話した。


シルビア王女、イザベラ王女、周りを見張っているはずのロアンも驚いて暫く言葉を失っていた。


「あの〜何で怒ってるのでしょうか?」

零はシルビア王女とイザベラ王女の顔を覗き込んだ。


シルビア王女もイザベラ王女もはっと我に返った。


「王宮でウライアの事が噂になっています。そこで零様の話も出てきました。クノーラに調べてもらったら、零様が成し遂げた事を知りました。」

シルビア王女が言った。


「私は皇宮のお姉様から手紙が来たわ。ウライアの事で零様にお礼を伝えてほしいと。」

イザベラ王女が言った。


「はぁ…」

零は腑に落ちない様子だ。


「零様、私達は毎日学園でお会いしているのに。婚約者である私達に何も言ってくれないなんて!」

シルビア王女が怒って言った。


「私達は他の者から聞いたのよ!どんなに恥ずかしい事か!」

イザベラ王女も怒った。


「あっ。」

零は事の重要性に漸く気づいた。


「ごめんなさい。そうだよね。2人共、僕の事を他の人から聞くなんて。そこまで気がまわらなかった。本当にごめんなさい。」

零は謝罪した。


零の素直な謝罪にシルビア王女とイザベラ王女は笑顔になった。


「零様の行った事は誇れることですわ。長い間続いた王国と帝国の戦争を止めるなんて。素晴らしい事ですわ。」

シルビア王女が言った。


「国の為とはいえ、もう大切な兵士を死なせる事がなくなったわ。本当にありがとう。」

イザベラ王女が言った。


「うん。本当に良かったよね。」

零は言った。


ウライアの停戦から2ヶ月後、零は国王に呼び出された。


王宮謁見の間。


「お〜婿殿。よく来てくれた。」

アルベール国王が笑顔で言った。


宰相フランツと騎士長レグルスもいる。


零はこれから何を押し付けられるのか、粒子画面で見ていたから知っている。


「はい。」

零は苦笑いした。


「ウライアの件では婿殿のおかげで帝国と停戦協定まで進んでおる。」

アルベール国王が言った。


「はぁ。」

零は気のない返事をした。


「ところがのぉ、ウライアの領地分割で話が停滞しておる。」

アルベール国王が言った。


零は気のない顔をしている。


「そこでじゃ!婿殿の力を借りたい。」

アルベール国王が満面の笑みで言った。


「無理です。」

零は即答した。


「まだ詳しく話しておらんぞ。」

アルベール国王は首を傾げながら言った。


「あの皇帝相手に僕が交渉なんてできるわけないじゃないですか。皆がいても丸め込まれたんですから。」

零が言った。


「ふむ。しかし婿殿は我らにない不思議な知恵を持っておる。婿殿が商いを差配したバルセバル領は、今だに発展しておる。」

アルベール国王が言った。


「あれは、筆頭財務官のバルトロさんが商い上手だからで、僕ではあんなに発展しませんよ。」

零が言った。


「婿殿には立会人として帝国との交渉を聞いてもらいたいのじゃ。その中で何か気づいた事があれば言ってほしい。タヌキとの交渉は我々がする。」

アルベール国王が言った。


「はぁ、立会人ですか…」

零が言った。


「引き受けてくれ!頼む婿殿!」

アルベール国王は懇願した。


「はぁ…立会うだけなら。」

零が諦めた感じで言った。


「そうか、そうか。引受けてくれるか!」

アルベール国王は喜んだ。


【次回予告 】

ウライアのとんでもない解決策。


物語を読んでいただきありがとうございます。

これからも面白い物語に育てていきます。


「面白い!!」「続きが読みたい!!」と思っていただけたら、

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